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たった20分の瞑想で不安が劇的に解消【動画日本語訳】

こんにちは、マインドフルネスストレス低減法講師のYusukeです!

今回は、カリフォルニア大学テレビジョン(UCTV)というYoutubeのチャンネルから最近アップされた「The Neuroscience of Meditation, Mindfulness, and Compassion」というマインドフルネスと脳科学の動画を紹介します。

今回の記事はこの動画の日本語訳です。全訳ではなく要所を意訳しました

この記事を読むと、

マインドフルネス瞑想やコンパッションベースの瞑想がどんな効果をもたらすのか、どのようなプロセスでそれが起こるのか、を脳科学的な視点から少し知ることができます。


*この動画に関する補足

UCTV : カリフォルニア大学テレビジョン(University of California Television)は、カリフォルニア大学のオンラインメディアプラットフォーム。同大学の10のキャンパス、3つの国立研究所、提携の研究機関の協力のもと、生活をより良くする教養としてのプログラムを配信。科学から健康、医薬、公共問題、人文科学、芸術、音楽、ビジネス、教育、農業まで幅広いトピックと最新の研究を扱っている。詳しく知りたい方はこちら http://www.uctv.tv  (出典:Youtube説明欄)

Dr. William Mobley : カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部教授。前スタンフォード大学神経科教授。

Dr. Fadel Zeidan : カリフォルニア大学サンディエゴ校Center for Mindfulness研究室副所長。

簡単にいうと二人とも神経学の専門家で、マインドフルネスや思いやりと脳に関する研究の最前線にいる方です。(ざっくり)

動画ではDr. MobleyがDr. Zeidanを招いた形で、主にDr. Zeidanがマインドフルネスについて話しています。


瞑想、マインドフルネス、思いやりの脳科学(日本語訳)

私たち(Dr.Zeidanと研究所の同僚たち)は、マインドフルネスやコンパッション(思いやり)をベースとした瞑想が、どのように私たちの身体的、精神的、社会的な健康(well-being)に影響を与えるのか、また、脳や生理学的にどうのような過程でそれが起こるのかを理解しようとしてきました。

マインドフルネス瞑想とは、個人が自分の意識を体の各部に向ける練習です。一般的には呼吸の感覚の変化に集中します。

集中が何かに邪魔されたら、それが思考でれ、感情であれ、自分やその邪魔するものを評価判断せずに、ただ手放して、呼吸に意識を戻します。

これは4500年も前から実践されていた驚くべきトレーニングです。

私たちは近年になって、これがどれほど効果のあるものなのかを、薬学的ではなく、自己管理(self-regulatory)という観点から研究しています。

特に、瞑想的な訓練が、どのように行動や身体的、精神的、社会的な健康の向上を助け、促す神経生理学に作用するのかに興味を持ってきました。

これまでの研究から、マインドフルネス瞑想やコンパッションベースの瞑想が、直接的にストレスや不安、孤独感を改善させる、という驚くべき事実が分かっています。

しかも、その効果はたった20分の瞑想後にでさえ得られるのです。

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2010年に発表した実験では、20分の瞑想訓練が、ストレス、緊張、鬱、混乱を大幅に軽減し、疲労感を低下させ、総合的な気分を向上させることがわかりました。

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また2014年に行った実験では、14人の被験者に瞑想を行なってもらった結果、20分の瞑想をたった1回行うだけで、不安な状態を平均22%も緩和できることが確認されました。

さらに彼らの脳をfMRIでスキャンしたところ、たった20分の瞑想が脳の活動に変化を与えることもわかりました。

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通常私たちがストレスや不安を感じるとき、前頭前野皮質(赤マル)や前帯状皮質(黄色マル)と呼ばれる脳の部分の活動が低下します。ここは、思考や感情を制御する役割を担っています。

それと同時に、後帯状皮質(緑マル)が活性化します。この脳の領域は、マインドワンダリング(無意識に様々なことを考える)や自己言及する思考プロセス(自分についてあれこれ考える)に関連しています。

私たちは、短時間の瞑想が脳の前頭前野皮質や前帯状皮質を大幅に活性化させ、後帯状皮質の活動を大きく低下させることで、不安が抑制されることを発見しました。

これまでの研究から、瞑想の熟練者でなくともこのような効果が得られると言うことができます。

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また別の実験から、前帯状皮質と扁桃体のつながりが強ければ強いほど、ストレスを強く感じることもわかりました。

前帯状皮質は、対立やその瞬間の状態を処理する場所です。

扁桃体はとても古い部分で、恐怖やネガティブな感情や、その他の一般的な感情を処理する部分です。

マインドフルネス瞑想を行うと、前帯状皮質と扁桃体のつながりが切り離されるため、ストレスが軽減することが分かりました。これは、脳の感情処理の中心地(扁桃体)の活動が低下し、過剰反応しなくなることによって起こります。

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また、昨年発表された研究では、マインドフルネス瞑想とコンパッションベースの瞑想が、孤独感を大幅に減少させたという結果が出ています。(一番左。グラフの左が基準値、右が瞑想後の数値)

しかもそれは、周りに人がいなくても、グループでのトレーニングに参加していなくてもです。

また、社会的な繋がりの感覚(social connection)は逆に向上したとの結果が出ています。

これらの研究結果から、1日のうち少しの時間座り、自分の感情を自分でコントロールすることで、自分がどのように物事を感じるのかを劇的に変えることができる、と言えます。


まとめ

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では最後にDr. Zeidanの話した内容を簡単にまとめます。

・たった20分のマインドフルネス瞑想がストレス、不安、緊張、混乱を軽減し、気分の上昇を促す

・マインドフルネス瞑想が、ストレス時に活性化する脳の部分を抑制し、さらにストレス時の活動低下する部分を活性化する(以下補足)

 ストレス時 >> 前頭前野皮質や前帯状皮質↓、後帯状皮質↑

 感情や思考を制御する部分の活動が低下し、コントロールできない

 マインドワンダリングや自己言及する思考プロセスが多くなる

 瞑想後 >> 前頭前野皮質や前帯状皮質↑、後帯状皮質↓

 感情や思考を制御する部分を活性化させ、通常通りコントロールできる

 マインドワンダリングや自己言及思考プロセスを司る脳の領域の活動低下

・マインドフルネス瞑想が扁桃体の活動を低下させるため、前帯状皮質と扁桃体のつながりを分断し、ストレスが軽減する

・マインドフルネス瞑想やコンパッションに基づく瞑想が、孤独感を減少させ、社会的繋がりの感覚を上昇させる


ということで、今回はマインドフルネスについての専門家の話を訳しました。ところどころ意訳したので、もし細かいところで間違いがあれば、ご指摘いただけると嬉しいです。

瞑想は継続して初めて真価を発揮するものです。しかし、動画で説明があるように、たった1回20分瞑想するだけでも、あなたの脳には変化が起こっています。

最初は5分でも構いません。自分自身を見つめる時間を作ってみましょう!

最後までお読みくださりありがとうございました!

Anchorにてマインドフルネス瞑想の音声を配信してるので、ぜひそれを聴いて瞑想してみてください!





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