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詩の場所

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小山伸二の詩の置き場所です。
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2016年1月の記事一覧

空で待ってるんだ

空で待ってるんだ

一月の昼下がり
まどろみながら夢のなかにまぎれこむと
なぜかプラネタリウムにいる
受付には死んだ父親
お金を持っていない子供のぼくが
もじもじしていると
面倒くさそうにして
入場券をぽいと差し出してくる
懐かしいの父親の顔
デヴィッド・ボウイのスターマンが聴こえている
左の手のひらのiPhoneから
ギターをかき鳴らすデヴィッド
このままじゃ星の部屋には入れてもらえない
消さなくちゃ
つるつるの画

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どういうふうにして、詩を書くのか

どういうふうにして、詩を書くのか

このタイトルで文章を書きたくなった。
なぜ詩を書くのか、から始めるとめんどくさい。
詩とは何か、なんて、もっともっと、超めんどくさい。
でも、どういうふうに詩を書くのか、なら、
なんとなくすらすら書ける気がする。
だって、じっさい、日々、ぼくは詩を書いているし
書いているぼくの詩は
詩とは何か、
なぜ詩を書くのかと、
いちいち街頭の宗教のひとみたいに
ふつうに生活をしているぼくの神経に
波風を立て

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ボウイ

ボウイ

休日のシエスタ
夢の中にまぎれこんで
なぜだかプラネタリウムで
死んだ父親が受付に
ぼくはお金を持っていない
もじもじしていると
彼は少し面倒くさそうに
子供になったぼくに
入場券を差し出してくる
夢の中で
死んだデヴィッド・ボウイの歌が流れている
どうやら手のひらのiPhoneから
この音を消さないと
星の部屋に入れない
消さなくちゃ
焦れば焦るほど
iPhoneの操作がうまくいかない
仕舞いに

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