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美容師が半年間美容学校の先生やってみた

どうもくらたです。

簡単なポートフォリオ置いときますね。


2022年度、僕は美容専門学校の先生として授業を持たせていただくという、大変光栄な機会をいただきました。

無事(?)任期を満了できたので、僕的に色々感じたことや、やったことを書き連ねていこうかなと思います!

結論からいうと「コスパは悪いけど、教育環境をより良くしていくには美容師の力が絶対的に必要」ということです。

これから「美容師しながら先生になったるわい」という人はぜひ覗いてみてください。

※結構な長文なので、眠たくなっちゃう可能性のある方は、本編【いざ、授業へ!】から読めるようにしてあるので、準備期間は飛ばして読んでもらって大丈夫です。


準備期間



【きっかけ】

「専門学校で先生やってみませんか?」

そんな提案をディーラーさんからもらったのは2022年の1月のこと。

取材やら講義やらで、なにかと学校にお邪魔する機会は少ない方ではなかったんですが、まさかこんなかたちで生徒たちと関わる機会ができるだなんて考えもしていなかったです。

正確には『専門学校の教職員という職業があることはわかっていたけど、二足のわらじ的な感じで携われるとは思っていなかった』が正しいでしょうか。

僕は学生時代、なりたい職業は『教師 or 美容師』という、どう考えても接点のない職業を夢見ており、まさかそこが交わることができるのか…続けてみるもんだなぁ、と。

僕は二つ返事で承諾をさせてもらいました。


これ、ちなみにそんなに簡単なことじゃないんですよ。

いくつか学校にお伺いした際に「授業なんてやらせてもらえるんですかね、エヘヘ…」なんて聞いてみたりもしているのですけど、だいたい「は?」って顔されます。

もちろん、輝かしい実績があるわけではないので、学校からしたら「どこぞの馬の骨に生徒たちを任せてわけわからんこと吹き込まれたらかなわん」ってのが本音でしょうし、やっぱり学校は政治の世界。

どこのサロンも最近は「なんとか学校と関係性を作りたい」とお考えのところも多いでしょうから、学校授業に入らせていただくことを目論んでいるところも多いはず(自社もそのうちの一つではありますが)

学校としては、様々なお付き合いの中から限りある授業の枠をお任せするサロンを選択をしていくことになると思われるので、そりゃいい関係が構築できているサロンにお願いをしたいというのが当然の流れです。


今回の場合はディーラーさんというサポーターが繋いでくださった結果、このようなお話を提供していただいたという要因が大きいかと思いますので、このあたりは結構大事です
(政治のことはよくわからないので割愛)



【打ち合わせ】

ディーラーさんと学校を交えての顔合わせ当日。

まだ、契約が成立したわけでもないのに「ここで教壇に立つ夢が叶うのか…」なんてことを妄想しながら応接室に案内してもらいました。

そう、くらた、完全に先生になった気でいます。

名刺交換などの簡単な挨拶を済ませ、軽く談笑をする。
ハキハキしてよく目を見てくる先生。
職業柄というのもあるでしょうが、先生って職業の人ってあんまりボソボソしゃべる人ってほとんど見たことがないですよね。


アイスブレイクを終え、本題に入ります。
どうやら依頼をいただいた授業の内容は『サロンワーク』とのこと。

うちのサロンはアシスタントの採用をしているので、新人スタッフにサロンワークに関する基本的なことから、スタイリストになるまでの技術、マインドセットなどを教えることはもちろんやっています。
けれど ”サロンワークを授業で教える” というのは今ひとつピンときません。だってサロンではなく、教室で行うんだから。

頭の中は「???」状態でしたが、シラバスを覗くとこんな内容でした。




率直な感想は「あれ、これ僕できるのかな…?」でした。
実際に教える内容を目の当たりにしていきなり弱気になります。

もちろんサロンワークに関することは大抵できると自負していますし、実際にその技術でお客様からお金をいただいているので、いわゆるプロとして現場に立っているわけですけど、美容技術に関する全てを教えられるレベルで網羅しているか?といわれれば答えは完全に「NO」です

正直な話、僕は撮影やメイクが苦手で、多分生徒よりもレベルが低いでしょう。
なんとか授業が始まるまでに勉強をすればもしくは…とも考えましたが、そんな付け焼き刃程度のスキルで生徒に「これがサロンワークだ」を教えるのは、むしろ悪影響を及ぼしかねないです。

