無題#2

唯物論者だった私は初めて幻覚剤の効果を知った時に”見えない世界が確実に存在する”ことを体感できた。しかし見えないものがそこにあると証明することは難しい。理由は見えないからだ。人間は五感(直感などの第六感も含む)を駆使して感じ取れるものしか”存在しない”と思いがちだ。

自分で認識できる分はいいが、人に説明する時にはどうしたらいいのか?という思いが錯綜している中で”見えないが確実に存在するもの”として日常にあるものに気づくことができた。

それは”電波”だ。Wi-Fiでもいい。Wi-Fiを感知できるのはカズレーザーの掴みネタぐらいだろう。電波は見えないが確実に存在する。体質によって微弱な電磁波を感じる人もいるかもしれないが多くの人はその”五感で認知できないもの”から日々恩恵を受けている。

その他にも”空気”がある。私たち動物は意識していなくても空気を吸って酸素を取り込み、二酸化炭素を出すという行為で呼吸を繰り返している。これも目に見えないが確実に存在している。むしろ目で見えないものからの恩恵の方が多いのではないかとさえ感じる。

ものが溢れた現代に生きている私たちはどうしても物質主義的思考になってしまう。そのため”死”を真面目に考えることはできない。肉体が滅べば終わり、その先の世界はないという風に。

もし仮に輪廻転生があり、何度も生まれ変わることを”自分の魂が選択している”のなら?なぜ生まれ変わりを繰り返すのだろうか?何のために輪廻を脱せずにいるのだろうか?そんな疑問が次々と浮かんでくる。

ある者は”業(カルマ)の解消”といい、またある者は”魂の修行”という。この世界は諸行無常だ。全てのものは変化していく。つまり諸行無常もまた諸行無常なのだ。終わりのない輪廻をグルグル廻り続ける、そんな”永遠”も諸行無常なのだとしたら私たちもそろそろ永遠から脱する時が来たのではないでしょうか?


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