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伊豆天城山でハイキング-13

階段を上っていくと舗装された道の脇に水路がありたっぷりのお水が流れている。

ニュージーランド南島ネルソン近くのコースでも似たような光景があった。川とはまた違う人工的なものだけどなんだか友を連れているような親しみやすさを感じる。

柵から下を覗けば透き通る水が滑らかな岩場を落ちている。

キャニオリングのようにキャッキャッキャと騒ぎながら滑ったら楽しそう。
ただここにはここの情緒があるからスポーツでそれを崩して欲しくもない。エンターテイメントは町の活性化に繋がるけど失われるものもある。それが難しい点だよね。とか一人で妄想して思いに耽ってみたりする。


蛇滝へとやってきた。

おぉ~、なんとも太く落ちる様が凛々しく自信に満ち溢れている。

だけどどうしてこれが蛇?

水が落ちていく様がまるで蛇が舌を出しているように見えたのかな。

それでもあんまりピンとこないや。

まぁ、今までの滝が名前のイメージ通りだったのかと聞かれれば決してそうじゃなかったんだけど。

柵があるため近くに行くことは出来なかったけど上からの流れを動画に収めることが出来た。


道は勾配がきつくなり、登り続けていくと河津踊子滝見橋(片塔式ウエーブ橋)という吊り橋へとでた。全長約46m、幅1.5m、ちょっと揺れて面白いけど高所恐怖症の私は怖さも同時に感じる。

れんが後ろを振り返って私たちに教えてくれた。

「上から見るともっと蛇らしくみえるんだよ」

ほぉー、ではその姿を見てみよう。

言われてみれば蛇がうねっているようにも見える。確かにこれならその名前の由来がわからなくもない。川沿いの粗く削れた岩が蛇皮っぽくみえるしね。
個人的にはオオサンショウウオというイメージのほうがぴったり来たけど、“オオサンショウウオ滝”よりも“蛇滝”のほうがしっくりくることに間違いない。

川を見るだけでたくさんの木々が視界に入ってくる。その事実だけで癒される。


その先に海老滝があった。
滝は荒い岩に囲まれているから上からの鑑賞になるんだけど足場が狭くて悪くて落ち着いて見られない。

流れが海老反っていれば名前の由来にも納得。だけどそれはしっかりまっすぐ正直に流れている。
上から流れ落ちてくる水を滝つぼで一旦受け止めて、そのまま流れに乗ってすぐに下へと落ちる水いれば、奥まで潜ってから上ってきて落ちたり、左右に振られてつぼに長く滞在する水もある。

正直だからこそいろんな思いを心に馳せながらまっすぐに発言しようと努める人の頭の回路を見ているようだ。

滝つぼにはスカイグレーと水を含んだ白、そして透明な水に光が反射しそこに背景が写り込んだり、様々な色が楽しめる。

狭い隙間を勢いよく流れる音が生み出す重低音に耳は虜になる。

清いって強いな。


海老滝の上流は幅が狭く、水の流れに研磨され続けているのであろう丸い石がゴロゴロと並んでいる。

下流とは異なる川の在り方もまた美しく、時間が止められないようにそれはずっと流れ続けている。

七つの滝の中でここが一番好きだった。


滝の先には橋があったけど立入禁止になっている。

行くなと警告されているんだから行かないほうがいい。

五人ぞろぞろと並んで本道に戻り、さらに上って釜滝を見に行こう。



主な登場人物:
私-のん、夫-たぁ、
姉-ささ、姉の夫-れん
姪っ子-らら、甥っ子-ぼう

これまでのお話



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