首吊り自殺当日①


首を吊る前日、その日の夜は

どんなに薬を飲んでも眠れなくて

彼氏も横で眠れなさそうだった。

朦朧とした意識の中、何度も

ぼんやり彼氏のスマホの光を見た。

私はここしばらくTwitterもインスタも

見る気が起きなくて、それこそ自殺と

死体のことしか調べていなかった。

彼氏は浮気しているんだろうか?

私の病気を、一緒にたたかおう!頑張ろう!

と言ってくれているのは本心なのか?

私はただの養ってくれているババァじゃないか!

そんな気持ちで午前5時を迎えた。

マンションのエレベーターの点検の日で

最上階の私の部屋はエレベーター無しで

上がるなんて考えられない!と思っていて

神経質で心配性で多動の私は、午前7時迄に

家の掃除を完璧に終わらせ、エレベーターが

とまる前にコンビニへ走った。

彼氏への朝ご飯と昼ご飯を買った。

彼氏がそろそろアラームで起きる頃、

私はエレベーターで部屋に戻った。

就職の面接へ向かう為、スーツに着替え

バタバタと慌ただしく準備をする彼氏に

私は「やましいことあるんじゃない?

私はまだ忘れてないよ。まだ信用できない」

と突っかかった。呆れるでしょう。

5個上のアラサーの女が大学生の就活の邪魔

をしてしまうこと。

私だって一応Fランクの大卒だ。

就活も一応した。普通に就職もした。

大事な時期に恋人の邪魔をする女になった。

なんだかもう、自分に吐き気がした。

互いに謝って、なんとなく気まずい雰囲気で

「行ってらっしゃい」と彼氏を見送った。

その時、何故だか私はこれが最後になるかも

しれないと思ってバタバタ走って玄関へ向かってもう一度、行ってらっしゃいと言った。

「またあとでね〜」

続きます。

死田


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?