"言葉の有効性" アーカイブ#02

他人と関わって生きるということを考える。

ある程度の親密な関係になれば何かしら精神的なつながりを

求めるようになる。

しかしそれらはどこまでいっても一つになるわけではなく、

二つの糸が巧妙に絡み合って続いていくだけ。

確信的な何かを得たと思ったのもつかの間、

手の間をするすると通り抜けて落ちる。

音楽を作る作業にも似ている。

ほぼ無意識に音を紡いで気がつけばある程度の尺の音楽になっている。

どうやってそこにたどり着いたのか説明も出来ない。

人との関係も同じ、

どこまでいっても他者の心の深部を言語化することなど出来ない。

もしかしたら自分の本当の意識ですら理解できているのか怪しい。

本能や我儘な思考が最も正直な思考であると考えがちだけど、

人間である限り本能では生きられない。

そもそも人類の成り立ちが、他者を助けることに端を発してる。

この先どうやって他者を理解し、適切な距離を保ち、本来の人間らしい関係

を築けば良いのだろうか。

ガイドにすべきものは過去の賢者の哲学にしかなく、

実社会の殆どは経済という化け物を優先するように出来ていて、

当てに出来ない。

電脳の世界はにわか哲学で説かれた信用しきれない論説で溢れ、

迷宮以外の何物でもなく、

それらを揶揄することすらコンプライアンスに触れる可能性を憂う始末。

言葉は一体どこまでが有効なんだろうか。

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