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「新設NGOの10の課題、どうクリアした?」-下里夢美のNGO航海記

tand.fmで音声配信をはじめました👏

記念すべき第1回目は…
「新設NGOの10の課題どうクリアした?」
です👏

ゲストの近藤咲さんが、Questionして、私がAnswerするという形でやらせていただきました。私がたまに間違ったことをいっており(下記に説明)咲さんは相打ちが素晴らしくて、大変助かりました…!まだ音声配信のことがよくわかっていないのですが、ゆるく続けていきたいと思っています♪

例えばこんな話をしています…
▶アラジはどうやってシード期を乗り越えた?
▶下里がガールズバーとラーメン屋で月50万円稼いでいたときの話
▶シエラレオネでエボラ禍、2年間渡航できず、200回イベント開催、1000人に出会った時の話

ゲスト


NPO法人幸縁
代表 近藤咲さん

目次

課題1:会計と税務
課題2:マンスリーサポーターさんの巻き込み
課題3:チームマネジメント・組織運営
課題4:インターン採用
課題5:ボランティアさんの巻き込み
課題6:代表のモチベーション維持
課題7:現地とどうやってやりとりする?
課題8:現地出張・駐在をどうこなす?
課題9:業務マニュアルをどうつくる?
課題10:今後のビジョン

訂正箇所

トーク内容で一部誤りがありましたので、下記に訂正させていただきます。NGOの大先輩が丁寧にご指摘くださいました、本当にありがとうございます…!…恵まれてるなぁ。

①法人税は黒字化したら最低7万円支払う【✕】
法人税は赤字でも最低7万円支払う【〇】
※黒字にならなくても、34業種の課税対象事業を行う場合は赤字でも7万円の法人税を納めることになります。

②年末に仕入れをすると、収益が減って節税になる【✕】
年末に、経費を使って節税する【〇】
※「仕入れ」は年末の棚卸資産に計上されるため、たくさん購入しても節税にはなりません。

③航空券は、事業費の特定非営利活動・その他の事業・管理費の特定非営利活動・その他の事業に4按分される【△】
※アラジの場合は、現地法人の労務・税務があるため、航空券代金を4按分していました。管理費に振り分けるのは、すべての団体さんに適用されるわけではありません。

トークで紹介した団体さん

①UNHCRさん
https://www.japanforunhcr.org/about-us/activities

②NGOの放課後(Nカゴ)

③CLOUDYさん
https://cloudy-tokyo.com/

④SALASUSUさん
https://salasusu.com/

⑤シャプラニールさん
https://www.shaplaneer.org/

⑥JANICワーキンググループ「NGO2030」
https://www.janic.org/workinggroup/57/

⑦国際協力サロン
https://kk-salon.com/

⑧『平和をつくるを仕事にする』鬼丸昌也さん
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0539409

⑨『マイクロソフトでは出会えなかった天職』
Room to Read
https://japan.roomtoread.org/

⑩NPO法人Realsさん
https://reals.org/

トーク全文書き起こし


下里「このチャンネル下里夢美のNGO航海記では、NGO、国際協力、アフリカ、シエラレオネ、社会企業などについて様々なゲストをお呼びして、赤裸々に対談・情報交換していくチャンネルになっています。今日は初めての収録ということで不慣れな点もあるんですけれども、早速初めてのゲストで、NPO法人幸縁の代表近藤咲さんをお呼びして『新設NGOの10の課題、どうクリアした』をテーマに対談形式でお届けしていこうと思います。」

下里「それでは近藤さん、まず初めに自己紹介と簡単に活動紹介をお願いします。」

近藤「はい、よろしくお願いします。NPO法人代表の近藤早紀です。NPO法人幸縁代表の近藤咲です。まだ始まったところなので自己紹介も不慣れなところなのですけれども、今日はどうぞよろしくお願いします。」

