「掃除を続けるための極意」は「タスクシュートを続けるための極意」でもあるのではないか?
カー用品店イエローハットの創業者 鍵山秀三郎氏は「掃除道」の中で「掃除を続けるための極意」は「掃除の基本にある」として語っています。
私がこの本を初めて読んだのは結構前になるのですが、最近あらためて読み直していて新しい発見があったのでそのことについて書き残しておきたいと思いました。
早速ですが、私の新しい発見とは一体何だったのか?
それはタイトルの通りで「掃除を続けるための極意」は「タスクシュートを続けるための極意」でもあるのではないか?というものです。
鍵山氏は「掃除を続けるための極意」として以下の3つにまとめられる「掃除の基本」を紹介されています。
(1)掃除道具をキチンと揃える
(2)掃除道具の置き場所を決める
(3)工夫しながら掃除をする
以降でまずはそれぞれどんな内容なのか、詳しく見ていきたいと思います。
(1)掃除道具をキチンと揃える
鍵山氏は、掃除の大切さを認識されている人であっても「案外掃除の道具には無頓着な人が多い」と述べています。
汚れた道具がそのまま放置してあったり、使用不能な道具が手放されないままいつまでも置かれていたり、必要な道具が必要数揃っていないなど、このような状態でいくら掃除を進めても掃除は定着しない、というのが氏の考えです。
この本によればイエローハットでは、以下のように外回り用の掃除道具の保管場所は、道具一つ一つに吊り下げる用に同じ種類のロープが付いており、吊り下げた時に見た目的にも美しくなるように長さが調整されているそうです。
さらに道具それぞれに「名前を付ける」ことを推奨しています。
それは名前を付けることで「紛失」を未然に防ぐ効果があるからだそうです。
しかし、名前を付ける効果はこれだけではないとも言います。
名前をつけるということは「道具に命を吹き込む」という意味もあり、命が吹き込まれた道具には血が通う。
そうすると、物は生きているという実感が沸き上がり、物を大切にするようになり、道具に愛着が湧いてくる。
この結果として、道具を乱雑に扱わなくなるということです。
(2)掃除道具の置き場所を決める
道具が揃った次はそれらの「置き場所」を決めるそうです。
ちなみに鍵山氏は「少し広めの明るい場所」を道具の置き場にするのを推奨してます。
その理由は、出来るだけ誰からでも見えるような場所に置いておくことで、汚くなりがちな掃除道具の置き場所が、綺麗な状態で維持されるようになるから。
確かに、一般的には、掃除道具の置き場所は社屋の裏側や階段の下など、見えにくいところや薄暗いところに隠すように設置してある場合が多いですが、それでは「ダメ」ということ。
そして、置き場所の「整理整頓」も重要な要素として説いています。
鍵山氏曰く、整理整頓とはつまり、必要なものをひと目で「誰でもわかる」「誰でもすぐに使える」「誰でもすぐに戻せる」仕組みにすること。
いくら言葉で注意しても、細かなルールを作っても、掃除道具置き場は乱れやすい。
だからこそ、注意やルールで守れないことは「乱れない仕組みを作る以外にない」と言います。
この本によれば、イエローハット社の場合は、車用のカッティングシートなどを用いた「色別整理」と「看板表示」で乱れない仕組みが作られており、
掃除道具の種類と整理整頓されたこだわりの掃除道具の置き場所は、見た人を感動させる場所にもなっているのだとか。
(3)工夫しながら掃除をする
そして「掃除の基本」の最後に「工夫しながら掃除をすること」が挙がっていました。
鍵山氏は、掃除が続かない大きな原因に「工夫がされていないこと」を見出したと述べています。
その上で、掃除を「絶えず工夫、改善して進歩させる」ことを推奨しているのです。
少しでも進歩すれば、楽しくなる。
楽しくなれば、続けたくなる。
一方で「進歩が目に見えないものは続けられない」というのは当然のことだと鍵山氏は言います。
例えば、イエローハット社では「風のない日」と「風の強い日」で、掃除の仕方に工夫が見られます。
「風のない日」はゴミを掃き集めておいて、あとからちり取りで取ればよいため、ちり取りは「四人に一つ」くらいの割合で十分。
風の吹いていない穏やかな日は、なるべく広範囲を掃き「ちり取りを使う回数を減らすようにしているそうです。
一方、「風の強い日」は、掃きながらゴミを集めなければ飛び散ってしまうため、一人にちり取り一つが基本。
また「範囲を限定して掃除を徹底する」という心がけも工夫の一つ。
例えば、タイル1枚をまず綺麗にする、あるいは廊下を1メートルづつ区切って徹底して磨くというというように掃除をしていく。
そうすることで、キレイなところと汚いところの差がはっきりとしてくるため、汚いところを放っておけなくなる。
そして「道具の工夫」も忘れてはいけません。
鍵山氏が、不便を感じた時点で「億劫がらず使いやすい道具に替える工夫も大事」と言うのは、それが掃除を継続するエネルギーに変わるから。
以上、3つの掃除の基本が鍵山氏が提唱する「掃除を続けるための極意」です。
「掃除を続けるための極意」は「タスクシュートを続けるための極意」でもあるのではないか?
