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”紙”食って初めてトリップした話

この記事は以前、私が書いたもので検閲に引っかかって公開停止にされた記事の複製となります。隠語を使っているので読みにくいかと思いますが、意味は各々で感じ取っていただければと思います。

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今回は私の友人が「”紙”で初めてトリップした話」を赤裸々体験談として代筆していきたいと思います。

前作はこちらからどうぞ

※この記事は友人が体験したものです。レポートをそのまま書いてるので一人称は「私」となってますがご留意ください。現在の日本で”紙”は違法な薬物となっています。この記事は薬物を推奨するものではありません。以上を理解した方のみ読み進めてください。


セッティングを整えて


私は前回の角砂糖で「”紙”の効果」を初めて体験することができた。
3回目にしてようやく扉が開いた、まさに三度目の正直ってやつだ。

効果は確かに感じることができたものの、いわゆる「トリップ」という体験はしなかった。視界はぐにゃっと曲がっていたのだが、物質の形や輪郭はこの世界にあるものの延長線だったので、訳の分からないものが見えることはなかった。

”紙”を体験するまでの幻覚というのは、急に意味不明なキャラクターが飛び出してきたり、腕に毛虫が這ってくるみたいな、漠然とそんなイメージを思い浮かべていた。

しかしこの幻覚というのは、真夏の道路上に見える蜃気楼のような、立ち眩みをした時のような、視界がブレる感覚に近いものだと分かった。

今回は前回よりも強いものにすることにした。
効果が続いているのに寝てしまうのが嫌だったたため、2泊3日の日程を組み、中日の午前中に摂ることを目標に宿を予約した。

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いざ本番


当日までに終わらせたい仕事が残っていたので朝から作業をし、時計の短針が11の文字を指した頃に摂取した。

前回は効果を感じるまで1時間ほどかかったので、摂取してから近辺を散歩することにした。この日は少し肌寒かったが天気は良かった。近くに”六波羅蜜寺”がある、まさにシンクロニシティだった。

30分ほど辺りを歩いた後、トリップに備えるためコンビニへと向かった。
自動ドアが開いて店内に入る。



・・・



体がソワソワしている、まだ30分しか経ってないのに。


強いものを摂取すると早く効果が得られることは後に知ったのである。

兎にも角にもその場で悩んでいる暇は一切ない、必要最低限のものだけ買ってさっさと宿に戻ることにした。

歩く回転スピードを上げながら宿に戻り、受付の人に軽く会釈をしエレベーターに乗り込んだ。
ここまで来ればもう安心だ。


扉が開きエレベーターから降りると、そこは既に別の世界だった。

壁の模様がユラリユラリと動いている、どうやら彩度も上がっているようだ。
明らかにそこは昨日訪れた場所とは異なっていた。


皆さんは「魔法少女まどか☆マギカ」のアニメを見たことがあるだろうか?

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魔女が出現した結界の中に入ると、そこは奇妙で薄気味悪いサイケデリックな空間が広がっているのだ。
まさにあれだった、私は結界の中にいるのだ。そう思わないと気が狂ってしまいそうな景色が私を包んでいる。

部屋のドアを開けてそのままベッドに横になる。前回とは比べものにならない。

アナコンダみたいなおどろおどろしい蛇模様が薄いスモーク状になって天井を流れている。
何だこの気味の悪い空間は?

ゲームのラスボスかなんかで通常は人の形をしているけれど、見た目を変幻自在に変えれる強キャラが、空間そのものを作り出していて、そこに囚われ抜け出せないような感覚。

まるで万華鏡の中に閉じ込められたような、楽しい・面白いというより異質で不気味で気色悪い空間だった。


何とか自分を落ち着かせようと目を閉じてみる。

しかし瞼を閉じても逃げられない、キラキラした幾何学模様が永遠と奥まで広がっているのだ。

「あぁ、何て世界に来てしまったのだろうか」
そう思いながらも私の脳裏にはあることが浮かんだ。


「この状態で自慰をしたら気持ちいいのか?」
そんな疑問がふと浮かんだ。


私は昔からそうだ。自分の知らない世界を見てみたい・体験したい、そんな好奇心だけで人生を生きてきた。私にとって興味こそが生きる原動力なのだ。

オカズが必要だと思い携帯を手に取るも、自分の見ている世界が映画のワンシーンのように感じる。携帯を見ている目線が自分のものとは感じられない。
その一人称視点を映画のスクリーンで俯瞰して眺めているような感覚なのだ。

何を言っているか分からないと思うが”サイケデリック”を体験した方は皆んな分かっているであろう。


「言葉が少なすぎる」のだ。


私が目にしたものを相手に直接イメージで送ることができれば、これほど楽で正確なことはない。ただその出来事を言葉にして伝えようとすると、まるで手を縛られた状態で食事をするかのように、制限が多すぎるのだ。
ここにきて言葉が万能でないことを私は初めて知った。

そんな気づきがある中でふと視線を戻すと、裸になった下半身がある。


「なぜ私はパンツを脱いでいるのか?」


手には携帯を持っている。そうか、自慰をするためにオカズを探していたのか。

意識が飛んでいたというと、気絶していたという意味になると思うが、そうじゃない。意識はあるけど思考が早すぎて脳の処理が追いつかないのだ。

パソコンを触ったことがある方は想像しやすいと思うが、突如何かのエラーメッセージが画面上に表示されることがありますよね。
その中でも毎回決まったタイミングで表示されるエラーメッセージが出た時は、無意識でOKや閉じるボタンを押すと思う。

あの行為を毎秒ずっと頭の中でしている感覚。
出ては消し、出ては消しの作業を無意識でしながら何かを考えているような感覚だった。意味分かんないですね、言葉って難しい(笑)


目の前には奇怪な空間が広がり、目を閉じれば万華鏡の中、ふと視線を降ろすと裸の下半身、手を見るとロック画面で止まった携帯、そして様々な思考が思い浮かんでは消える、そう私はループしていたのだ

何もできない輪廻の中、ふとロック画面が目に入る。

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”お前はどこにいるんだ?”


この画面のおかげで私は元に戻れたのだ。


気づけばナニを握りしめたまま、1時間半が経過していた。
ここまで遅漏だったのは後にも先にもこの時だけであろう。

自慰を試した結果は通常と変わらず気持ちよかった。
しかし終わった後に強烈な無力感に襲われた。
「自分は何をしているのか?」賢者タイムはいつもに増して強かった。

ピークは過ぎたが動けるようになったのは暗くなってからだった。
観光名所に行きたかったが時すでに遅く、いつもより煌びやかなネオンを見ながら街を歩いた。

続く...


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