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シンアキコ/ライター
2021年5月5日 02:31
母は、私が17歳のときに旅立ちました。何の前触れもなく。朝、つまらないことで口答えをして「行ってきます」も言わなかった。不機嫌な顔で別れたのが最後です。その後、数年間の記憶がほとんど残っていないくらい、一気にせわしない日々が始まりました。ある日とうとう言われました、私が母を殺したのだと。あの言葉だけは今も忘れられません。思い当たることがありすぎたから。その言葉に私は、腹を立てるどころか