下里「はい、お願いします。」

近藤「はい、私は元々学校の教員をしていて、その後、青年海外協力隊でグアテマラという国に行ったんですけども、任期が終わってからも活動を続けていきたいなっていう思いがあってですね、今年ようやくNPO法人として、現地のグアテマラの子どもたち、勉強を続けていきたい子どもたちに奨学金事業を展開することをメインとしたNPO法人の活動をしています。はい、今日はよろしくお願いします。」

下里「はい、よろしくお願いします。今更なんですけれども、私もちょっと自己紹介をしたいと思います。」

近藤「ぜひ、お願いします。」

下里「ありがとうございます。西アフリカのシエラレオネ共和国というところで、8年間にわたって教育支援を行う日本の国際協力NGOの代表理事をしています、下里夢美です。今年31歳になりました。2歳と3歳の男の子を育てていて、今は年に1回出張しながら自宅近くの新宿事務局に通っていることが多いです。現地では、首都のフリータウンと首都から車で8時間離れたケネマ県というところでオフィスを構えて、4つの教育支援プログラムを実施しています。」

下里「はい。ではですね、今日のテーマは「新設NGOの10の課題、どうクリアした」をテーマに対談形式でお届けしていこうと思うんですけれども、咲さんから質問いただいて、私が回答を主にしていくっていうところですね。はい。」

近藤「はい。まず一番始まってですね、不安が大きいのは今度の12月で年度の締めなんですけれども、そのときにお金の管理が決算書を出すところとか、その辺の管理が私たちちゃんとできるのかなっていうのが不安で、一応必要なものは記録には取っているんですけれども、そのレシートの管理だったりとか現地の海外の事業なので海外のレシートを日本円に直していくっていう作業とか、本当に最後つじつまが合って出せるようにできるかなっていうのが、できなきゃいけないんですけれども、その辺が不安なんですけれどもお金の管理っていう面で、どういうふうにやったらいいかなっていうのは何かアドバイスはございますでしょうか?」

下里「はい、ありがとうございます。いきなり本当に多分一番大変なところかなと思うんですけれども。まず初めに、やっぱりNPOそれからNGOって本当に新設がすごく少なくなってきていて、でも一番はやっぱり新規参入することの難しさ、お金、ファンドレイジングの難しさとか、マネジメントするのにすごく時間がかかるっていうことがあるかなと思っていて、組織と財源と事業で全く違う3つの分野をまずはもう全部1人でやることになるっていうのが最初。で、財源ファンドレイジングをしようと思っても、事業での実績がないと集められなかったりとか、助成金もらおうと思っても結構苛烈な競争が繰り広げられてたりとか、組織の事務局能力とか実績がないとなかなかもらえなかったりとか、事業をしようと思ってもお金がないっていう三重苦からスタートして、全然よくわからないお金の管理、税金とか労務とかをまず理解するところから始まるっていうところですよね。」

近藤「そうなんですよ。税金とかの話が出てくるともう本当に怖いというか。元々やっぱり公務員なので、全部おまかせしてたんですよね。何にも自分でやってこなかったから。どうやって社会がそういう税金の仕組みで動いているんだ、税金関係で支払いするところなのかとかもあんまり元々の知識もないので、なんか本当に恐ろしいです。今からが。」

下里「私も恐ろしかったんですよね、すごいやばかったです。なんか、最初税務署から封筒が来て、何回読んでも何してほしいのか全然わからないっていうところですよね。」

近藤「そう、単語がまず分からないというところからまず始まるんですよ。」

下里「税理士さんの名前を書くところに名前を書いて提出しなきゃいけなかったんですけれども、それも全然。最初って私の旦那さんの支倉、支倉の方はもう15年以上会社を経営しているんですけども、色んなことを教えてもらいながら、何なら税理士さんも紹介してもらいながらやってたんですけども。」

