ライティングをしてると会話に支障が出る件について考えてみた
ここ数年、何かと言葉の並びみたいなものや思考の言語化を繰り返してきたことによって、ライティングの能力は少なくとも成長をしているはずなのですが、それによって言葉を発するコミュニケーション(会話)に支障が出てきたことについて書いていきたいと思います!
表題だけで「あ、わかる」ってなる方は是非読んでみてください。
ライティングと会話の違い
”メッセージの発信”という点では、ライティングも会話も共通点がありますよね。
届くという点では同じ2つですが、届け方に大きな違いがあるんですよね。
分解しながら少しみていきましょうか。
1、1 回で聞いてわかるように、リスナーのレベルに応じて、普段使わないような聞きなれない文語的な表現や堅い言葉をあまり使わない。
どんな人と話すかはシチュエーションによって様々ですよね。
小学生相手に「クラスでイニシアティブをとるために今の思考をブレイクスルーさせる必要がある」なんて言葉は使っても「なにそれ、いいからスプラトゥーンやろうぜ」でしょうし
大人相手に「悪いことしてたら警察の人に怒られちゃうよ」なんて言ったら逆上されそうですもんね。
会話には話して通じるラインみたいなものが存在しており、それを超えるor下回ると「?」となるような現象が起きるわけです。
逆に、ライティングは読み返したり、読者がわからないワードを自身で検索したり、視覚的な情報があるので、含蓄やインパクトのある文語的な表現や堅い言葉を用いることができるわけですね。
2、一過性の音声情報なので、意図的に繰り返すことによってメッセージを伝える必要がある
会話には参考になる資料がなければ、補足する文章を用意しているわけでも、外部リンクを貼るようなスペースもありません。
届けたいメッセージが届いたと認識できるまで何度か繰り返すことが必要だったりします。
例えば
「ダメダメダメダメ!それ以上食べたら太っちゃうよ!絶対おかわりはダメだからね!」みたいなイメージですね。
今目の前で起きようとしていることに対して、取り急ぎ"ダメ!"というキーワードを連発して行動を促してますよね。
「は?なんでよ!?」という返しがあれば、その後理由を並べていけばいいので、理由を聞かれずにおかわりをやめてくれればそれで"行動を促す"という目的は達成されるわけです。
これがライティングであれば
”おかわりをたくさんすると摂取カロリーが増え、成人男性の基礎代謝平均2200±200kcalを超えて太る可能性があるので控えるべきです”
ライティングは"おかわりはダメです"だけでは「は?なんでよ!?」に対して理由を伝えることができないのです。
そのため、想定されるであろう疑問をあらかじめ先回りして解消する(今回に関していえば"成人男性の基礎代謝平均2200±200kcalを超えて太る可能性がある"の部分)必要があるわけですね。
読む中で、質問をすることができない一方通行なメッセージの伝達になるため、必要な情報が集約されていることで”なぜそうしなければいけないのか”を納得させなければいけないわけですね。
3、強勢や抑揚を用いて、明確で説得力のあるものにする
「DA! KA! RA!(声量MAX)」
「〇〇なんじゃ…ない…かな…(フェードアウト)」
「なぁんとこちらの商品!今ならお買い得価格…¥19,800!!!!!!!!(ドン!)」
会話ならではの特徴ですよね。
また、これらに加えてボディランゲージなどのノンバーバル(非言語)の表現を最中に付け加えることができるのも大きな特徴と言えるのではないでしょうか。
その点ライティングも多少の表現の誇張はできます。
「ここ重要です(デカ文字)」みたいに、見せたいところの文字サイズを変更したり、アンダーバーを敷いたりなどの文字自体を装飾することによって表現を誇張できるのは会話と同じような表現方法に近いのかもしれません。
とはいえ、会話に比べるとインパクトが弱くなりがちになってしまうため、それを補うために強い表現の言語を用いたり、言葉の並び(コピーライティン的な)で印象を与えることが多いのが特徴的ですね。
あとは"先に伝えたいことを冒頭に持ってくる"みたいな本来、会話のシーンでは成立しにくい言葉の組み立てが結果、印象を与えるテクニック的なのも特徴的ですよね。
4、会話は準備なしで起こり、途中でも質問がしやすいので、説明の不足、論理の矛盾、あいまいさが容認されていることが前提
要するに”着地点がどうなるかわからないけど、やっていくうちになんとかなる”的なところから会話はスタートします。
会話が進行していくことで双方によって穴空き部分が質問などによって徐々に補完されていき、最終的に完結するため”穴が空いてることが前提”になっているのが会話の特徴ですよね。
一方でライティングは途中で質問をはさむことができないので、論理の展開を明快にし、 誤解を招くような表現・構文ミスは避けなければなりません。
明確なエビデンスがないままの構成はライティング上では絶対にやってはいけないタブーです。(厚生労働省が小学生対象に1000万配りますみたいなやつ)
会話とライティングについてはこの辺りが大きな違いになるのではないでしょうか。
初めて分解してみましたけど、結構難易度高くないですか?会話。
相手に届くまでのタイムラグ
ワーワーと理論的に分解して書いてみましたが、会話とライティング大きな違いは相手に届くまでのタイムラグでしょうね。
書いては消してを繰り返して「果たしてこの表現で相手に届くだろうか」を検討してから最終的なメッセージとして届けるまでのライティングに対して
会話はその場で相手の様々な情報を読み取って対応したり、気の利いた言葉をかけたりアドリブ力みたいなものが必要になるわけです。
で、表題に戻るんですが、ライティングを
していると、相手に届けるまでのタイムラグありきで言葉を構成するようになります。
一方で会話は一発勝負のミスが許されないプレッシャーみたいなところがあるんですよね。
(忘れるって可能性もあるだろうけど)
加えて会話って、キャッチボールすることが前提で、ある程度の速度感がないと「なんかこいつとは会話しにくいな…」と感じさせてしまうわけです。
このあたり多分頭のいい人は処理速度が半端じゃないので、返球もスムーズに、かつ投げたい場所(伝えたい言葉)に返せるんだろうなと思います。
ライティングを始めたことでメッセージには"投げたい場所がある"ということに気づいた方も少なくはないはず。
このあたりの感覚、共感してくれる人いるかなー?
って、記事でした。
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