コロナで改めて思う"飲食店"と"広告"の存在意義

飲食店の価値を感じた出会い

私は忘れられない飲食店との出会いがあります。

鹿児島のリクルート・ホットペッパーに入社して間もない頃、当時23歳だった私は友人に「大事な食事のときにはホットペッパーに掲載しているお店は使わない！」と言われ、「なにくそ！」と、今までホットペッパーに掲載されていなかったような高級店に掲載していただくために、老舗、高級店を中心に飛び込み営業をしていました。

そんなときに出会ったのが鹿児島にあるフランス料理のお店「旬彩」さんです。

記憶が正しければ、当時で既に30年以上経営されていて、ちょうど移転リニューアルするときに、路面店からビルの6階に移転することもあり、新しいお客様を集客したいということで、ホットペッパーの掲載をご発注いただきました。

ホットペッパーに掲載するための写真撮影を終えたときオーナーに「せっかくだから食べていきなよ！」とワインを注がれました。

当時の私はワインが嫌いでした。

コンビ二で売っているような安いワインを飲んで「うわっ！まずっ！！！」と思っている小僧でした。

しかし、クライアントが勧めてくれたお酒を断るわけにはいけないという薩摩隼人の血が騒ぎ、エイヤ！と飲みました。

？

？？

？？？

…美味しい！！！

めちゃくちゃ高いワインを出してくれたのかと思って恐る恐る聞きました。

「これ…高いんじゃないんですか！？」

オーナーは笑いながら

「普段グラスで出してるテーブルワインだよ。ワインはちゃんと選んだら安くても美味しいモノがいっぱいあるんだよ。うちは岡山酒店ていうところから仕入れてるんだよ。」と教えてくれました。

それからというもの私はワインの虜になりました。

あれほど嫌いだったのに、素敵な夫婦が営む岡山酒店さんにボトルワインを買いに行くようになりました。
※それでも私、ワイン全然詳しくないです。ただ好きなだけです。

↓岡山酒店のオーナーです。

2017年に撮った写真なので、お店をリニューアル中で仮店舗のときに撮影したので雰囲気は全く違います。
コチラは確か倉庫として使っていたところだったはず。

旬彩さんと出会い、岡山酒店を教えてもらい、メインで飲むお酒がワインになりました。

外でワインを飲むことにハマりました。

芋焼酎しか飲まない、生粋の鹿児島人である父が私の影響でワインを飲むようになりました。

一升瓶（1,800円くらい）の芋焼酎を一ヶ月くらいかけて飲んでいた父が今では1ヶ月で2万円くらいワインに使ってて母に怒られてました。笑

今では父の方が、岡山酒店のオーナーと顔なじみになっていて、ちょっと悔しいくらいです。笑

これ、改めて考えるとすごいことだと思います。

きっと私は旬彩さんに出会わなければ「ワイン」という楽しみを生涯感じることはなかったかもしれません。

うちの父親もきっとそうです。

1つの飲食店との出会いが私と家族の”人生”に一つ楽しみを加えてくれたわけです。

現在、コロナウイルスの影響で飲食店様は苦境に立たされています。

想定していなかった事態で、テイクアウトやデリバリー、通販を始めた飲食店様も多いことかと思います。

不本意な事態かもしれませんが、これがまた新たな出会いを生むかもしれません。

普段、馴染みの無かったお店をテイクアウトやデリバリーをキッカケに知って頂いて、また新たな誰かの人生の楽しみを作るかもしれません。

実際にコロナウイルスの影響で、私はリモートワーク中心になり、家の近くのイタリアンのテイクアウトをよく利用するようになりました。

めちゃくちゃ美味しいんです。

普段飲みに行くと言ったら繁華街に出ていましたが、こうやって地元の素敵な飲食店と出会う機会も生まれました。

改めて実感する”広告”の価値

ホットペッパーにご掲載頂いた後に、旬彩さんに食事にお伺いしたときに、

「あそこに座っているお客様もあそこに座っているお客様もホットペッパーのお客さんだよ。初めてフレンチを食べるって誕生日できてくれたんだよ。プロポーズで来てる人もいたよ！」と教えてもらいました。

このとき初めて自分がやっている仕事の価値を実感できました。

これが”広告の価値”なんだなと。

実はこのときのホットペッパーの初稿を作って先輩に見てもらったら、めちゃくちゃダメ出しされました。

「全然、旬彩さんのいいとこ引き出せてないじゃん！！」と。

あーでもない、こーでもないと試行錯誤して作った広告を見て、知らない誰かが、初めてフレンチを食べた経験をしたり、プロポーズの場所として選んでくれたり。

感動した覚えがあります。

それ以来、広告の仕事に魅力を感じ、独立した今でも私は店舗様の集客のお手伝いをさせてもらっています。

今、私ができることはなにか？考えた結果、無料で掲載できるテイクアウト＆デリバリーができるお店を紹介するウェブサイト「プロの家めし」を作って世の人に知ってもらおうと思いました。

よりお店の近くに住んでいる人に情報が届くように、Facebook広告・Instagram広告も使っています。

1店舗でも多くの飲食店が生き残って、誰かの人生の楽しみの幅が広がる出会いを作っていってほしいなと思います。

また乾杯ができるその時が訪れることを願いながら、私なりのお手伝いをこれからも続けていきたいと思っています。

プロの家めし ｜ テイクアウトやデリバリーができる飲食店プロの家めし ｜ テイクアウトやデリバリーができる飲食店