近藤「そっか、でも身近にそうやって聞ける方がいるのは強いですね。聞くしかないですよね。なんかもう。聞くか勉強するかしかないはずなんですけれども。」

下里「まず、その事業年度が多分、いきなり4月1日から始められる訳じゃないと思うんですよね。で、年度、例えば4月1日にします、3月31日で締めますってなると、多分その5月6月とか真ん中ぐらいでスタートすることになると思うので、それはその前のレシートとかも全部取っとくっていうことですよね。で、自分が持ち出した分は、年度末までに自分に立て替えてるお金も自分に対して清算するっていう動きとかがあるはずですね。とにかくレシート全部取っといて、最悪エクセルで全部、最悪って変ですけど言い方。最低でもエクセルで全部帳簿を付けといて、口座の中でどういう動きをしているかと自分が持ってる、手元にある小口がどういう動きをしてるかっていうことを確認するのと、あと会計freeeってすごい便利なソフトがあって、結構NPOでもクレジットカードを作れるのでクレジットカードの帳簿はfreeeの画面で見るとかそういうことをしてたんですけども、結局私たち(アラジ)の場合は、現地の特定非営利の事業だけじゃなくてその他の事業、アフリカ布の物販事業とかもやってるので、その他の事業があったので、どうしてもちょっと自分たち自力で清算するの難しいってことで1期目から税理士さんに入って貰っていて、1期目の頃は全部帳簿とかエクセルとか資料とか全部お渡しして15万円ぐらいで決算書を作ってもらって、今はちょっと1000万円超えてるので15万以上払ってるんですけども、そういう体制でやってましたね。とにかく帳簿をつけるところは自分たちでやってました。はい。」

近藤「そうなんですね。NPO法人にする前にも夢美さんにご相談させてもらったときに、やっぱり物販があるとすごく会計がまただいぶ変わってきたりとか税金も変わってくるよっていうお話聞いて、一旦それは最初はそれはなしで、そういう事業収入はない状態で進めようとは思ったものの、それでもそうすると税理士さんはなくても自分たちできる範囲だよって言われ、他の方からも言われたんだけれども、逆に自分たちでやろうと思うと誰に聞いたらいいんだろうってなって、不安がまたそれはそれで大きいっていう感じなんですよね。」

下里「そうですね。一応収入事業も、法人税って黒字になると最低でも7万払わないといけないんですよね。(黒字にならなくても、34業種の課税対象事業を行う場合は赤字でも7万円の法人税を納めることになります)収入事業で例えばアフリカ布の物販やります、グアテマラの商品売りますとなると、そこが黒字になると7万は払わなきゃいけないんですよね。黒字が確か24万とかって超えてくとその7万がどんどん上がってくんですよね。なので、3月とかになっていっぱい経費使って仕入れやったりとかして調整する団体さんとかも、全部の事業で本当にNPOに限らずあると思うんですけど。とにかく、法人税は黒字になっていればもう払うもので、さらに、その他の事業が黒字じゃないとやる意味ないってなっちゃうので。」

近藤「そうですよね。」

下里「その他の事業が赤字だと集めた寄付を使ってその他の事業をやって、その他の事業で集めた、黒字になったお金を特定非営利活動をやるために振り分けるっていうのがNPO会計なので、赤字になったらやる意味ないので、なんとか黒字でやってくっていうことでアラジも結構苦労してるんですけど。その中で、やっぱり法人税っていう部分だけではなくって、例えば飛行機乗ってシエラレオネ行きます。その航空券代って事業費と管理費にまず分けられて、さらに支援をするための特定非営利活動にも案分されるし、アフリカの事業やるためのその他の事業にも案分されるので、航空券を単純に4分割しないといけない。で、4分割したのを帳簿にそれぞれ振り分ける。で、分割を何対何にするとかって総会とかで根拠を決めて、みんなで納得してもらえば良いと思うんですけど。(航空券代を管理費に含めない団体さんもあります。アラジの場合は現地法人の法務・労務をやるために振り分けています。)」

近藤「根拠はやっぱあるんですね。そっか、説明できなきゃいけないのか。」

下里「そうですね。根拠はやっぱりその事業に対してどのぐらい力を注いでるかと、それに対して収入がいくらだったかとかで多分根拠を決めればいいと思うんですけども、その収入事業にすごい割り振ったら、それってビジョン達成してるのって多分なっちゃう。と思うし、分割とか多分自分たちでやり出すとめちゃめちゃ大変なので、もう1期目からやっぱ税理士さんがいなきゃちょっと無理だなって思ったっていう。」

