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小山伸二
2015年5月17日 00:34
フェルナンは不幸せだったと誰も言うことはできません五月になると五月の風が吹く外国人のぼくたちの教室から流れる言葉この町の窓から逃げていく言葉神様がいないと知った朝のその悲しみにはとても届くことはできない本のなかで手に入れた記憶を手がかりに湖の町を旅したこともあった家族がまだそろっていた季節大きな樹の梢越しに雲が浮かんでいたフェルナンは不幸せだったと誰も言う