それでもメリークリスマス

普段からクリスマスの時期になにか特別なことをしているわけでもないので、今年のこのコロナ禍のクリスマスもほとんど通常運転で過ごしている。
そもそもが面倒くさがりなので、用がなければ散歩以外に外に出ることはとても少ない生活スタイルなのだ。

それでもこの時期、いつもなら池袋の西武デパートに行ってプレゼントや年末の買い出しをして、どこかのレストランでちょっと美味しいものを食べて... というような楽しみはあったので、それが今年は出来なくて(やろうと思えば出来たのかもしれないが...)残念だなぁと思う。

過度なイルミネーションはそんなに心踊らないけれど、立教大学のあの巨大なツリーのライティングは見事で、ああ今年もあと少しだなぁという気分にさせてくれる。そう、「あと少しだなぁ」と感じることは次の新しい年を迎えるための準備として必要なことなんだと、ここ数日ひしひしと感じている。

そんなことを言いつつも年賀状にはまったく手をつけていない。

クリスマスのセールが終わると、今度は初売りである。
池袋といえば昔から楽器屋さんがたくさんあって、中高生の時はお年玉を全部持って初売りセールの行列に並んだもの。店内に入ると赤ペンで大幅にディスカウントされた値札たちが眩しいくらいに次から次へと目に飛び込んできて、気がついたら全く予定になかったギターやエフェクターを買い込んで電車に揺られていた。
あの湯気が立つような高揚感は20年以上経ってもありありと思い出すことができる。


昨日夜に少しだけ散歩をしたら、四角い箱の入った紙袋やビニール袋を片手に家路につく人を何人も見かけた。今年は少し特殊なメーリークリスマス。しかしながらケーキを買って帰るのも、家で食べるのもやっぱり嬉しいものだ。

今年は38歳の自分のところにもなぜかサンタクロースが迷い込んだみたいで、この机の後ろにはピカピカのギターのハードケースが横たわっている。
ああ、この高揚感よ。

良いクリスマスを。

目指せ書籍化📓✨ いつかライブ会場のグッズ売り場にエッセイ集を平積みにしたいと思います。