近藤「そっか、税理士さんがいらっしゃったらそういうことも相談できるってことですよね。」

下里「そうですね、はい。」

近藤「なるほど。」

下里「あまり大きく黒字になってるわけではないですけど、アフリカ布の雑貨の販売事業っていうのは。ただ、ボランティアさんがアラジにはたくさん登録してくださっていて、ボランティアさんが土曜日に事務局に来てもらっていろんな手作業やってくださったりとか、いろんな他のイベントとか、ブース出展、グローバルフェスタとかアフリカ関連の大きなイベントとかにも物販販売とかっていうことができるので、ボランティアさんが生き生きと活動できる場所であったりとか、そのものを持っていることによっていろんな口コミをしてくださる方が増えたりとか。実物があることによって実感できるとか、何かそういうことをやっていきたいなと思ったので一つの手段として物販をしてるんですけども、物を売ることを目的には多分できないので、難しいとこだなと思います。」

近藤「そうですよね、やっぱその辺の判断というか決断力みたいな、こういうビジョンで物販のところはここまでやるみたいなところも必要になってくると思うので、今は私のこの団体の規模ではそこまで考えられる時間や体力がないので、一旦なしでやってる形なんですけど。でもまあ、この先そういう可能性もあるなというふうには頭の中では思ってるんで。なんかちょっと今既にやられてる方のお話聞けるのはすごいありがたいですね。」

下里「そうですね。逆に、その物販が盛り上がってしまうと、認定目指せなくなったり維持できなくなったりとか、なんか色々それはそれでややこしいことになるので分社化してるところとかありますよね。数年経って、もう事業の方も大きくなったので分社化しますっていう団体さんもあるし、分社化を目指されてる団体さんとかもあるかなと思います。そもそも分社化してるっていうところとかもありますね。分社化したところで言うと、かものはしさん、SALASUSUさんとか、そもそも分社化してるってなると、CLOUDYさんとかがそうかなと思いますね。」

近藤「分社化して別でやってるけど、その売上金をその物販の会社がこっちのNPOに寄付するというような形にすれば、もうちょっとシンプルにできるってことですよね。」

下里「そうですね。CLOUDYさんとかはまさにそんな形でやっていて、商品のタグに『NPOの方に寄付されます』ってのが付いてて、それが素敵って思って買われる方とかもいらっしゃるそうですね。はい。」

近藤「そうですよね、もし目指すとしたら一旦そっちかな。」

下里「それはそれでなんか大変ですよね。両方やるっていうのもなんか大変で、ちょっと答えがないんですけども。」

近藤「でも、まず私は物販というよりは本当にアラジさんみたいにファンドレイジングのところで、この自分がたちがやってる事業に価値を感じていただける方にサポーターになってもらいたいなとは思うんですよね。マンスリーサポーターだったり、単発でも構わないんですけど資金の協力をしていただけるような呼びかけをしていきたいんですけど、それをファンドレイジングって言うんですよね。」

下里「そうですね。」

近藤「って言うと思うんですけど、そこがもう全然できてなくて。本当に、それがお金の関係でいくと一番の課題だと思うんですけど。」

下里「そうですね。なので、その事業と財源が割と違う動きしてるっていうのがNPO特徴かなと思っていて。」

近藤「なるほど。」

下里「本当に、サービス、商品売るとかサービス提供するっていう事業が財源と結びついてないので、ファンドレイジングはファンドレイジングで割と違う動きをするっていうのが。」

近藤「確かに。そうか、普通のビジネスはそこが同じ道の中にあるんですもんね。」

下里「そうですね、全く違いますよね。全くとは言えないかもしれないですね。ファンドレイジングする中で啓発活動もやっぱりしてるので全くとは言えないかもしれないですけど、割と大変っていうのが、やっぱそれも新規参入が少ない理由の一つかなと思っていて。
何か実際どんなファンドレイジングをやりたいかとかって多分団体さんによりけり。マッチングするファンドレイザーあるかなと思うんですけど、どんなことを考えてらっしゃいますか。」

