日々言葉 #60『香君』
今日の本の言葉は、上橋菜穂子さんの『香君』から。
香りで万象を知るという活神「香君」という存在と、はるか昔に「香君」がもたらした奇跡の稲「オアレ稲」のナゾを巡る物語です。
祖父が王位を追われ、捕らえられた少女アイシャ。仮死状態から目覚めたアイシャは、香君に仕える香使としての道を歩むことになります。
アイシャは香りの情報をもとに、土の中に生きる者たちの声、植物の声、それらに集まる虫の声を感じる能力を持っていて、そのために「香君」の秘密に触れ、帝国の危機に立ち向かうことに。
「オアレ稲」という、病害にも寒さにも強く、虫の害もほとんど受けない奇跡の稲。遠い昔に帝国を飢餓から救ったわけですが、これに依存した生活に未来があるのか。
「オアレ稲」が金融資本主義にも見え、食糧自給率の低い日本のいまにも見え、遺伝子組み換え食品の未来にも重なりました。
今日の言葉は、「香君」と共に、特別な栽培方法を試している山荘へやって来た時、言われた言葉です。
身分や出自に関係なく、人として敬意を払うこと。それは自然に対しても同じ。
「敬意はあっても隔たりはない」
頭では分かっていても、難しい。重い言葉ですよね。
会社という組織の中には、社長もいれば、マネージャーもいます。それらの肩書きは職務上の上下関係であって、「人」としてのものではないと、わたしは思います。
アドラーがいうように、人はすべて「ヨコの関係」でとらえたいと考えているから。
「ヨコの関係」だと考えると、イライラさせられるあの人も、自分の思い通りに動いてくれない部下も、見る目が変わるはず。
たとえば。
目の前にいる人の長所をいくつ挙げられますか?
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「なぜ」が人生を深くする。
毎日、小さな問いを発信しています。
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