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産後パパ育休で達成したい6つの目標

前回の『育休中に何かしようと思っても到底できないということがよくわかった。』では、初めての育児でのショッキングな気持ちを、ブワワワワッと書き殴らせていただきました。

今回は少し冷静に、1か月の産後パパ育休(出席時育児休業)を振り返って、育休期間中に父親がやるべきと考えたことを、6つの「達成したい目標」という形にまとめてみました。
※診断士なのでちょっとビジネス風味にしています。

1.人員補充

子育てで行うことのボリュームは半端なく、ワンオペでは到底どうにもならないことは前回お話ししました。

そこをカバーするための人員(=夫)を補充し、育児家事という業務が回るようにするのが1つ目の目標です。

やることが大量にあるだけでなく、特に初めての育児ではわからないことだらけのため、迷ったりうまくいかなかったり、予想外の問題が起こったりも沢山なので、できる限り戦力を手厚くしておくのが望ましいです。

2.チームビルディング

子育てに挑む夫婦は「チーム」として存分にパフォーマンスを発揮できるよう、関係の強化が必要です。
それは育休の場面で言うと“奥さんにどれだけ安心・信頼してもらえるか”に尽きます。

産後すぐの母親は、出産による身体的なダメージ、育児での疲労蓄積&寝不足、初めての子育てへの不安、等々で、心身ともにボロボロの状態です。
そんな中やって来た補充要員(=夫)があまり動いてくれず頼りない様子だと、不安・失望でチーム解散まで頭をよぎるかもしれません。

育休中に夫が全力(持てる時間を全て費やすくらい!)で育児・家事をすることで、奥さんの負担が減り静養できるとともに、「子育てにちゃんとコミットする」「育児の不安/大変さ/プレッシャーを共に背負って共感できる」チームメンバーとして夫を見てくれるようになるでしょう(と、思います。おそらく。。願わくば。。。)。

3.多能工化

育児の分担はもはや当然という世の中ですが、子育てをスタートする産後パパ育休の段階では、分担を考えるよりも夫婦ともに全部の育児・家事ができる方がベターです。

もし夫婦ともに全部ができる「多能工」になれば、メリットは沢山あります。

①一方が動けない時でも、もう一方がカバーできる。
②(全部の育児家事を把握しているため)どちらかから指示を出さなくても状況から判断して自発的に動ける。
 ※たとえば奥さんが授乳をしていたら、まわりを見渡して「洗濯物を畳む」「オモチャを片付ける」「哺乳瓶を洗う」など、やるべきことがすぐ頭に浮かび動けます。
③夫が留守番しながら育児をして、奥さんは外出・リフレッシュということもできる(その逆も然り)。
④特定の育児家事について、片方に依存しているという不公平感*が出にくくなる。
 *「夫は『うんちオムツの交換だけはできない』とか言ってアタシに押し付けるのよ!!」というようなやつですね。

全部というのは一見大変そうですが、育児なら「ミルク作り&やり」「オムツ交換」「お風呂入れ」「あやし・寝かしつけ」、家事なら「炊事」「洗濯」「掃除」「ゴミ処理」「買い物」程度が主なものです。

育休期間中に何度かやってみれば身に付く範囲の技術と思いますし、"完璧"でなく"それなり"のレベルであれば十分です。
 ※なお炊事については少しハードルが高いので、レトルトや冷凍食品、テイクアウト、デリバリーなどの力を借りるのも全然アリでしょう。

4.調達・総務事務

日々の生活の他に、育児や家事に使う道具・備品等を揃えることも重要です。
ミルクやオムツなど消耗品、ベビー服、哺乳瓶、子供布団、ベビーカー、抱っこひも、バウンサー、プレイマット、などなど。
これらについての情報収集から、比較検討、パートナーへの提案&合意、調達(新品購入 or メルカリ or 知人から譲ってもらう、等)、開梱そして試用、というトコまでやるのは結構な労力です。