いかん、完全に浅はかだった…とさっきまでのワクワクが嘘のようにあからさまに意気消沈をしつつ、シラバスに目を落としながら、僕だったらできるものがいくつあるかを探していると…


「自由にやっちゃっていいですからね」


と、先生から一言。

え、自由にやっちゃっていいの???そういうことであればなんとかいけるのでは…!
内容はともかく、先生をやりたい!という思いが先行していたので、全く触れたことのない技術(着付けとか)以外であればなんでもやるつもりでしたが、この言葉には正直めちゃくちゃ救われました。

ということで再度了承をしたところで打ち合わせは終了。


【半年の準備期間】



先生からの進言をいただいて意気揚々と「さあ、自由に作るぞ!」という気分になっているとはいえど、授業経験など全くない&専門学校を通信で卒業している僕にはそもそも美容学校で行う授業の空気感は全くわからないため、どんなふうにアレンジをするのが面白いのか皆目検討もつきません。

どれだけ時間を使って考えても何の整理もつきません。

まるで、引っ越し先でリビングのど真ん中に居座っているものの、全く整理の仕方がわからず、『学校授業』と書いてある段ボールの山を見て見ぬふりをし続ける、みたいな状態が脳内の中で2か月ほど続いたとある日。

試しに直近で卒業している若いスタッフに「学校の授業で記憶に残っているものってどんなのがある?」をヒアリングしてみることにしました。

すると、出てきた答えはビックリ。
「学校の授業で記憶に残っている内容はほとんどない」とのこと。
まじかよ。


そういえば振り返ってみると、僕も学生時代に記憶に残っている授業なんてほとんどありません。
自身が学生だったころの数十年前の記憶を掘り起こしてみても残っているものといえば…

・居眠りをして先生に教科書の角で頭をどつかれてる
・授業の妨げになるレベルの雑談をして「人に迷惑だけはかけるな!」と怒声を浴びる

ろくな思い出がない…。


そうなると「学校で授業をする意味ってないのでは?」という答えに行き着きかねませんが、それではそもそも話をいただいた全てが崩壊してしまいます。
なので『直近の出来事(授業)がサロンで働く際、可能な限り再現性があるもの』を前提に授業を組み立てることで、それを防ぐことができるんじゃないかと考えることにしました。

具体的にはなんといっても美容師は技術、ここに再現性を持たせるのが僕ら美容師が教育現場に介入する意味なんじゃないでしょうか。
例えば、料理学校ならかつらむができる、とか看護学校なら静脈注射ができる、みたいなものの美容師バージョン。
学生時代に身につけたスキルがそのままスライドしてサロンでも通用するがあってもいいのでは?

となると、やはり今回いただいた『サロンワーク』という授業、シラバス通りに進めても多分記憶に残らない&再現性が低い授業になるのは間違いないでしょう。
(制作していただいた職員の方には大変申し訳ない発言ですが…)



というわけで、せっかく「自由にしてもらって構わない」とアドバイスをいただいたのだから、このあたりを軸にして思い切って大改変をしてみることにしました。


【大改造before/after】



というわけで、再現性があり、かつ記憶に残る授業とはなんだろう?を軸にしてシラバスを作り替えてみることにします。

最終的なゴールの『卒業制作』は外せないので、それ以外の項目をいじることにしましたが、諸々考えた結果、入社後ほぼ全ての美容師が身につけることになるシャンプーを教えることにしました。

美容師になりたてのとき、あまりにできる仕事がなさすぎて、フロアで立ちすくすことしかできないめちゃくちゃ退屈な時間、これをできる限り減らしてあげることができたら”再現性があり、かつ記憶に残る授業”という条件はクリアするのではないでしょうか。

美容学校でもシャンプーが授業に組み込まれているところは少なくはないですが『プロが現場レベルのシャンプーを教える』をやっているところはあまりないんじゃないでしょうか。

というわけでシャンプーは採用。
(ちなみにカラーリングやカットの選択肢もありましたけれど、ウィッグの使用や教室の美化の観点で割と制約があるため、検討はしましたが却下しました)


でもこれだけだと退屈なんだよなぁ…。

なんていったって、今回の授業は1つのクラスに4コマ(50分×4)でのお話。

多分、というか間違いなく4コマまるまる使ってたら生徒たちは飽きる。そして、教える僕も飽きる。そう、間が持たないことが容易に予想できてしまう。


じゃあ、緩急という意味も込めてもう一つくらい要素は必要になりそう。

スキルはひとまずシャンプーで条件はクリアできそうなので、あと”再現性があり、かつ記憶に残る授業”に当てはまるものはなんだろう?
美容師になったときのギャップ…おお、美容師になったときのギャップ!
美容学生から美容師になるのだからそもそもそこにギャップは生じるはず。働かないとわからない部分も多分に含まれているでしょうけれども、少しでも緩和剤になるようなコンテンツが展開できたらいいのでは!?

