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デザイナーとして大切にしたい「余白と制約」
こんにちは。はまちです。普段は東京のデザイン会社にてUXデザイナーとして働いています。森が好きで、たまに近郊の山にも現れます。
2021年は、IT事業会社からデザイン会社へと転職し、デザイナーとしてのキャリアが本格的に始まった一年目となりました。
今回は、そんな一年を振り返り感じた「デザイナーとして大切にしたいと思ったこと」について少し書きたいと思います。
今年やったこと
今年は、クライアントの方々に対して、主に下記3つのご支援をさせて頂きました。
1) 新規Webサービスの方針策定
クライアントの方々と、事業としての目的や顧客にとっての価値を議論しながら、実現したい施策の方針をRFPの形で整理していきました。
2) 新規サービスを実現するリアル/デジタルのオペレーション設計
クライアントの方々と、事業としての目的や顧客にとっての価値、現在の運用について議論しながら、理想の顧客体験を実現する、リアル/デジタルのオペレーション設計を行なっていきました。
3) DX支援及びそのツールの具体化と実装
現状の業務効率を上げると同時に、顧客に対しても価値提供をすることで、事業をより強固にするための新規ツールの具体化及びその実装のご支援をさせて頂きました。
それぞれ異なるプロジェクトではありますが、どれも「クライアントに伴走し、共創する」という意味では、本質的に同じことを行っていました。
そういった中で、2つの「デザイナーとして大切にすべきこと」に気づくことができました。
1. 「余白」を持つこと
今年、上記のご支援をさせて頂く中でつくづくと感じたことは、
1)「解」はクライアント/ユーザと共につくるもの
2) ヒントは常にクライアント/ユーザの中にある
ということでした。
そして、デザイナーが提供する価値というのは、クライアントやユーザの考えや能力が最大限に引き出される「余白」を用意し、向かうべき方向を言語化し、彼らが可能な限り遠く、深くにある「解」に辿り着けるように伴走することだ、ということを実感しました。
ここで言う「方向」というのは、そのプロジェクトの「目的」。「遠く」というのは、関係者の視点や知見の多様性から生まれる、解決策の「可能性」。「深く」というのは、解決する「課題の質」。つまり、問題の本質的原因まで深く掘り下げることができているか?という意味で書いています。
図にしてみると、以下のようになります。
![01_余白の有り無しの違いの図](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68530708/picture_pc_56e0f921843ed599ca878ec85d16589c.jpeg?width=1200)
もしも、プロジェクトの初期段階で何らかの「解」を提示してしまう、つまりクライアントやユーザが考えを述べたり、その能力を発揮する「余白」が無い状態をつくってしまうと、届けたい相手に届かない、深みにかける寂しいアウトプットしか出てこない状態になりかねません。
そうではなく、「解」を一緒につくっていく、つまりクライアントやユーザが自由に考えや能力を発揮できる「余白」をつくることで、本質的な問題を解決する、どこかワクワクするような人間味のある「解」を一緒につくることができる可能性がグッと広がります。
その「余白」をつくることにデザイナーの存在意義があるということを感じました。
2. 「制約」を設けること
一方で、時間やコストといった制約と、「事業としての目的」や「顧客にとっての価値」を照らし合わせながら、適切な対応優先順位付けを行い、プロジェクトをリードしていくことも、デザイナーが担う大切な役割であることを実感しました。
それは、クライアントやユーザから引き出した情報から、彼らにとって何が重要なのかを見極め、施策をちゃんと実現するための「制約」を設ける役割とも言うことが出来ると思います。
![02_制約の枠の図](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68530869/picture_pc_c1921c9be215d31f1b3cf68b701b1cce.jpeg?width=1200)
クライアントやユーザの考えや能力が最大限に引き出される「余白」を用意し、向かうべき方向を言語化し、彼らが可能な限り遠く、深くにある「解」に辿り着けるように伴走する。
そこに適切な「制約」を設け、しっかりとその「解」を実現させる。
デザイナーには、この「余白をつくる」「制約を設ける」という、2つの大切な役割があると感じています。
大切にしたい3つのスキル
そして、その2つの役割を担うために大切にしたいのが、下記3つのスキルだと思っています。
1) 問いを立てる力
目的という軸を見失わず、その実現を阻む要因を様々な角度から照らすことができる力です。3)の構造化力とも関係しますが、色々な思考の切り口を持つということも、この力を養うには重要だと思っています。
2) 言語化する力
現在起こっていることや、相手から引き出したことが、本質的には何を意味しているかを見抜き、言葉にする力だと思っています。
3) 構造化する力
物事の関係性をある意味可視化し、その理解の解像度を上げる力だと思っています。思考の軸や (具体/抽象, 情緒的/機能的, 重要度, 緊急度...)、思考の切り口 (OKR, BMC...)の引き出しを増やしていくことが大切だと考えます。
問いを立て、言語化し、構造化する。この3つのステップを繰り返しながら、関係者と共によりよい価値創造をしていきたいです。
![03_問い言語化構造化循環の図](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68530827/picture_pc_8165425d0df6f3c1019f05cc6ac378b2.jpeg?width=1200)
目指したいデザイナー像
以上を踏まえ、私が思った「目指したいデザイナー象」が下の図のような感じです。
![04_デザイナーとしてありたい姿](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68866721/picture_pc_9bdbc178cf558c1b56b30f9c20e7d652.jpeg?width=1200)
まず第一に、経営/ユーザ、その両者の目線に立って物事を見れるということ。そして、そういった関係者が力を発揮できる「余白」をつくると同時に、アイデアを実現するための「制約」を適切に設けることで、一人では成し遂げることのできない成果をみんなで生み出すということ。
うーむ... 道のりは長いが、こういった理想像を頭に、自分に足りないスキルを着実に磨いていきたい..!
2021年はとても充実した一年でした。そんな一年を過ごせたことに心から感謝しています。
2022年はもっと、実務や個人的な活動を通した経験の共有をしていきたい。
引き続き来年もよろしくお願いします!