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急成長スタートアップにおけるCTOの役割

はじめに

株式会社Sales Marker CTOの陳です。創業から2年半が経ち、組織全体で150人、その内エンジニア部門としては25人を超える規模感となりました。創業前は、私自身「CTOって何する人なの?」「CTOになったけど何をしたらいいの?」と、なかなか想像がつかなかったのですが、同じ様な悩みを抱えている人が沢山いるのではと思い、現在の私の役割と解釈をシェアできればと思います。


CTOの役割とは?

結論から言うと、フェーズや組織状況によって具体的な役割は違うので、CTOの役割はこれだ!と言う明確な定義はないと思っています。ですが色んな国内外のCTOとコミュニケーションをとった中で分かったことは、CTOはあくまで経営者であり、”技術観点から様々な経営課題を解決し、会社のKPIに貢献する人”である点は共通していました。ただ、この定義だとあまりにも広すぎるので、具体的にシリーズA時点のSales Markerでの私の役割をお話しできればと思います。
簡単にまとめると、私は現在以下の役割を担っています。

・プロダクト組織の責任者
・情報システム部門の責任者
・プロダクトチームの採用責任者
・データ&AIチームのマネージャー
・いざという時のソルバー
・経営陣の一員
・その他

プロダクト組織の責任者として

何を作るか

大きな企業になれば、所謂CPOの担当分野になると思います。
弊社は今年からプロダクトマネージャーの採用を始めましたが、それまでは経営陣が何を作るかを企画から実装開始まで全て担当していました。組織規模が大きくなり、ビジネスサイドで全ての実装を見れなくなってからは、細かい部分に関してはほぼ私が責任を持って進めています。
現在はプロダクトマネージャーチームを立ち上げたので、具体的な推進は任せていますが、優先順位決めや現在のエンジニアリソース、ビジネス状況を鑑みていつまでに何をリリースするかといったことに対しては責任を持っています(大きな機能やプロダクトローンチは引き続き経営陣全員で決めるようにしています)。

開発チームの組織構成(2024/5現在)

▼創業〜現在までのSales Markerのエンジニア組織沿線についてはこちらをご参照ください!

どう作るか

ここがシリーズAのCTOとして本来一番力を入れるべきポイントだと思いますが、弊社の場合は早期から優秀なエンジニアを集めチームを作ってきたので、殆どチームに任せることが出来ている状態です。
大体チームが5人くらいになったタイミングから直接コミットすることはほぼなくなりましたし、10人を超えたあたりからレビューも殆どしなくなりました。
スタートアップCTOはいつからコードを書かなくなるのか?と聞かれる事がありますが、個人的に明確な時期はなく、あくまでチームの成熟度によるのではないかなと考えています。必要であれば今でもやっていると思いますし、任せられると判断した時から見なくなりました。
今でも大きなデータベースの構造やシステム構造のレビューは担当しますし、各開発チームの毎日のスタンドアップミーティングには参加しているので、チームが今何に注力していて、どのような状態なのかは把握できているのではと思います。

プロダクトのパフォーマンスに責任を持つ

メンバーに開発を任せているとはいえ、パフォーマンスやアラートは日々注視しており、正しく作られているか、異常が生じていないかは常にチェックしています。開発リソースを新機能に注力するべきか、あるいは不具合解消に時間を使うべきかを判断するのに重要な指標だと捉えているので、毎週Datadogのダッシュボードやアラートチャンネルを見渡して潜在的な異常はないかを判断します。

全員との1 on 1

プロダクトチームの全員が楽しく働けているのか、ちゃんと成長しているのかを把握する為に全員との1 on 1をweekly / monthlyで実施しています。
Sales Markerでは全員が日々の業務を通じて成長できているかを特に重視しており、1 on 1ではあえて業務の話題は取り上げないようにしています。主にキャリアについての相談やウェルビーイング、メンタリングを中心に時間を使っています。

情報システム部門の責任者

大企業の顧客が増えてくるとどうしてもセキュリティチェックが多くなり、全体像を把握しているエンジニアでないと回答できない質問が沢山浮上します。弊社の場合インフラやセキュリティ周りのエンジニアが日本語が不得意なため、去年までは全て私が回答していました。
さすがに回らなくなってきてしまったので、情シス部門を立ち上げ、社内全体の業務量の最適化や監査に耐え得るセキュリティーの強化等を実行しています。

プロダクトチームの採用責任者

テクニカルリクルーター

一番時間を使っているのはここかもしれないです。社内ではビジネスが先行してアウトパフォームしており、組織規模がついて来れてないので常に人手不足状態が続いています。
また、弊社のエンジニア組織は完全に英語環境なので、外国籍や日本語が喋れない候補者様、エージェント様とのやり取りが特に多いです。このような背景から、私がやり取りする事が多くなっています。

参考までに、英語でメンバーと会話している動画を貼っておきます(笑)。

今後も、カジュアル面談やスカウトは打ち続けるつもりです。最強のプロダクトを作るためには、最強のエンジニアチームを作る必要があるので、ここを自分の第一ミッションだと捉えています。
このブログを読んで頂いているあなたからのご応募も大歓迎です!是非一度カジュアル面談をさせてください(笑)。

採用戦略、組織戦略

全社KPIからプロダクトロードマップを作り、いつまでにどれくらいエンジニアが必要なのか、又入ってからどうオンボーディングしていくのか、どうしたら良いエンジニア文化を作れるのか等、一月に一度見直しをしています。
常に半年後の組織図を描き、今の現在地と照らし合わせて柔軟に採用戦略を調整しています。

データ&AIチームのマネージャー

このポジションだけまだマネージャーが不在なので、直接見ている部門です。
データチームはデータエンジニア、データアナリスト、データサイエンティストや機械学習エンジニアで構成されておりますが、ビジネス全体と照らし合わせ何を優先的に作り、どう連携していくかをメンバーと決めています。データが中心なサービスを作っている為技術的にも難しく、ビジネスとの連携が特に重要です。ここのチームのコードだけまだレビューをしている事が多いです。

いざという時のソルバー

夜中や祝日にアラート等が起きると、当然ですがメンバーに依頼するわけには行きません。オンコールもまだ平日のみの対応なので、基本的に時間外のオンコールを担当しています。
さらに経営から出てくる突発的な検証や修正、急なシステム連携等で今の開発プロジェクトを中断したくない、リソースがない場合は全て自分がえいやで解決する事が多いです。

経営陣の一員

経営会議や戦略策定、技術観点から全体経営を支えています。詳しくは省略しますが日々経営陣として爆速成長できる様に頑張っています。

その他

実は総務部も担当していたり笑。不動産が好きなのでオフィス戦略や実際の内見等をやっていたらいつの間にか総務責任者になっていました(笑)。

最後に

以上、私が現在持っている役割一覧でした。Sales MarkerはまだまだシリーズAなので役割も担当領域も広く見えますよね。前のフェーズまではできる事が少なかったので、今がひょっとしたら一番やることが多いフェーズかもしれません。
ただ、会社のフェーズに応じて最も自分の力が必要でコミットすべき部分に時間を費やしている事は変わりないです。忙しくも楽しく過ごせているのは、会社や自分自身の成長に日々ワクワクしているからだと思います。
一年以内には大半を委任をしたいと思っているので、我こそはと思う方からのご応募お待ちしています!!
少しでもスタートアップコミュニティーにも貢献できればと思うので、CTOや経営者の方々で困っている方からのメッセージも歓迎です!

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▼陳の人柄がより分かるインタビュー動画はこちら


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