近藤「そうですね、私たちの団体の名前が幸縁(しえん)って言うんですけれども、幸せの縁って書いて幸縁という風に名付けたんですけど。そこに込めた思いっていうのは、普通の支える援助の支援だけではなくて、その上下関係を作るような一方的なものではなくて双方にもらうものがあるっていう、受け取れるものがあるっていう関係にしたい、ご縁を大事にしたいっていう風な意味合いを込めて付けたんですね。なので、私たちはそこをすごく大事にしたいので、本当に頂いて終わりという感じではなくて、頂いている、サポートしてくださっている方に何か歓迎されるものを創っていきたいというのが一番強いんですよね。なので、本当に多くの方に支えてもらいたい気持ちはあるんですけれども、まずは何か本当に支えてくださるお一人おひとりとの繋がりをすごい大事にしたいなっていう風に思っている団体なので、月々サポートしてくださる中で月毎に子どもたちの成長を見ていただけるような機会をこちらからも提供したりだとか、そういう風にしたいなというのが理想なので、出来ればやっぱりマンスリーサポーターだったり、年間で継続して長く応援してくださる方にサポートしていただきたいなというのは思っているんですよね。だから、マンスリーサポーターっていう形のご支援を増やしていきたいなというのはざっくりあるんですけれども、全然土台が整ってなくて、今。」

下里「今結構、うちも事業収入の半分はマンスリーサポータ―さんからいただいてるんですけども」

近藤「そうなんですね。」

下里「元々そういう形でやりたいっていうのを目指していって、本当に月いただくお金が1万円とかっていうとこからスタートしていて、今は50万円以上の月の収入もマンスリーサポーターさんからいただいたんですけども。年内に100万円ぐらいにしたいなっていう目標はざっくり立てていて。」

近藤「支援者数でいくと何名ぐらいの方が月々のサポーターとしていらっしゃるんですか?」

下里「人数は今310名前後ですね、はい。」

近藤「すごーい!!マンスリーの人たちが?」

下里「そうですね、はい。」

近藤「すごいですね。その数字だけでめちゃくちゃ励まされそう。だって、バックにそれだけ応援してくださる方がいるって思うだけで、めちゃくちゃエネルギーになりますね。」

下里「何かでも、最初はやっぱサポーターさん集めるってのがくじけそうでしたね。やっぱ最初って。」

近藤「そうですよね。やっぱりこっちから「お金をお願いします」っていうような言い方ってちょっと発しにくいじゃないですか。だから、私たちは子どもたち、夢美さん達もやられてる形を取らせていただいてるんですけど、里親さんみたいな形で子どもたちの1人に対して1人のサポータ―さんがいて、1人の子どもに対して1人の方が応援してくださるっていう形にしてるので、今で言うマンスリーサポーターっていうと子どもの支援してる人数分ですので本当に数名なんですよね。8名ぐらいになるんですね、人数になると。そこの時点なので300と聞くと「すごー!!!!」みたいな感じに思いますけど。」

下里「そうですね。最初の頃を結構思い出したんですけど、今。やっぱ最初集めるのはすごいやっぱ怖かったですね。なんかもう恐怖っていう。ずっとクレジットカードで自動的に引き落とされるし、今辞めたいとか思ったことないですけど、もし何かあったときでも簡単には止められないですし、募集することもちょっと怖かった時期とかもあって、活動初めて2年ぐらいはやろうかなと思ってできなくて、集め始めて1年ぐらいも恐々やってたっていう感じです。最初の年7人ぐらいからスタートして。」

近藤「夢美さんもそこから始まってんだ。」

下里「そうですね。」

近藤「ちょっと安心した。」

下里「やっぱり、一番最初の頃ってもう活動知ってる人とか、シエラレオネにすごくこだわりがある人、シエラレオネ行ってましたとか、家族がシエラレオネ人ですとかそういう方が集まって来てくださって、私のこと元々知ってる方とかに私がお願いするとかっていうパターンとかもあって、親戚のおじちゃんもいるし、家族もいるしっていう。」

