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心の内に自分だけの世界を。

先日、娘が5歳になりました。

今年の誕生日プレゼントは、リカちゃん、子ども包丁&エプロン、そして、毎年恒例の私セレクト絵本です。

(※我が家はプレゼントに絵本がもれなく付いてくるのです↓)


で、娘に今年プレゼントした絵本はこちら。
『ないしょのおともだち』

主人公マリーが住む大きないえのすみには、小さなねずみの家族が暮らしてる。知らない者どうしのマリーとねずみの生活は不思議にリンクしていて、ある時ふと小さな壁の隙間から目があって、お互いの存在に気が付く。だけどふたりとも、家族にはそれを言わずに「ないしょのおともだち」になる・・・そんな可愛いお話。

今、娘は「ないしょ話」が大好き。「お兄ちゃんにはないしょだよ」「パパにはないしょだよ」なんて言って、「ないしょ」を枕詞に小さなお菓子をあげたりするとすごく嬉しそうだし、素直にこちらのお願いを聞いてくれたりする(ワガママ言われた時とか割と使える手です。笑) まるで『借りぐらしのアリエッティ』のような世界観も、お人形のごっこ遊びが大好きな娘にピッタリな絵本だなと思って選んだ。

子どもの「ないしょ」の世界

「ないしょ」の世界って、子どもにとって大事だよなあ、って。このお話を読んでいてふと思った。

親ってやっぱり我が子が好きだから、子どもが何を考えているのか、何でも知りたいし、理解したいと思う。でも何でもかんでも開示し合う関係って、一見オープンなようでいて息苦しいというか、余裕がないようにも感じる。

ちょっと話がズレるけど、例えば家にいる間ずっとテレビがついていて、常に情報が入り続けてるのって私はちょっとしんどい。例えコンテンツが面白くても、ずっと刺激を受け続けて画面や音に心が干渉されている状態で気が休まらない感じがする。テレビを消すと息子は「何しようかなあ」って言うけど、別に何もしない時間があってもいいじゃないかと。そういう時間こそが、考えたり空想したりにつながるんじゃないかと。

たまに子どもがぼーっと一点を見つめたりしていると「何考えてんだろ?」と気になってうっかり聞いてしまいそうになるけど、なるべく放って置くように気を付ける。そういう余白の時間が大事な気がするから。誰にも干渉されない、自分が自分の世界であそぶ時間。ひとりでコソコソ、クスクス、ニヤニヤする時間。それってクリエイティブの”もと”なんじゃないのかなって。

絵本でも、子どもがひとりで自然と空想世界へ行って楽しむ、そしていつの間にか現実に戻ってきて、大人は何にも知らない。そんな流れのお話って多い。

例えば『もりのなか』

例えば『おふろだいすき』

そういう設定の面白くて素敵な名作をいくつも見てきた。そういうお話が長年子どもを惹きつけてやまないのは、とりもなおさず、「空想の世界であそぶ」ということが子どもの心にとってものすごく良い栄養だからじゃないんだろうか。

心の内に自分だけの世界を持つこと

「絵本×子育て」を考えた時、私がこだわりを持っていたテーマのひとつがこれだった。絵本を読んで物語を好きになって欲しい。自ら読書する力につなげて欲しい。そして、たくましく想像力を鍛え、心の内に自分だけの世界を持って欲しい。そういう力を育てたい。

私は子どもの頃、決して明るい少女とは言えなかった。転校先で方言も違って言葉が分からなかったり、馴染めなかったり、いじめられたり。学校の勉強もできず、快活ですこやかな学校生活とは程遠い。その頃の私の楽しみは、社宅の小さな庭であそぶこと、そして絵本と漫画だった。

現実逃避と言ってしまえばそれまでだけど、人生で辛いことやしんどいことに直面した時、自分を支えるのは自分の心。空想、想像する力は、辛さを忘れて自分を癒す力を持っているんじゃないかと思う。そして自分の世界観を作り上げる力は、クリエイティブの力にそのまま直結するだろうし、他勢に依らない自分なりのモノサシを持つ思考力にもつながると思う。そうなって欲しいなーと思って、我が子と本を読む毎日なのです。

このテーマが具現化されたような絵本にも最近出会った。
『おとうさんのちず』

戦争により国を追われ、パンも買えないほど貧しい暮らしの中、お父さんが大きな地図を買ってきた。最初はお父さんを恨んだけど、毎日眺めるうちに地図は心を別世界へと運んでくれるようになる・・・世界的な絵本作家となったユリ・シュルヴィッツ自身の自伝的物語。すごく感動しました。

娘の誕プレから随分話が遠くまで来ちゃったけど(笑)
娘よ、誕生日おめでとう。
これまでの日々ありがとう。
これからも元気で健やかな心と身体を持っていられますように。
明日も、明後日も、なるべくなら長く一緒に、想像の世界へ出かけよう。

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