シンアキコ/ライター

80年代生まれのライター/元 作業療法士/70's、80's、90…

シンアキコ/ライター

80年代生まれのライター/元 作業療法士/70's、80's、90'sオタク。映画、音楽、舞台、漫画を広く深く。

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おっさんの話

“おっさん”は、“ばあやん”こと祖母と暮らしていた。 やんややんやと日々、小言を言い合いながら。 おっさんが祖母の長男であり、父の兄であると知ったのは、おっさんがいなくなってからのこと。 祖母の、戦死した夫との子がおっさんだそうだ。 “おっさん”は、いつも酒を呑んでいた。 「いつも」というと語弊があるかもしれないが、とにかく酒が好きだった。 十八番は吉幾三。人生は酒、酒こそ人生、そんな感じだ。 ギャンプルもまあ、当然の“たしなみ”。 色付きのメガネをかけ、豪快に笑うとむき出

    • メランコリック東京

      ええふうに言うなよっていうタイトル。 最近、自分の手に負えない憂うつが続いている 今の時代に隠すことではないし、とはいえわざわざ言うことでもないけど かれこれ20年くらい抗うつ薬と精神安定剤を飲んでいて、 そうして薬でもコントロールしているし、 こういうときはどうすればいいか、自分で考えてみることもできるのに 何度も経験してきたのに やっぱりいつも、どうしようもならない 書き出しながら気持ちを整理している 外に出ても、知らない街だから行く場所もないし 東京にいる数少

      • 2023年2月 お仕事記録

        ■インタビュー ●QJWeb  ENHYPEN 京セラドーム公演後インタビュー ●『週刊TVガイド』(2月22日発売号、表紙 永瀬廉さん) ・GENERATIONS(白濱亜嵐さん×数原龍友さん×中務裕太さん) ●『日経エンタテインメント!』3月号(表紙 目黒蓮さん) ・WATWING ●『日経エンタテインメント!』web ・『ネクストブレイクファイル』紺野彩夏さん ・『ネクストブレイクファイル』増子敦貴さん ・関水渚さん(本誌2月号を再編) ■レポート ・『伝説

        • 2023年1月 お仕事記録

          ■インタビュー ●PMC Vol.26(表紙 INI) ・「2022 MAMA AWARD」INI座談インタビュー(聞き手として参加) ●音楽誌MG NO.15(表紙 King & Prince) ・King & Prince 永瀬廉さん<My Favorite Concert Songs> ・KARA ・OCTPATH ●『日経エンタテインメント!』2月号 ・特集「2023年の新主役100人」関水渚さん ・&TEAM 座談会 ●『日経エンタテインメント!』web ・『

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          誰かにとって無意味でも

          誰かにとっては宝物。世の中にあるもの、存在する人、すべてがそうだと私は思っている。 「理解できないものには関わらない」って、本来とても簡単なはずなんです。 うん。簡単なことだと思うんだけど。 たとえば駐車場で高級車やクラシックカーを見かけると、「ずいぶんお金に余裕があるんだろうね」って言う人がいる。 生活を切り詰めて切り詰めてようやく買った車かもしれないのに。どうしてその車に乗りたいのかっていうストーリーも知らないのに。 たとえば「形に残らないもの」ーー旅行、食事、

          誰かにとって無意味でも

          花を贈ろう

          母は、私が17歳のときに旅立ちました。何の前触れもなく。 朝、つまらないことで口答えをして「行ってきます」も言わなかった。不機嫌な顔で別れたのが最後です。 その後、数年間の記憶がほとんど残っていないくらい、一気にせわしない日々が始まりました。 ある日とうとう言われました、私が母を殺したのだと。 あの言葉だけは今も忘れられません。思い当たることがありすぎたから。その言葉に私は、腹を立てるどころか納得してしまったのです。 言い放ったほうも、今では後悔しているかもしれませんね

          “愛ゆえの苦言”に愛はあるのか

          「愛してるからこそ」なんて言葉は、言い放つほうが使うものではない。 そこに「愛」があるのか、本当に「愛ゆえの」言葉なのか、判断するのは受け取り手だ。 2021年。皆、疲れている。けれど、誰かを傷つけていい理由にはならない。「誹謗中傷はやめよう」と、あれほど問題になったことを、もう忘れてしまったのだろうか。 感情をすぐさま誰かに、どこかにぶつけたくなる人間がいるのだから、もちろんぶつけられる人間……嫌な言い方をすれば“ターゲット”がいる。 検索しなくとも、見たくない、聞き

          “愛ゆえの苦言”に愛はあるのか

          人生が二度あれば

          ♪ 父は今年八月で 七一 〜 ♪ とくら。 私は、もうすぐ実家を出る。 もう決めたことだけど、夜になるたび迷う。 理由はたったひとつ。 父を、ひとりにしてしまうこと。 私は、正直言って父のこと、あまり好きではない。 好きでこんなにも長く、一緒に暮らしているわけではない。 思春期のころには、 「早くひとり暮らしがしたい」 「自由になりたい」 なんて、人並みに夢見ていたりした。 それでも、父が建てたこの家。 家族5人、柴犬のゴン、亀3匹ともに暮らした家。 5人がいたのは

