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諸行無常、盛者必衰は羅針盤

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏ひとへに風の前の塵におなじ。
                 『平家物語』第一巻「祇園精舎」より

有名な平家物語の冒頭の一文。大好き。
変わらないものは何もない。滅びないものは何もない。すべては泡沫の夢のようなもの。

何か意見や考え方をきくときに、この諸行無常、盛者必衰の真理に照らしてみると、それがきくすべきモノであるかどうかが簡単に判別できる。

まず、「絶対」という言葉が入っていたらアウト。絶対はない。絶対がないことだけは絶対。

「ずっと」、「永遠」という言葉が入っていたら怪しい。

「成功」、「必勝」、「デキる人の」という言葉が入っていたら要警戒。

つまり、ここから導かれるのは大抵のビジネス書や自己啓発のコンテンツは眉唾ということ。

政治や経済の言説についても、滅びない国家(政体)はない、倒産しない会社は存在しない、といった観点を持って接すると目くらましにあわないですむ。

そして、傲り高ぶらない人間は存在しないため、運よく成功した状態にあったとしても、常に脚下照顧を意識して自制する自分でいたい(でも、きっと傲ってしまうだろうね)。

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