近藤「身内みたいな感じ。」

下里「そうですね。で、ある一定まで人数集まってくると、例えば100名とかってなるとやっぱファンディングするときにそれだけですごく見栄えがいいんですよね。もう100人いるんだっていう安心感とか信頼感とかを最初の100人の方に作っていただいて。そこからってすごく早くて、マンスリーファンディングとか結構やったんですけど、”アラジ”だからとか、”シエラレオネ”だから”アフリカ”だからじゃなくて”国際協力”だからっていう理由で寄付先として選んでもらえるっていう方もたまにいらっしゃったりとか、そこまでずっと続けてきた私のSNSとかを見てて、支援してくださる方とか、続けてきたっていう継続してきたっていうのも見ててサポートしてくださる方とかも出てきたなっていうところですね。お願いもするんですけど、「お願いします」っていう申し訳ない感じじゃなくて、「寄付できますよ」って言ってますね、結構。」

近藤「あちら側から、自ら。」

下里「そうですね。『寄付先探してますか?うちに寄付できますよ』っていうふうに、『うちに寄付すると課題変えられますよ』っていうふうに。」

近藤「なるほど、言い方が変わってくるんですね。」

下里「そうですね。ちょっと変えました。ファンドレイジングチームもできて、みんなでちょっと発信の仕方を変えて寄付先として選んでいただけますよっていうふうな発信にしましょうっていうふうに変えましたね、そこを。はい。」

近藤「なるほど。でも、夢美さんも最初は7人だったって聞いて、ちょっと頑張れる気がしてきました。」

下里「そうなんですよ。本当、その2年目とかも多分20人とかだったんじゃないかな。」

近藤「そうですよね。だから、やりたいことは色々あるんですけど、やっぱり現実問題を考えるとお金の基礎、ベース、基礎固めというか土台固めが必要だなってすごい思うんですけど。そうすると、今の私の力じゃ全然無理だなって思っちゃうんですけど、本当に年々少しずつサポーターを増やしてったりとか、夢美さんみたいに本当にとにかく行動されてるじゃないですか。そういうふうな姿を自分が目標にやっていけば、そういう何百人という数もいつか達成できるのかなっていうふうにちょっと夢を見させてもらいました。」

下里「はい、ありがとうございます。だって、マンスリーサポーターさんとか本当に多分大手のNGOさんとか、国連のUNICEFさんとかUNHCRさんとかも今マンスリーの寄付に結構大々的に切り替えてるというか、そういうラーニングページも増えてきましたし。結構びっくりしたのが、街頭募金で現金絶対受け取らないようにしてるっていう。UNICEさんとかUNHCRさんとか現金絶対受け取らないで、テント張って、そこにマンスリーサポーターの募集をしてる人がずっといる。」

近藤「受け取らないんですね、それは。」

下里「そうですね。ちょっとここで言っていいかわかんないですけど、現金持ってるとかちょっと管理は大変ですよね。バイトさんがやられてるっていうことで、ちょっと案には言わないんですけども、大変みたいな話はちょっと聞きますけど。」

近藤「あー、確かに。」

下里「マンスリーサポーターにその場でなっていただいてる。クレジットカードでその場で決済できるし、機械とかあってっていうふうな話ですね。なんせ、サポーターさんを集めて継続してもらうっていうのは、多分最初になってもらうよりかは継続してもらう方が難しそうな気はしますけど、持続可能な運営としてはすごく注目されてるなって思ったりします。はい。じゃあ、そろそろ違う話題に行きます。」

