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作品のゆくえ

音楽を作る上で、いや何か芸術にまつわるもの、創作されるもの全てに作者が思いを込めるというのは普通にみなやっていると思う。
でもそれが声高に語られたり、説明を求められたりするのは僕は苦手だ。
歴史的名画などで何十年も後に関係者が語る当時の裏幕とかはとても興味深く、語られるべきものだとも思うけどね。

ともかく僕の場合は「リスナーにメッセージを」というラジオなんかのシメのお約束もほとんど「ありません」を通してる。
そもそも作者の意図が受けてに伝わること自体にはあまり意味を感じないし、理解なんて本当の本当には出来ないし、出来なくていいと思っている。
それぞれの受け取り方の自由を尊重したいと思う。

それを承知でそれでもなにかしら作品について聞きたいひとが僕に尋ねてくるぶんには答えたりもするけど、正直記憶も曖昧で、それより一ミリでも新しいもの作っていたい。

僕がここで言いたいことは、作者の意識や意図や思い入れがどうあれ芸術がひとの心に与える影響や作用は図り知れず、作者がコントロール出来ることでもなく作品が生み出されたあとはその作品が永遠に旅をしていくだけなんだということ。

故に作品自体は僕の生み出したものでも、世に出た瞬間から僕のものではなく、手を離れて一つの旅が始まる。世界の果ての僕の知らないところで少しでも誰かの魂を活性化させたりしてくれてればいいなとは思う。
更には大して心がこもっていない、割とさらっと出来上がったような音楽やアートでも誰かの人生を大きく変えることもあると思っている。


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