というわけで、本人たちが思い描く将来像をできる限り具現化できるような妄想の時間を授業も取り入れてみることにしました。


というわけで、できたのがこちら。


これなら”再現性があり、かつ記憶に残る授業”という条件と学校側で設定している授業の目的”美容師として現場に出る生徒たちに、現場の美容師の仕事に触れてもらう”から大きくずれないんじゃないでしょうか。
(多少の拡大解釈はあるだろうけど)

プレゼンの資料も準備して、いざ学校へ…。

結果としては、めちゃくちゃすんなり通りました
え、マジでいいんですか…?

さて、始まるまでもうちょい詰めてみます。



いざ、授業へ!

さて、ここから読み始めてる方もいると思うので、ここまでの経緯をざっくりとまとめてみると

ディーラーさんを介して学校での授業のご提案をいただく

頂いた授業
・選択授業の1つのクラス(コース名は一応伏せます)
・期間は10月から2月までの全15回
・1日の授業あたり4コマ担当(1コマ50分)
・内容は【サロンワークに関すること】

授業内容は比較的自由に組んでもらっていいとのことだったので、思い切って改造
数行で済むことをツラツラ書きました

でした。
いただいたシラバスをかなり改造させてもらい、今回は下図のような段取りで進めていくことになりました。


じゃあ、引き続きお付き合いよろしくお願いします!


【2022年10月】

「教師になりたい」という夢を10代の時に諦めた僕が、まさか美容師をしながら教壇に立つことができるようになるなんて…こればかりは言葉にならなかったです。

準備は諸々したつもりだったので、その点は問題ありませんでしたが、実際に体験をしたことのない世界に飛び込む部分もあるので「正直どうなるかわからない、怖い…!」不安はありました。

とはいえ、どうなるかわからないものに対して延々と考えを巡らせても一向に答えが出てくる気配はないので、最終的には「あまりガッチリと作り込みすぎずに、ある程度の余白みたいな部分は残とこう!」という決断に。

そう!臨機応変に状況によって方向性を変えられるようにしておいた方がいいですからね。決して投げたわけじゃありません。

ですが、この判断は一部正解だったのですが、思いの外大変な思いをする羽目にはなりました。その部分に関しては後述していきます。



【早速起きた想定外】


初回授業がスタートして数十分…。
まずは最初の1コマ目は自己紹介や今回の授業の進め方等の話を!と思い、準備した資料をもとに話を進めていたら…

結構な生徒が寝てる…。

今までも社内外セミナーなどで、人前で話す機会はあり、確かに寝てしまう人はいました。
もちろんそういう人は話している側からするとめちゃくちゃ目立つのですが、少なからず『抗えない眠気と格闘している』のが見受けられたりするので心の中で「頑張れ…!」と応援したくなっていました。
と、同時にそういうシーンを見るたびに、僕自身も結構な格闘家だったもので…当時話してくださった方たちに申し訳なさを感じていたものです…。

ですが、今回はわけが違うんですよ。
彼らは”寝る”という意志を持って寝ているんです。
意気揚々と話をしていた僕の声が、その光景を眼前に捉えるたびに自分でも音量が小さくなってくるのがわかりました。

いやいや、初回の授業で心折れたらいかん。
ここで舐められないためにも一度「お前ら、社会人だったらこの状況ありえないだろー!」とか一言怒声を浴びせてみようかと思ったところで、とある記憶が蘇ってきました。


「あ、これ…僕もやってたわ。」


僕の学生時代の担任の先生方…本当にすみませんでした。


【違う、もっとシンプルなんだ】


一旦、寝ている状況は置いといて「なんでこうなってしまうのか」を当時の僕の記憶と照らし合わせて考えてみることにしました。
だいぶ古い記憶なので、ちょっと定かではないですが、多分大きくずれていないことでしょう。
ちなみに「単純にお前の話が面白くねえ」とかだったら、この思考自体が無駄なものになってしまうので、そこは考えないでおきます(そう願いたい)


