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油断をすれば泣きそうだったから。ハワイ島での思い出。

ハワイ島滞在、最後の夜。
洋画をよく見る人でもないのに、なぜか突然友達に勧められた洋画を見ていた。

次の日は早朝に飛ぶ飛行機だったので、
ハワイ島での本当に最後の時間だった。

そんな最後の時間に普段見ない映画を見ながら、泣いた。

涙は映画のシーンのためだったのだろうか。
映画ではお互いを思いあう二人が離れ離れになるシーンが流れていたが
私のあの時の涙も長く連れ添った恋人にでも向けるかのような涙だった。

泣きながら自分でもなぜこんな気分になっているんだろうと思うほどだった。

いや、きっとあの涙はあの土地とそこでの思い出に対しての涙だった。
留学を終えて帰るときは一切なく気配もなかったのに、今回は涙が止まらなかった。それまでのそわそわした気分も油断してしまえばすぐにでも泣きそうだったからだった。

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ハワイ島での留学を終えてちょうど一か月たったころ、
もう一度ハワイ島に行くことを決めた。

正直こんなにすぐに行くべきなのかすごく悩んだ。
でもまたハワイ島に行くべきタイミングだったのだと今では思う。

留学としてハワイ島に行ったようにまたあの島がきっと私を呼んでくれた。
半年以上前、「もう一度私をこの地に呼んでください」と願った日を思い出す。

それから半年後、私は一人でハワイ島ヒロに戻った。
あの時一緒に時を過ごした友人もいないヒロは少し寂しかった。
一人でココナッツアイランドへ行き、考え事を始めた。

私が今回もう一度ハワイ島に来た理由。
私の将来のこと。
このハワイ島ヒロという町に対しての自分の思い。

すべてのことが頭の中で混乱し、ナーバスになっていた。
いつもそうだった。一人でココナッツアイランドに行くといろんなことを考え始めてどんどんナーバスになっていく。

『ココナッツアイランドは神聖な場所だったからそういうのがあるんだよ』といわれた。私もそうだと思う。

でも毎回同じなのはそのナーバスな気持はすぐに前向きな気持ちになる。
いつもその不安げな気持ちが切り替わる前振れなようなものだった。

今回もあの時間があったからこそ、自分の中で何かが切り替わった。

これが今回私がハワイ島に呼ばれた理由だと思った。
あの後からはまたハワイ島に行って会いたかった人々に会う日々が続き、
話をたくさん聞いていただき、意見をしていただき、自分の中の自分がまた一つ変わった気がした。

ああ、これに気づくためにここに帰ってきたのだなと感じた瞬間だった。

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最終日の夜、私は声をあげて泣いていた。いつものNo4の部屋で。
ハワイ島ヒロという場所へのしばしのお別れの涙だった。
いつも私を一皮むかせてくれる場所への涙だった。

だからと言って、次はすぐにはハワイ島に帰ることはないと思う。
きっとあの涙を流しているときに自分で決めた。

私はもう一つ成長してからここに帰ってきたいから。


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