また総務事務的な仕事もあり、出生届、児童手当金、健康保険、医療費助成、各種控除の申請といった手続きや、内祝い、お七夜、お宮参り、お食い初めといった行事の準備なども行う時期です。

これら「調達・総務事務」を満身創痍・疲労困憊の奥さんに代わり行うのも、育休パパの大事な仕事です。

出産前にもある程度は進められますが、実際に子育てがスタートしてから調達するものもたくさんあります。
育休明けはもっと時間の確保が厳しくなりますので、重要な物品調達や諸手続きは全て終わらせておくと気持ちの余裕ができます。

5.業務の標準化

産後パパ育休は「出生後8週間以内に4週間まで」ということがあり、取得するのは退院直後または里帰り出産後(産後1ヶ月頃)からというパターンが多いようです。

その頃はまだ子育ての方法は固まっておらず、あれこれ試行錯誤している段階です。
そのタイミングで夫もガッツリと育児家事に入り込み、奥さんと一緒に手を動かしお互い意見を出しながら、夫婦間での育児家事業務の標準化(やり方の統一)をしておくといいでしょう。

逆にもし、この初期のタイミングで一緒に育児家事を行わず、片方だけのやり方で固まっていった場合、その後いざ一緒に行う際に不都合なことが出てきます。

一つは、育児家事方法を教える労力です。
ただでさえ人手が足りない時に、自分の仕事をしながら新人にやり方を教えるのはかなりの負担で、新人がスムーズに出来ない様子もストレスになるでしょう。

また「奥さん自身も手探り・自信のない状態でやっている方法を、正しいものとして夫がそのまま踏襲する」ということは、もしもそのやり方で問題がおこった場合、責任が全て奥さんにかかってくるような図式になるため、奥さんだけにそのプレッシャーを背負わせてしまいます。

そして、教わる方の夫も、わからないことだらけなのに指示は最低限で、奥さんのある意味「自己流」のやり方を習得しなければならず、少しでも違っていると怒られ、疑問に思っていてもなかなか意見を言い出しづらい…、こちら側のストレスもなかなかです。

「ルールを作る側にまわれ」という言葉もありますが、最初のタイミングでしっかり中に入り意見の擦り合わせができると、お互いの要望を盛り込むこともできます。
そうしておくと、お互いの育児家事能力や理解度への信頼もあるため、後でやり方を変更する時もスムーズにできるでしょう。

6.事業計画

育休終了後の育児家事のやり方・分担をどうするか、計画を作っておきましょう。

これまでフルに使えていた父親の時間から勤務時間の分がなくなるため、どうしても育児家事の調整・分担見直しが必要となります。

「出社の場合」「在宅勤務の場合」「休日」それぞれどのように乗り切るのかを、タイムテーブルやタスク表のような形にして夫婦間で擦り合わせ・共有しておくのが望ましいです。

やり方自体を(育休期中のものから)変える部分もあるでしょう。たとえば、
・朝食や洗濯などを出社前にできるよう早起きする。
・子供のお風呂に間に合うよう早く帰る曜日を設ける。
・夕食は週末にまとめて作り冷凍しておく。
などなど。

実際に育休があけてから変更する部分ももちろんありますが、可能な範囲で事前にシミュレーションしておくことは有効です。
「育休後も夫はこれだけのことをする」というコミットにもなりますので、奥さんの不安も少し和らげられるかもしれません。

以上、産後パパ育休で達成したい6つの目標でした。
これだけのボリュームがあると、育休期間としてやはり4週間は必要だとわかります。

私は幸いなことに会社や周囲の方々から協力・フォローをいただけましたが、仕事だけでも厳しい状況の方も当然おられるかと思います。
とはいえいずれも子育ての立ち上げ時にやっておきたいポイント。
全部は難しくとも(自分も実際どれだけできているか…奥さんに聞くのは怖い(^-^;))、上司・同僚などと相談して、つぎ込めるだけのリソースを投入することを強くおススメいたします。

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