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ビールと酒税とSDGs 

こんにちは。
ビールも作品の被写体になるんじゃないかと考えている、写真家の丸山です。

ビール、発泡酒、新ジャンル、ノンアルコールビールそのものの価格は、税抜きであまり変わらないことをご存知でしょうか?
実は、ノンアルコールビールが一番高かったりすることもあるんです。

2014年に購入した代表的な商品の価格の中身を調べてみました

そして、2026年にはすべての税率が同じになります。

引用: https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d08.htm

私の作品に、2014年制作の”Japanese Beer"があります。

撮影の翌年である2015年、国連サミットで「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、持続可能な開発目標(SDGs)が掲げられました。

ビール会社のホームページにも、各社がSDGsに取り組んでいることが書かれています。

撮影時に「なんでこんなにたくさんの種類のビールがあるんだろう」と思ったのを覚えています。
今後、税制が改正されれば、種類や原料に関係なく、良いビール、支持されるビールだけが残るのでしょうか。

制作から10年経ち、世の中も変わり、酒税も変更されるなかで、この作品は東京のギャラリーで発表される事になりました。
この作品の意味を改めて考えているところです。


"Japanese Beer"

2014年、本作で、ビールのような多品目の製品の市場投入という、日本の消費社会の特異性を表現しようと考えた。

成熟した広告表現。
優れた商品開発力。
微妙な違いを味わうことができる日本の食文化。

2015年以降、SDGsの取り組みによって世界は変わり、現在、私は少し違う捉え方もしている。

泡と液体が同じ比率で注がれた写真を、タイポロジー的に表現する方法を採用した。

自らのブランドを主張する缶のパッケージとは異なり、商品そのものはそれほど視覚的に違いはない。
消費社会の中で、企業が競って商品の差別化を図らなければならない状況を、少しでも可視化できたのではないかと思う。

地球規模の環境問題を考えたとき、私達は、経済的価値を過剰に追求するよりも、社会的価値の重要性を考える時期に来ているのではないでしょうか。

Shinichi Maruyama "Photographs 2006-2021"
May 11 - July 30, 2023
Gallery Blitz

Japanese Beer

2014年、すべてのビールを買って撮って飲んでみた / 東京とニューヨークの商品写真 / アートと広告 / ビールと酒税とSDGs / パッケージデザイン / バカラ / AR / ビールの撮影方法 / 商標権とアート作品 / 液体のストップモーション・アニメーション / 利きビール


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