………

学生時代を思い返してみると、本当に興味があるものなんて学校にはほとんどなく、それよりもバイトのことや友人との放課後の予定のほうがよっぽど重要で、授業はあくまでやらされているものに過ぎなかったな、と。

多分これは美容専門学校という特定の資格を取りに来るための学校だとしても、そこまで大きくは変わらないのではないかと思いました。


社会人になって「あ、これは勉強しておいた方がいいやつだな」と思うことで、初めて自主性みたいなのが生まれた結果、学ぶ意欲みたな感情が湧いてきた記憶があります。
とはいえ、やらされてるマンがいきなり社会人になって「あれも知りたい!これも知りたい!」なんて知識貪欲モンスターに切り替わるわけがないので、興味のないセミナーに参加しなきゃいけないときもありました。

そういった意味では環境的な部分も大きいと思います。
やっぱり社会人のセミナーは当たり前だけどみんな寝てない。
寝ないのが当たり前の環境の中で堂々と寝る社会人はきっと「あいつ、やべえヤツだ」と認定されてしまうでしょうからね。
(あれ、そういえば国会の会議って寝てる人いたような…)

だから僕も先述したような眠気格闘家を経て、だんだん処世術みたいなものを覚えてきて、首を縦に振ったり、メモを取ったりすることができるようになりました。
要は、セミナー中のマナーみたいなのを少しずつ覚えていきながら、そこから先の『セミナー者の準備にかけるプロセス』みたいなのを感じ取れるようになってきたんだなと思います。

………

はい、振り返り終わり!


彼らの場合は根本的に違うんですよね。
興味のないものにはとことん興味がないんです。

琴線にふれないものは、シャットアウトしてしまうんです。
まだ処世術なんてものは存在しないですし、仮に「起きてた方が色々ややこしくないよ」なんて伝えたところで1mmもピンとこないはずです。
だって、その当たり前で生きてないから。

ましてや外部から来た得体の知れない美容師、舐めてかかるにはこれ以上ない相手です。

これは僕の想定がかなり甘かったなと衝撃を受けました。
最低限話を聞いてくれる環境、要するに大人の当たり前の世界に慣れすぎてしまっていたせいで、踏まなきゃいけないステップをいくつかすっとばして『噛み砕いて話せばわかる』を前提にしてしまっていたんですね。

そして、今回やっているのはセミナーではなく授業。
情報を一方的に提供して『やるかやらないかはあなた次第』のセミナーではなく『ゴールに一緒に向かっていく』授業をしなければいけない。

「ついてこれないなら置いていきますね」をしちゃいけないと思っている僕としてはなんとかこのあたりを改善していかないといけないですね。
ここはかなり試行錯誤することになりましたし、結局最終回が終わっても「なんか違う方法あったかも…」とモヤつくことになった部分でした。


このあたりはめちゃくちゃ面食らったシーンではありますが、計画自体に余白を作りながら臨機応変に対応ができたのと、常駐ではなく非常勤という働き方が功を奏したか、次の授業まで1週間という期間があったのも修正をするにはありがたかったです。

ただ、通常のサロンワークをしながらなので内容によっては大幅修正をしなければいけないパートはめちゃくちゃハードでした…。
ここは美容師さんの頑張りどころになるんじゃないかと思います。


【教えるの難しさと魅力】

多分ここに関しては新卒を受け入れてるサロンのスタッフさんなら共感いただけるんじゃないかと思うんですが、教えるって難しいですよね。

自分が身につけたことを言語化して後輩に理解をさせて何かを習得してもらうって、サロンではよくあることだと思うんですけど、それをクラス単位で授業という形でアウトプットされている教師の方々って本当にすごくないですか?

僕は教育現場でいったらアシスタント一年目みたいなものなので、たいしたスキルも持ってないペーペーみたいなもんですけど、この教育っていう分野に特化した環境に身を置いたことで発見した魅力と壁についても少しシェアさせてください。


簡潔にいうと【狙い(ゴール)に対して教えるプロセスの選択次第で習熟度が全然変わってくる】ということです。

何かを教える上でゴールの設定というのはとても大事なことだと思います。
ですが、これが道順Aだと30%、道順Bだと70%の習熟度みたいにどっちもゴールには辿り着けるはずなのに習熟度がまるで変わっちゃうんですよね。

