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アンプティサッカー元日本代表キャプテン・川合裕人氏にインタビューしてきました。

こんにちは、守屋です。

ご縁があり、アンプティサッカー元日本代表キャプテンの川合裕人氏にインタビューする機会を頂きました。

アンプティサッカー・ワールドカップメキシコ大会2018が10月から開催されるこのタイミングでお話できたこと嬉しく思います。

アンプティサッカーの魅力や課題、川合さんしか知らないこと裏話など伺いました。

◆アンプティサッカーとは

事故や病気によって手足を切断した選手が松葉杖をついてプレーするアンプティサッカー。

30年以上前にアメリカの負傷兵が、リハビリの一環として松葉杖をついてプレーするサッカーを始めたのが、アンプティサッカーの起源と言われている。

フィールドプレイヤー6名とゴールキーパーが、25分ハーフ、7対7で40m×60mのコートで戦う。

フィールドプレイヤーは主に片足の切断者で、日常生活で使われる通常の松葉杖「クラッチ」をついてプレーする。

GKは主に片腕を切断しており、片腕だけでプレーする。障がいの度合いは選手ごとに異なるが、できるだけ同条件でプレーし、勝敗を競い合う。

2018年現在、全国各地に9チームのアンプティサッカーチームが活動している。

主な国内大会として日本アンプティサッカー選手権大会、レオピン杯が開催されている。

◆川崎フロンターレ、小林選手、中村選手もアンプティサッカーに挑戦!?

―――アンプティサッカーとの出会いを教えて下さい。

川合裕人氏(以下 川合) 

21歳の時、交通事故で左足を太ももの中ほどで切断しました。当時、トラック運転手をしながら社会人チームでプレーしていましたが、職を失いもう二度とサッカーはできないと思いました。

それでもサッカーに関わりたいという思いから、息子のサッカーチームや地元の女子フットサルチームでコーチなど務めていました。

プレーがしたい。その思いがコーチをしているときも消えることはありませんでした。

そんなとき、2010年、日本が初出場したアンプティサッカーワールドカップの特集番組をテレビで見ました。

「これなら俺も、もう一度サッカーができるんじゃないか。」

そう思い、アンプティサッカーという名前だけ必死に覚えたのを記憶しています。

三重県に住んでいましたが、アンプティサッカーの練習があるのはさいたま市。クルマで片道6時間をかけて月3回参加しました。

―――片道6時間、練習に参加して三重に戻るというのは簡単ではないと思いますが。

川合  苦労も多かったですが、もう一度サッカーをプレーできるという喜び、楽しさが勝っていました。

―――2012年に関西でチームを立ち上げました。経緯を教えてもらえますか。

川合 さいたま市で練習参加していた選手の一人が、九州でチームを作りたいという話を聞きました。

自分も関西を中心に広めていくことが出来ないかと思い、関西セッチエストレーラスを2012年1月に立ち上げました。

―――チーム作りで苦労した部分はありますか?

川合 まず、どこから手をつければ良いのかという問題がありました。アンプティサッカーの認知度は当時は無いに等しい状態でした。

福祉施設・障がい者スポーツセンターなどを回りましたが、相手にされず門前払いされることも何度もありました。

諦めかけたとき、ある施設を訪れた際に話を聞いてもらうことができ、理学療法士の増田(現・関西セッチエストレーラス代表)と知り合い、監督として加わり、選手として冨岡忠幸、田中啓史も含めて立ち上げることになりました。

◆日本代表キャプテンとしてワールドカップを戦い感じたこと

―――2012年、2014年と日本代表のキャプテンとしてワールドカップを戦いました。世界との差で感じたことはありますか?

川合 2012年ロシア大会では予選リーグ5試合を通して勝ち点1しか取れませんでした。

日本はアンプティサッカーという競技を始めたばかりでしたが、中東をはじめ南米ではすでに競技の完成度が高かったです。

―――完成度が高いというのは?

川合 一般的なサッカーと同じレベルでプレーしている状態です。パス回し、ダイレクトプレー、シュートや戦術も含めてサッカー知っている戦い方をしているという言い方が分かりやすいかも知れません。

強豪国はすでにアンプティサッカーを(高いレベルで)楽しんでいるという印象が強かったです。

日本代表はそのレベルに達していないこともあり、選手を含めチームとして一人一人に余裕がありませんでした。

―――積極的に講演会・体験会なども行っていると伺っています。反応はいかがですか?

川合 何度も講演会を行っていますがまだ認知度は低いと感じています。たとえばブラインドサッカーを知っている人はいますかと聞けば、多くの人が手を挙げます。

ですがアンプティサッカーを知っているかと聞けば、ほとんどの人が手を挙げません。

話を聞くだけでなくクラッチ(松葉杖)を使って実際に体験してもらい、経験することで周りに面白さ、大変な部分などが伝わるものです。

より多くの人に知ってもらうために試行錯誤を繰り返しています。

―――アンプティサッカーの魅力はどこにあるでしょうか。

川合 サッカーと変わりません。人数とコートの大きさが違うものの、障がいを負っても必死にボールを追いかける姿は観ている人を感動させます。

今年、国内大会を観に行きました。決勝も素晴らしい試合でしたが、順位決定戦で両チームが必死にボールを追いかけている姿はプレーしていた自分でも感動しました。

小学生から50歳前後の大人までアンプティサッカーでは同じピッチで戦うことができます。

一つのボールを真剣に追いかけながら楽しんでいる姿を、同じ境遇の人に見てもらい、競技を体験してみたいと思う人が増えることを願うばかりです。

―――同じ境遇の人に競技を知ってもらい、体験、チームに参加するという流れに課題として感じる部分はありますか?

川合 興味を持った人が体験する機会は増えています。ただ実際に参加してみると楽しさよりも難しさが先行してしまい体験で終わってしまうケースが多いと感じます。

各チームで体験者が参加するときの練習内容や受け入れ方などには、課題と改善の余地があると感じています。

「アンプティサッカーって楽しい!」と思ってもらえないことには体験しても長続きすることはありません。楽しさをどう伝えるかが今後も課題になると思います。

◆番外編◆

―――日本代表のエンヒッキ・松茂良・ジアス(通称 ヒッキ)選手に思うことはありますか?

川合 ブラジル代表として活躍していたこともあり、日本に来たときにアンプティサッカーがないことにショックがあったと言っていました。

それでも諦めずに365日アンプティサッカーを広めるために積極的に活動したり、ピッチで真剣にサッカーをしている姿はサッカーに対する熱量を感じますね。

ラモス瑠偉のような存在と言えば分かりやすいかも知れません。今後、期待される選手の一人なのは間違いないです。

大阪でうどん屋を経営する川合氏

川合裕人さん、多忙な中でインタビューを快く引き受けて頂きありがとうございました。


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