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オリジナル小説

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生きた痕跡は遺さない。

空に輝く星以外、何も無い崖の上。 ヒュッと冷たい風が僕の低くなった体温を更に低下させ、身を縮ませた。 「 今日も此処に居たんだ? 」 聞き覚えの声が無音の世界に響いた。 ゆっくりと上を向けば、 やんわりと微笑む少年が居る。 ぽかんと口を開けていると、笑ったまま何も言わずに僕の隣に座り込んだ。 抱き着く訳でも無く、猫の様に擦り寄る訳でも無く。 ただ横に座り、けれど少し僕の冷えた身体に寄り添ってくれた。 じんわりと左肩が暖かくなり、次第に全身に熱が回った気がした。 「 …

    • 「 ボク等の生涯は燃え尽きた。 」 キャラプロフィール

      / / 一応名前とかあるんですよ 〜 … _______________________ 一人称 : ボク ( 名前 : 七瀬 灯 読み : ななせ あかり ) 性別 : 書籍上 男 性自認 女 容姿 : 焦げ茶色の腰より少し上くらいのロング。 校長や理事長の許可の元、女生徒制服着用。 スラッとした165cm程の身長。 全体的に

      • ボク等の生涯は燃え尽きた。

        「 ボクはね、ボクがゆるせないんだよ。 」 しゅるしゅると真っ白な包帯を二の腕に巻きながら話しかける。 ボクの唐突な発言にも慌てず、冷静に対応してくれる彼はボクの親友だ。 「 それはどういう意味のゆるす? 」 ブルーライトを放つパネルを片手に小首を傾げる彼にふっ、と微笑みかけてからにこやかに答える。 「 ボクが過去に犯した罪がゆるせない方。 」 巻けば巻くほど赤く滲む包帯。 自ら切り血液を出した腕を指さし、それを示す。 「 ああ、そっちね。 」 かたん、とスマ

        • 『 一生一緒。_その後 』 花言葉

          『 白いアザレア 』…貴方に愛されて幸せ。 満ち足りた心・充足。 『 紫色のアスター 』…深い愛情。 幸せな恋愛。 『 赤いマーガレット 』…情熱的な愛。 愛情・恋の予感。

        生きた痕跡は遺さない。

        • 「 ボク等の生涯は燃え尽きた。 」 キャラプロフィール

        • ボク等の生涯は燃え尽きた。

        • 『 一生一緒。_その後 』 花言葉

          一生一緒。_その後

          2人で海に堕ち世から絶ち去ったあの後。 私達は沢山の綺麗な華や可愛い動物に囲まれ幸せを謳歌していた。 あの日までの息苦しさが嘘みたいに息しやすくて、逆に怖くなってしまう。 こんなに幸せな日々を送っていいのか、と。 「 みてみて!花冠〜! 」 余計な事が頭を過ぎり、不安に晒されていた私の目の前で “ 白いアザレア ” の花冠を見事に作り上げ、無邪気に笑う彼女の笑顔をみてその不安は掻き消された。そして今日も癒される。 ふわっと私の頭に冠を乗せて、満足そうに頷く。 私も何かをプ

          一生一緒。_その後

          「 一生一緒 」 のあらすじ的な。

          元々1人でこの世を去ることを心に決めていた少女。 最愛なる友人にだけ明かした “ 自殺 ” 。 海が大好きな少女は命を絶つ当日の夜。 “ 最期に会いたい ” と友人である私に連絡をする。 海岸沿いのコンクリートの上に座り込み2人で他愛ない話を何時間もし続け話題が尽きた頃、逝くことを決意する。 「 あたしの夢、聞いてくれる? 」 笑って私に問いかけた。 “ みちずれ ” という表現方法を使って “ 一緒に逝きたかった ” と打ち明けた。 私は少女とこの世を去るのならば、怖く

          「 一生一緒 」 のあらすじ的な。

          一生一緒。

          「 ねえ、本当に行っちゃうの? 」 もう一度確かめるように彼女の服の裾を掴み、問い掛ける。 「 当然でしょ?いつから言ってると思ってるのw 」 海岸沿いのザラザラとした石の橋の上に座り、暗くなった世界を小さなランタンだけが光を放つ。 風が吹く度香る塩らしい匂い。 その風に靡く彼女の長い髪。 “ 綺麗だ ” と咄嗟に思ってしまう。 私の蝶の髪飾りも共感したかのようにカチャリと音を立てた。 私は彼女のことが大好きだ。 綺麗で、可愛くて、大人びていて、少しお茶目な所もあって。

          一生一緒。

          推しは尊い。_自殺

          「 推し様尊いっ!!もうほんと幸せ過ぎる〜!! 」 今日も今日とて推しの動画とやらを見てきゃーっと歓声を上げる妹の声を無視しゲームをする。 「 ほらっ!尊くないっ!?やばくないっ!? 」 「 あーもううるさい… 」 ゲームに集中したかった俺はヘッドホンをつけゲーム音量を上げた。 あきらめたようにしょげる妹は可愛くて相手をしたくなったが生憎俺には “ 推し ” という存在は居ない。 だから語ることもできない。 数分後突然肩を叩かれた。 「 お兄ちゃん見て!!律様と優様

          推しは尊い。_自殺