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これまで、これから。 これからも。

私達の「これから」は
いつ「これまで」に変わるのか。

人生とは まさか の連続である。


2020
青天の霹靂。
多くの人達が予想もしていなかった事態に直面し、心を守ることで精一杯なのでは無いだろうか。


私は6年前に仲間と共同で会社を設立した。
立ち上げから共同経営者達と常にどうすればもっとお客様に喜んでもらえるか、従業員が働きやすい職場になるか、会社を大きくできるか、「これから」にあらゆる夢や想いを詰め込んで話し合ってきた。
それも時の経過の中でそれぞれの変化と共に少しずつ齟齬が生まれ、どうにも修復できないところに来てしまった。

苦労して積み上げてきたものがようやく花開くタイミングで手放したくなかった。ただ、そんな状態でこれからに想いを馳せる事もできなくて、とにかく必死に抵抗して何とか転ばないように倒されないようにもがいた。
しかしそうする事で結果的に状況は悪化し、今年2月半ばに会社を辞めた。


今まで手を伸ばせば届いていた身の回りにあった数々のものが失くなり虚無感に襲われたりもしたが、手にしていたから不安になり、執着していたことに気付いた。
何も無いなら、何でもできる。
転ばないことより転んで立ち上がることの方がよっぽど大事。
そんな矢先のコロナで足止めを食らったが、そもそもまさかの連続の人生の免疫力はそれなりに備わっている。

環境による制限は受けるが、それも何時どんな形で変わるかわからない。明日かもしれないし、1ヶ月後かもしれないし、50年後かもしれない。
これから変わっていくものには上手にアジャストする。

私はこれからも変わらない核となるものを改めて見つめ直した。私は本当は何が好きで、何が得意で、何を求められていて、どう役立っていけるのか。


さあ、これからの未来をどう描こう。
結局は手放した先で私は自由を手に入れた。


私の仕事の核---。


新卒で勤めた会社に歯に着せる衣を持ち合わせていない先輩がいた。
一度くらいパワハラ・セクハラで敗訴した方がいいような物言いだが、私は裏表が無く正直なところが好きだった。
いつも仲良く罵り合うような間柄だった為、尚更一度も褒められたことは無かった。

その人が会社を辞める時に真剣な顔で私に言った事がある。

「俺、この会社でまた一緒に働きたいと思う人間が3人いる。そのうちの1人が、お前。まだまだ全然仕事できねーけどな、でも間違いなく信用はできる。」

営業として求められていた数字で表せる実績や成績ではない別の部分を見てくれていた。
私は照れ隠しに先輩の真面目な顔をからかったが、今でもあらゆる場面でその言葉が私を支えてくれている。


とは言え、面倒くさいと思う事も多いし、手抜きをした事もある。言い訳を探してしまう事だってある。
それでも基本的には仕事は好きだし、働くって楽しい。
少なからず私の働きの先に喜んでくれる人がいる。


「やっぱり心真さんに会うと元気になります!」
「心真さんが担当でよかった」
お客様から頂く言葉が何よりも嬉しい。

何度か契約が決まった際に、私が広報活動の一環として配信していたブログがきっかけでお仕事をお願いしたいと話してもらった事がある。
会ったことが無くても伝わることはある。

私の核はそこにある。
そして、その基盤を築いてくれたのは他でも無い両親だ。


父が独立開業したのは20年以上も前のこと。母もそこで働いている。
相当な苦労があったようだが父からそんな話は一切聞いたことがない。何かを得意げに話すこともない。
聞いても答えらしい答えは返ってこないが、仕事の手伝いで職場に行くと目にする光景が教えてくれた。

「いつも本当にありがとうございます。」
「いつも頼りにさせてもらって、助かってます。」
「前に美味しいって言ってくれたんで、また差し入れ持ってきましたー!」

仕事の相談や打ち合わせ以外の来客がとにかく多い。
度々仕事は中断されるが、何とも温かな時間だ。

私が父を誇らしく思う時間でもある。


母は父が語らない分、言葉にして私に色々と教えてくれた。
「仕事は社会貢献で、幸せの循環」
これが母の口癖だ。
さりげない気配りと思いやりはいつも母から学ぶ。


つい最近、職場に顔を出した時母が帳簿を付けているのを目にした。
基本的には殆ど仕事はパソコンで使用しているが、それでも敢えてアナログのまま残している仕事があり、帳簿付けはその一つらしい。
母はいつものように慎ましやかにそして少し丸まった可愛らしく、それでいて丁寧な字を書き込んでいた。


効率化も最適かも取っ払って、どんな思いでこの手書きを続けるのか。
記録のためだけではなく、記憶もそこに書き留めているのではないだろうか。
と、私は勝手に思いを馳せ胸が熱くなり込み上げるものがあった。

敢えて選ぶ「わざわざ」には温かいものがある。
どれだけ実績や成績を残そうが結局人の印象に残るのは、ひととなり。


これから先何があるか、何が変わるのか。
ただ、これからも核となるものは変わらない。

私も両親のように
わざわざ、を一つでも多く持ちたいと思う。

私達の「これから」は、きっと相変わらず「まさか」の連続で不可抗力に倒れてしまうこともあるだろう。
転んだって別に構わない。立ち上がればまた始められる。

そしてその度に「これからも」変わらないものが心に刻まれる。


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