夫婦関係のリノベーション
「50代は人生の新たなスタートにもってこい」
料理研究家の谷島せい子さんが著書で書かれていた言葉に、深く感じるものがありました。
女性にとっての50代は、子育てが一段落して「自分でなければできない家事」も少なくなっていき、ようやく「自分の時間」がもてるようになるタイミングなのだそう。
だけど、体力も気力もまだまだある。もちろん、20代のギラギラ・ガツガツとは、別の次元ですけど。
谷島さんは、「50代でようやく“自分らしさ”を追求できるようになるのではないか」と語っておられます。
インドの「四住期」の考え方でいえば、「林住期(りんじゅうき)」は人生で最高の期間です。
でも。
「年を取る」ことに対して、ネガティブな話ばかりな気がしませんか?
老年精神医学を専門にされている和田秀樹さんは、「快」を原則に生きることを勧めておられます。
わたしは結婚してから最初の10年くらい、離婚することばかり考えていました。そんな状態で、よく10年ももったなと思うけど。笑
10年を過ぎたころ、ようやく家の中の「快」をもっとつくろうと取り組み始めました。
理由は、もっと仕事に集中するためです。
仕事でキリキリ、カリカリしているときに、家に帰ってもピリピリ、バチバチしていたら、心が安まるときがありません。
まずは、夫との関係を見直して「快」でいられる時間を増やそうと考えたわけです。
最初にやったのは、「不」の付く言葉と、それにつらなる自分の想いを書き出すことでした。
不快・不平・不満・不承不承・不愉快・不満足・不安・不信・不明確・不幸……
「不」の付く言葉って、字面だけで“不幸”になりそうですよね……。そして書いている途中で、ふと気がつきました。
「夫がコレやってくれない、アレやってくれない」ばっかりじゃない!?
『7つの習慣』という本を読んでいたので、第1の習慣「主体的である」がドーーンと、後頭部に落っこちてきたような気がしたのです。
まさに、パラダイムシフト!!
かっこ悪いな、わたし!!
そこから、まずは自分が主体的に動こうと意識を切り替え、少しずつ、少しずつ、関係を再構築してきました。
おかげでここから10年近く経ったころ、夫が「会社を辞めたい」と言ったときも、わたしが「会社を辞めたい」と言ったときも、お互いに率直に話をすることができたのです。
人生で最高の期間である「林住期」を健やかに迎え、「自分らしさ」を追求できるようになるためには、まずは身近な人との関係の見直し=リノベーションが必要なのかもしれません。
って、書こうとして、リノベーションとリフォームって、何が違うんだろう?と思い、調べてみました。
リフォームが「マイナスの状態のものをゼロの状態に戻すこと」を指すのに対し、リノベーションは「プラスαで新たな機能や価値を向上させること」を表しているそうです。
我が家は今年で結婚23年になります。
あのとき、夫との関係をリノベーションすることを決めなかったら、いまでも「この人のせいで、わたしは不幸なんだ」と思っていたかもしれない。
「50代は人生の新たなスタートにもってこい」です。いまの関係にプラスαできることをみつけてみるのも、いいんじゃないでしょうか。
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