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163、運動時のマスクは危険。今だからこそ、この論文に目を通そう

今回はコレ

「Science Direct」2020年11月掲載

“Exercise with facemask; Are we handling a devil's sword?” – A physiological hypothesis

※‟フェイスマスクでエクササイズ、私たちは悪魔の剣を扱っているのか?”ー 生理学的仮説

この論文を紹介したい。

特に新しくもない論文で申し訳ないのだが、ここではマスクを装着して運動をした際の各種生理的変化が示されている。

このクソ暑い時期になっても相変わらずマスクを外そうとしない大人が多く、子供や高齢者に関しては、ある意味毎日マスクをしながら運動をしているようなものだと思うので、今こそマスクを装着して運動をすることの危険性を伝える必要性があると思い至り、敢えて古い論文を紹介しようとしている次第だ(なんだか真面目だなww)。

それでは論文の一部を紹介していこう。

マスクを着用しての運動は酸素と二酸化炭素のガス交換が妨げられ過呼吸になることがある。これによって各種の生理学的変化を引き起こす。

1,代謝の変化
2,心肺機能のストレス
3,排泄系の変化
4,免疫機能の変化
5,脳・神経系の変化


内容としては以上5つに分類される。

1つずつ確認していこう。

1,代謝の変化

中等度~強度の運動では嫌気性代謝が優位となり乳酸変換のため、活動停止後にかなりの酸素が必要となる。
マスクは吸気と排気の閉経路を形成しているが、完全な気密性はない。呼気の再吸入により、動脈血中酸素濃度が上昇し、酸性度が上がる。
従って、マスクをつけて運動する人は不快感、疲労感、めまい、頭痛、息切れ、筋力低下、眠気など、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の人が運動するのと同様の生理的変化を受けることになる。

2,心肺機能のストレス

酸素の利用可能性が低下すると、低い仕事量でも血圧が指数関数的に上昇する。この生理的変化は心臓の過負荷と冠動脈の受容を急増させる可能性がある。
これらの変化は運動中の健常者では微々たるものかもしれないが、慢性疾患を持つ人では病状を悪化させる可能性がある。

3,排泄系の変化

低酸素症は腎血流と糸球体濾過量を減少させ腎機能低下のリスクをもたらす。従って、酸性尿とその結果生じる尿細管損傷は、慢性疾患を有する個人の腎機能低下を悪化させる可能性がある。

4,免疫機能の変化

マスクをしての運動は酸性環境を誘発するため、低酸素状態のナチュラルキラー細胞の標的細胞への移動性が損なわれ、感染の可能性を増大させる。
上気道の湿度や温度がさらに変化すると、無動繊毛症候群が引き起こされ、口腔咽頭叢の深い播種によって下気道感染症にかかりやすくなる。

5,脳・神経系の変化

急性高酸素血症は神経保護作用がある一方、脳虚血を誘発するという諸刃の剣である。
また、高炭酸ガス血症(※二酸化炭素を排出できない:天乃川注)は姿勢の安定性、固有感覚、歩行速度の変化および転倒に影響を与える。


――とりあえず以上だ。

今回は運動時にマスクを着用した場合の生理的変化を紹介したが、「別にマスクをして運動をしないから大丈夫」――と安心していてはいけない。高齢者や子供は特に運動をしていなくても、ある意味年がら年中運動をしているような状態でマスクを着用していると考えても突飛すぎるとは思えないので警戒してほしい。

運動している際にマスクを着用しているスポーツマン、スポーツウーマンの皆さん、あなた達がまず率先してマスクを外していかないと、本当にリスクのある高齢者や子供が死に至ってしまうかもしれませんよ? 

私もロードバイクに乗っているけど、感染対策でマスクなんて絶対に着けやしませんよ(花粉症なので3~5月は着けているんだけどねww)。

そもそも、マスクが感染を防ぐという科学的根拠なんてないからね? 意識的に外していかないと、いつまで経ってもクソったれコロナ禍を終わらせることができないからね。

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