そして、この「掃除を続けるための極意」に最近あらためて触れた時に「これ、タスクシュートを続けるための極意でもあるんじゃない?」という考えが生まれてきました。
昔、本書に目を通した時にはこういう考えを抱くことは全くなかったのですが、タスクシュート認定トレーナーになった影響なのか今回は不思議と浮かんできたのです。
以降でそれぞれタスクシュートに照らして見ていきたいと思います。
まずは、
(1)掃除道具をキチンと揃える
これを私がタスクシュートでやっていることに置き換えると
朝、今日1日に行うタスクをタスクシュート上にキチンと揃える
になるのかと思いました。
現実的な実行タスクを朝キチンと揃えることで、先送りすることはなくなり、最終的な実行タスクは予定よりも増えることはあるにせよ減ることはありません。
さらに、掃除道具をキチンと揃えるという話の中で、「道具それぞれに名前を付ける」とありましたが、ここは「タスクそれぞれにちゃんとタスク名を付けて、時間と紐付ける」になるのだと思います。
そして次に、
(2)掃除道具の置き場所を決める
という点について。
これも私はタスクシュートに置き換えても言えることだと思いました。
置き換えると以下のような具合になります。
今日1日に行うタスクの置き場所を決める
タスクシュートでは「タスクとそれを実行する時間の組み合わせ」に注目します。
例えば「メールを返信する 所要時間の見積もりは5分」というタスクがあった場合、それを朝起きて直ぐに実行するのか、それともお昼を食べた後に実行するのか、それとも夕食前に実行するのかを検討し、自分が一番しっくりくる時間帯にタスクを置きます。
他のタスクについても同じようにタスクの置き場所(つまり時間帯との組み合わせ)を決め、今日行うタスクの直列リスト(プラン)を朝一番に作成します。
これはまさにタスクの置き場所を決めている行為だと思いました。
(実際のプランでは大部分をルーチンに頼っていますが、ここではルーチンについて細かくは触れません。)
最後は、
(3)工夫しながら掃除をする
についてです。
鍵山氏は、掃除を「絶えず工夫、改善して進歩させる」ことを推奨しているということでしたが、私がタスクシュートについて取り組んでいることもまさしくこれ。
タスクシュートでは実行したタスクはログとしてすべて残るため、そのログを元にいつでも振り返りをすることができます。
私の場合は毎朝必ず「昨日のログを振り返る」というタスクを組み込んでおり、振り返るとほとんど必ずと言っていいほど何かしらの気づきが見つかります。
「このタスクはこういう名前の方がしっくり来るんじゃないか?」
「プロジェクト名はこっちの方がいいんじゃないか?」
「このタスクは夕飯を食べる前に実行する方が全体としていいのではないか?」
「このタスクの時はこちらのモードの方が適切なのではないか?」
そしてこのような気づきを起点にして、改善を加えてやってみる。
改善を加えてやってみたものに対してはしっかりレビューを行いしっくりくるかどうか確認をする。
日々、これを絶えず行っている感じです。
したがって、1年前のタスクシュートと現時点のタスクシュートでは大きくその様子が異なります。
でも一つ間違いなく言えることは、様子は違えど、今の方が明らかに時間的豊かさを感じることができているということ。
絶えず工夫、改善して進歩させてきたからだと思うわけです。
まとめ
鍵山氏の「掃除を続けるための極意」に照らして、今の私がタスクシュートでやっていることを整理すると以下のようになりました。
・朝、今日1日に行うタスクをタスクシュート上にキチンと揃える
・今日1日に行うタスクの置き場所を決める
・タスクシュートを絶えず工夫、改善して進歩させる
以前「信念×記録×他者承認=習慣化」という考え方についてnoteに書いたことがありましたが、これとはまた違った視点でタスクシュートの続け方について深く考えることができたように思います。
引き続き時間的豊かさのために探求です。
「掃除道」は年末の大掃除にも何かいいヒントを与えてくれるかもしれません。
未読の方はもしよろしければ。
以下の記事もよければご覧くださいませ。
「目の前のタスクに集中することができないよー」
「時間がないよー」
と感じていらっしゃる方がいましたら、一度でもいいのでタスクシュートを試してみてください。
もしかしたら今までとは大きく違う人生が待っているかもしれません。
私が愛用しているTaskChute Cloudは無料でお試しできます。
タスクシュートについて何か聞いてみたいことがあればX(旧Twitter)のDMなどでお気軽にご連絡ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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