サロンでいったら、例えばカットを教えるときにざっくり分けると”感覚派”の人と”理論派”の人がいると思うんですけど、理論派で学んだ方が習熟度が上がりやすいにも関わらず、教える側が感覚派の教え方になってしまったために、ちんぷんかんぷんになってしまうなんてことがあるんじゃないかと思います。

要するに、ゴールの設定が明確だったとしても教育者側の引き出しの数とか、習得させる方法に対しての工夫がないと、教えたつもりで終了してしまうのが非常に難しいところです。

ただ、試行錯誤の機会はあるので違う角度でアプローチをして反応や習熟度が上がっていく様子を見ることができるというのは大きな魅力なんだろうなと思います。


あともう一つ、これもまたやっかいなところなんですが、確立された方法はないってことも覚えといてほしいなと思います。

クラスって生き物のように変化をしまくるので「あのクラスにはウケたのに、このクラスにはピクリとも反応しない!!」なんてこともきっと出てくると思います。
(僕は1クラスしか持ってないので実体験ではないですが、先生へインタビューしてみました)

なので、クラスの状況を見定めて、臨機応変に様々な引き出しを開けないといけないのが教育の魅力でもあり困難な部分だと感じました。


【教え子はかわいい】

そんなこんなで、驚きの連続で「こりゃ相当タフな仕事だわ」などと思いつつ、あーでもなこーでもないと試行を重ねましたが、そう簡単にはいきません。
GTOにはなれなかったです…。

けど、回数を重ねた中盤あたりから僕の中で心境が変化してきました。
最初は「くそー!なんでなかなか伝わらないんだ…!」とか思いながら生徒たちを敵視?まではいかずとも良くは思えずにいたんですが、徐々に「あれ、この子達かわいくないか…?」という感情が出てきました。

単純接触効果(ザイオンスの法則)っていってしまえばそこまでなんですけど…。


シャンプーをしながらネープスルー(首周りの流し、初心者がつまづくところ)ができるようになって嬉々として報告しにきたり
ワークをしながら、将来の夢について目をキラキラしながら話してくれたり…。

なにより「せんせー」って呼ばれるのはなんか気持ちいいです。
すみません、これは自己満です。

いずれにせよ、会う回数が増えてきて、関係性が少しずつできあがってくると愛着みたいなものが湧いてきます。


そう遠くない将来、彼らが美容師としてフロアで活躍しているシーンを実際に見ることは多分叶わないですが、僕が教えたことがどこかで頑張れるきっかけの一部になってくれたら本望です。


ついに完走!


というわけで、無事に全行程を終えることができました。

今回受け持つことになった授業は、美容師免許の取得には直接的には関係のない授業のため、達成度みたいなものを計る方法が全くないので「はたしてお前のやった授業は成功だったのか?」と言われたら何も答えることはできないのですが、卒業後〜1年後くらいに答え合わせができるんじゃないかと思っています。

その辺のタイミングで生徒たちが「そういやあいつ、なんかあんなこと言ってたなぁ…」ってなったり、サロンでシャンプー練習中に「あ!ここ授業でやったところだ!」みたいな進○ゼミ的なシーンが彼らの中に出てきたら成功だったんじゃないかと思います。


「美容師さんが先生をやる際のアドバイスしてやるぜ!」とか豪語しておきながら、かなりフワッとした終着点になってしまい申し訳ありませんが、僕自身も終わった後の達成感というよりは「あれもできたな…。」とか「こんな授業方法もあったかな…?」みたいなモヤモヤしたものが溢れ続けているので、多分皆さんも同様の感情が芽生えてくるんじゃないかなと思います。

少しでもこの辺りを解消するのであれば、習熟度を計るための”テスト”は各セクションでやってみてもいいかもしれないですね。
僕はこのあたりは全くやってません。どうせ詰め込んだ記憶なんてすぐ忘れて無くなっちゃうと思っているので。

教育者としては相当未熟ではあったものの、もし後発でチャレンジする方には是非このあたり参考にしていただけたらめちゃくちゃ嬉しいです。



まとめ

こんな機会に恵まれた喜びを一方的に伝えたいのと、実際に現場に入ったことで何かしらお伝えしたいのがごっちゃになってしまい、結果としてめちゃくちゃ長文になってしまいました。

たかだか半年の教育現場、本質なんて一部分しか見えていないのでしょうけど、僕からは以上です。

個人的にはこれからも教育に関しては携わっていきたいと思っているので、いい話あったら教えてください(マジで)


美容業界と学校の架け橋になる』僕のミッションの一部達成ですかね???

それでは!


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