マガジンのカバー画像

短編小説

160
運営しているクリエイター

#梅雨

Two people in the rain

Two people in the rain

『雨が止まない』 
 雨の日はこうゆうメールが来ることがたまにある。あるけれど本当に雨ばっかりで(梅雨だから)もうこりごりだぜみたいな顔をしながらメールを打っている男の顔が目に浮かぶ。
 時計をみると11時だった。夫は土曜日だというのにいなくて出かけたのも全く気が付かなかった。昨夜2度セックスをした。週に一度必ずあたしを抱く。抱くというか性処理の道具なのかと疑ることもあるけれど夫のことは好きなので

もっとみる
くうきな男

くうきな男

 仕事から帰ってもはやなにもする気もおきずにけれど手洗いとうがいをし、冷蔵庫から缶ビールを取り出してプルトップを開ける。
 プシュという音とおもてからささやかに耳にはいってくる慈雨のノイズはいいコラボだなと思いつつ喉をならしごくごくと飲む。冷たい液体が食道から胃に到達したなと感じ次は頭がキーンと痛くなる。冷たすぎるから缶ビールは常温でいいよと男にいってあるのになぜかいつも缶ビールは冷蔵庫の中に集合

もっとみる