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村上春樹『街とその不確かな壁』読了。

    • 新堂冬樹『不倫純愛』読了。

      • カフェ、読書。

        • 『夢のチャリンチャリン』#ショートショート

           チャリンチャリン♪  澄んだ高音が遠くから聞こえてくる――。 「――▢◇※△▢◇※○ッ‼」  ――ん? 「どぉぉおおおいてええええぇぇええッ‼‼‼」 「うわぁあっ⁉」  ……  そこは急な坂道で――。  真夏の陽射しが強く照りつける中、人身事故寸前の状況からその夢は始まった。  遠くに赤髪の女が「ごめんなさあい」と言っているのが聞こえる。  九死に一生を得る、とはこのことか……。  深いため息をつき、そっと胸を撫でおろした。  ――  チャリン……

        村上春樹『街とその不確かな壁』読了。

          しばらく体調不良が続いていたが、だいぶ良くなった。 寄る年波には勝てない…

          しばらく体調不良が続いていたが、だいぶ良くなった。 寄る年波には勝てない…

          意識しないと勝手に昼夜逆転する…

          意識しないと勝手に昼夜逆転する…

          『告白タイムスリップ』#ショートショート

           三十路のおっさんになって、ふと思うことがある。  あの頃に戻れたら、と。  ――  今日も学校はつまらない。  少数ながら友達はいる。  でも、彼らから俺を誘うことはない。  もし、仲間に加わりたければ、自分から入ってこいという感じだ。  それはつまり、彼らにとってその選択が安パイなだけであって、俺に対する友達としての感情は極めて希薄、親密度は明らかに低いのだ。  それでも話していると楽しくなってくるから、初めのうちは自分から輪の中に混ざりに行っていた。

          『告白タイムスリップ』#ショートショート

          『逆転バズる』#ショートショート

           俺は人生でバズったことがない。  でも、なんとなくどうすればいいかは分かる。  例えば、美女がうんこを貪り食うASMRとか、嫌いなやつの部屋にグレネード投げてみたとか、ヤクザのアジト空き巣してみたとか、警察署をハックして信号めちゃくちゃにしてみたとか。  ただ、まあ、できない言い訳が真っ先に脳裏をよぎるよね。  犯罪だからとか、需要ないからとか、迷惑だからとか、そういうのはできない自分を正当化するための言い訳だね。  でも、どっちにしてもコンプライアンス的にアウト

          『逆転バズる』#ショートショート

          『Gg』#ゲームで学んだこと

           俺はそのゲームを四年ほどプレイし続けていた。 「し続けていた」というのは、今はもうそのゲームから足を洗ったということだ。  俺がそのゲームにハマっていた理由は、オンラインのPvPだ。  つまり、プレイヤー同士で殺し合うということ。  それを四年間、続けていた。  最初は下手なやつでも、続けていると不思議なもので上手くなっていく。  それは、負けた原因を追求するかどうかとか、対人用のアイテムや装備を調えられるかどうかとか、あとはそもそものハードウェアや回線にも投資

          『Gg』#ゲームで学んだこと

          『燃える焼きそば』#ショートショート

           一旦、いろいろ焼いてみようか。  卵焼き、焼き魚、サンマの塩焼き、どら焼き、焼き肉……  腹が減ってきた。  そんなところで、ふと思うのが「焼き」という言葉の不思議さ。  日本語の特性として本質が後ろに来るから、「卵」+「焼き」だったら「調理方法」を主張しているし、「焼き」+「魚」だったら「食品」を主張しているように思う。  それで考えると、「焼きそば」は後者だ。  俺は悔しい。  もっと「焼き」に頑張ってもらいたい。  だから修飾する。 「燃える焼きそば

          『燃える焼きそば』#ショートショート

          『履歴書大掃除』#ショートショート

           師走になれば、新年を気持ちよく迎えるために大掃除をする人も多いだろう。  俺も大掃除をしなくちゃいけない。  ――人生の大掃除を。  小・中学校は地元の公立を卒業し、高校は自分なりに受験勉強を頑張った結果、偏差値もそれなりの進学校に入学することができた。  無事に卒業し、現役で名の知れた大学にも入れて、留年もせず卒業。  ここまでは順調な人生を歩んでいた。  しかし、俺は今「就活」という壁にぶち当たっている。  説明会に参加したりして、数え切れないほどの就職活動

          『履歴書大掃除』#ショートショート

          『3連ATM』#ショートショート

           私は都内に住む女子大生。    大学に入学してからテニスサークルに入って、一つ上の先輩に一目惚れした。  私は先輩に振り向いてもらうために、もっと可愛くならなくちゃいけなかった。  どうすればいいのか。  髪、メイク、ファッション、話し方、表情、しぐさ……  改善しなくちゃいけない点は、たくさんある。  でも、やっぱり一番は「顔」だよね。  私は、整形を決意した。  でも、整形にはお金がかかる。  早く可愛くならないと……先輩に振り向いてもらわないと……。

          『3連ATM』#ショートショート

          『違法の冷蔵庫』#ショートショート

           俺はぬるくなったコーヒーをすすりつつ、ネットの海をさまよっていた。  すると、ある一つの記事が目に留まる。  「冷蔵庫」  世の中にはさまざまな電化製品が溢れていて、冷蔵庫もその例に漏れない。  国内外問わず、多くのメーカーがこぞって心血を注ぎ、今や多種多様の冷蔵庫がこの世に存在している。  しかし、それはあくまで合法的な世界での話である。  「ダークウェブ」という単語を耳目に触れたことがある人は少なくないだろう。  今、俺が目にしている記事によると、  …

          『違法の冷蔵庫』#ショートショート

          『毒舌鉛筆』#ショートショート

           あーぁ、まじで世の中、一寸先は闇だよなぁ。  言わば、独房だよ、独房。  右を見ても、左を見ても、視界にうつるのは暗闇ばかり。  なーんも見えやしない。退屈すぎる。  でも、なんか肩に当たってる気がするんだよな。  あ、ほら、また。……いてっ! うあっ! なんだ!  その瞬間、昼白色の光が俺の目を突き刺した。  ――少しずつ目を開ける。  すると、脂ぎった岩のように不快な何かが俺をつかんでいる。  それは、たちまち俺を逆さにし、下側になった俺の頭を地面に押しつける。

          『毒舌鉛筆』#ショートショート