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マクロ経済

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2024年8月の記事一覧

消費者物価の基調的な変動(24年7月)

消費者物価の基調的な変動(24年7月)

植田和男日銀が追加利上げを決めた月の、消費者物価の基調的な変動(2024年7月)のデータが、8月27日に公表されました。早過ぎる追加利上げを責めるかのようなデータが日銀自身から公表されました。

基調を示す指標は、いずれも 2% を下回りました。(下図1)
上昇品目は減少傾向、下落品目は増加傾向が続いています。(下図2)

24年7月の消費者物価指数(全国)は、コアコア、欧米型コア、サービスのいず

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消費者物価の上昇幅鈍化(24年7月)

消費者物価の上昇幅鈍化(24年7月)

消費者物価指数 全国 (2024年7月)が公表されました。
植田和男日銀総裁が良く言う「第一の力」(コストプッシュ)は強まり、「第二の力」(賃上げと物価上昇の好循環)は弱まっている、と受け止めました。
後述の通り、コアコア、欧米型コア、サービスがいずれも2%を割っています。

消費者物価指数の動向総合 +2.8%

コア +2.7% (生鮮食品除く)

コアコア +1.9%(生鮮食品及びエネルギー

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日銀利上げとハト派のフリ派

日銀利上げとハト派のフリ派

2024年7月31日に日本銀行が利上げを含む金融政策の引締めを発表しました。この政策変更への評価など、思ったことを書いておきます。

僕は、日本経済が強くはない現状で、行ってはいけない利上げ、という認識です。植田ショックと言われる金融資産市場の急激な変化(株価・為替レートの乱高下)だけでなく、賃上げと物価の好循環を通じた物価目標を安定的・持続的に達成することを危うくする対応だと思います。

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