          人生が二度あれば

          私は、優しい嘘に騙されたまま死にたい

          ちょっと毒。 あまり大きな声では言わないけど、ずっと思っていたこと。 「好きなアイドルが結婚しても平気、むしろ幸せを願ってる!」 「最近◯◯いい顔してる。いい人できたのかなぁ、だといいな」 「なんで推しの幸せを祈れないのかな?」 みたいなことを言う人。 考え方は人それぞれなので、そう思うのはまったく否定しない、むしろ素敵な考え方だと思うし、私もそう思えるようになりたい。ただ、 それをSNSに書く意味、ある? 言わなくても良くない?と、私は思ってしまうのです。 心がせ

          私は、優しい嘘に騙されたまま死にたい

          またひとつ、宝物の出会い。

          キスマイのファンクラブに入った。 noteで話したかは分からないけど、私はアレキシサイミア(失感情症)という気質を持っている。 病気ではなく気質だから、 良くなる・ならないという話ではなく、理解してうまく付き合うしかない。 簡単に言うと、感情の揺れ動きをいわゆる「心」ではなく、身体で認知してしまうのが私。 喜怒哀楽というストレスを、心で感じることができずに身体で感じてしまう。 感受性は人並みに持ち合わせているのに、心がとても鈍感だということ。 さらには身体の悲鳴に

          またひとつ、宝物の出会い。

          横尾渉-「らしさ」を持って変わり続ける、人間的なアイドル

          横尾渉が気になる。 堕ちたかどうかはさておき、気になってならない。まさに#私のイチオシ だ。奥深い。 キスマイを知る前に、私が彼に抱いていた印象。 だいたいキスマイの右端にいる人。 切れ長の目の人。 あまりしゃべらない人。 いろんな資格をもっているらしい人。 いま、少しだけ分かった彼のこと。 だいたいキスマイの右端で、こっそり楽しそうにしている人。 ときどき謎のテンションで場をかっさらう人。 よくメンバーを褒める人。 嘘がつけない人。 めぐりめぐって結局、よく分か

          横尾渉-「らしさ」を持って変わり続ける、人間的なアイドル

          #自己紹介

          ちょうどよいタグがあったので、ここらで少々、自分の立ち位置というか、所在を明らかにしておきたいと思い、今更ながら簡単に自己紹介をしようと思い立ちました。必要な範囲で。 決して好きな食べ物は豆腐ですとか、好みのタイプは歯並びのキレイな人ですとかそういう話じゃないです、残念ながら。 え?だまれって言いました?言ってない?了解です。 たまに聞かれることとか、お伝えしておきたいことなんかをちょろっと書いてます。 ■ぶっちゃけジャニオタなの?答えるとしたらイエスですが、ジャニオ

          岩橋玄樹くん。そんな君がいい。

          2016年、Sexy Zoneの『Welcome to Sexy Zone Tour』で、私は彼に出会った。 スタンバイの暗転から、ライトアップと同時に見せた、 撃ち抜かれるような、ドキッとするほどキュートな笑顔。 一帯のファンが悲鳴に近い歓声をあげた。 腹をくくったプロのふるまいを目前で見て『とんでもない子がいるな』と思った。 岩橋玄樹くんだ。 何年かに一度、いる。 もう、いるだけでいいって子。 そこにいるだけで、みんなの心を奪ってしまうって子。 全国放送でカメ

          岩橋玄樹くん。そんな君がいい。

          もう、なんにだってなれる気がした

          「普通じゃない」自分で生きていくということ。 それを「強さ」だと言ってくれた人がいました。最近。 普通とはなにか。 普通の人生、普通の幸せとはなにか。 近年、よく話題になりますね。 生き方は多様化しています。 「普通」って何なんだろう。 これから先は、ますます曖昧になりそうな予感。 けれど令和2年の今はまだ、案外と「普通」の定義が残っていて、 そこから外れて生きるってのは不安なものです。 私は、誰よりも普通でありたい人間でした。 まわりと同じで良い。 まわり

          もう、なんにだってなれる気がした

          “演じる人によって全く違うものになる”役。悪いけど、期待しまくっている

          スカーレット。 信作&百合子おめでとう企画のブログで、印象的な一節があった。 あとは演じる側にお任せというあの台本を読んだ時、僕はワクワクしました。 演じる人によって全く違うものになるという部分で、これはもうやりがいしかないと思ったからです。 ト書きが少ないという水橋さんの脚本について、林遣都はこう語っていた。 彼はいままでも、役や演技について「楽しみ」「やりがいがある」と話していたけど、 同じくらい、常に悩みや葛藤を抱えていた印象がある。 もちろん、口

          “演じる人によって全く違うものになる”役。悪いけど、期待しまくっている

          嘘をつき通すと決めた日

          私が4つか5つのとき。 母がくも膜下出血で倒れ、数ヶ月入院しました。 いま、患者さんのなかに 当時の私と同じ年ごろのお子さんをもつママさんがいます。 先日たくさんお話をしました。 とても強い方で、1日も早く家に帰るためにリハビリに励んでいる。 でも、ある日。 耐えきれず私に涙を見せました。 誰にも言うまいとしていた想いが、不意に溢れてしまったようでした。 病気になった自分は、子どもに何をしてあげられるのか。 もし障害が残ったら、どうしたらいいのか。 さみしい思い

          嘘をつき通すと決めた日