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『毒舌鉛筆』#ショートショート

 あーぁ、まじで世の中、一寸先は闇だよなぁ。
 言わば、独房だよ、独房。
 右を見ても、左を見ても、視界にうつるのは暗闇ばかり。
 なーんも見えやしない。退屈すぎる。
 でも、なんか肩に当たってる気がするんだよな。
 あ、ほら、また。……いてっ! うあっ! なんだ!

 その瞬間、昼白色の光が俺の目を突き刺した。

 ――少しずつ目を開ける。

 すると、脂ぎった岩のように不快な何かが俺をつかんでいる。
 それは、たちまち俺を逆さにし、下側になった俺の頭を地面に押しつける。
 痛いっ……痛すぎる……やめろッ!…………やめてくれぇえ!!

 しかし、俺の願いも空しく、頭は凄まじい勢いで押しつけられ続ける。

 やがて、その圧力に耐えられなくなった俺の首が、頭より先に折れた。

 加えて、鋭利な刃物でゆっくりと皮を剥がれる。

 終始、脂ぎった岩に拘束されて、なされるがままである。
 やっと独房から仮釈放され、娑婆の空気を吸えたと思えば、首の骨を折られて刃物で皮を剥がれるこの有様。

 そして、都合の良いメンヘラ女をヤリ捨てるように、またすぐさま独房に収監される。

 あーぁ、まじで世の中、一寸先は闇だよなぁ。

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