近藤「はい、そうですね。すみません。もうここだけであと2時間くらいいけそうですけど。」

下里「そうですね、はい。」

近藤「色々他にもあるんで、ぜひ次のトピックでもよろしいでしょうか。」

下里「はい、ぜひよろしくお願いします。」

近藤「はい。お金の次に頭を悩ますってかこっちの方がより今は深刻かもしれないんですけど。私がやっぱり言い出しっぺというか、やりたいっていう気持ちで始めたこの事業なんですけど、やっぱり1人じゃできないこともたくさんあるからいろんな方にお願いしたりとか、今だったら団体にしたことでチームみたいなものがあるんですけれども、やっぱうまくチームを作れてないなっていうのとかだったり、私が上手に人にお願いすることができてなかったりとか。自分自身がどうやって組織を作ったらいいかっていうのがイメージできてないところから、何か組織運営って難しいなってすごい思ってるんですけど、アラジさんみたいに大きな活動をしていくには、どんな、すごい質問がざっくりしすぎてるんですけれども、何かアドバイスはありますでしょうか?」

下里「リーダーシップとか責任感っていうのは、多分私の中では、すごい個人的な意見ですけど私の中ではそれが強すぎて、なかなか仲間に振れないっていうのは多分もう3年4年目ぐらいまでは多分ずっとそういう状態、全部自分でやっちゃうみたいな。ほんと最近ですよね、非常勤のスタッフが3人入ってきてくれて、インターン生が3人か5人常にいるっていう状態で役割分担をしてきてる、できてるのかな?やり始めてきたって感じなんですけども、すごい難しいですよね。多分コミュニティ運営でも組織運営でもやっぱそうだと思うんですけど、代表が圧倒的にコミットしないと周りは動かないのかなって思う部分もありつつ、やっぱりチームのメンバーを集めようって思ったときに、おそらくというかすごい自己流の考え方なんですけど、指示出してまんべんなく作業ができる人よりもリーダーシップがある人に入ってきてもらった方がいいと思います。」

近藤「んー、なるほど。」

下里「すごい業務ができる人とかすごい頭良くて言われたこと全部できちゃう人よりかは、リーダーシップがある人に入ってきてもらった方が多分最初は」

近藤「リーダーシップ?みんなの士気を高められたりする人ってことですか?」

下里「ちょっと抽象的であれなんですけど、そうですね。例えば何かイベントやりますってときに、うちはマニュアル作って、その通りにイベントページ作って広報を進めてくださいって多分やってくと思うんですけど、そのときにリーダーシップがある人にならゲストの方のやり取りとか、ここで司会進行やる人、タイムキーパーやる人って多分どんどん割り振っていけると思うんですよね。そのときに、リーダーシップのある人ってイコール多分責任感のある人なので、失敗してもいいんですけど、失敗したときに自分が責任を取ろうって思える人だとそもそもその失敗をしないようにするので、失敗する可能性、ケアレスミスとか失敗を未然に防ぐ力がすごい強いですね、リーダーシップがある人って。なので、うちの場合はまだまだマニュアル作って、この通りにできますよっていうふうに任せちゃうことが多いんですけど、おそらくリーダーシップがある人だったらどんどんどんどん役割を手渡せるようになるから、それに比例して代表ができることもどんどん増えてく。なので、どんどん仕事を譲れる人がリーダーシップがある人なのかなって思います。」

近藤「夢美さんはそういう方とこで出会ってるんですか?どうやって呼びかけたりとか、それこそ『やってもいいですよ』って言ってもらったとしてもその人にお任せしようって言うまで見極める時間もあるのかなと思うんですけれど、どうやって出会ってどうやってお任せしてて。」

下里「そうですね。いきなり有給スタッフにするのはちょっと難しいですよね。なので、インターンとか最初にやっていただくのがすごくいいと思うんですよね。それこそ多分、正社員とかうち雇ったことなんですけど正社員とかってもうクビにできないので、こっちからやっぱりやめますって言えないし、雇われた人は1ヶ月で辞めれるんですけどこっちからは言えないので、やっぱそういうのを見極めるためにもインターンとして最初来ていただくっていうのがいいのかなと思うのと、やっぱリーダーシップある人ってリーダーの経験ある人なのかなと思います。はい。」

近藤「なるほど。」

下里「みんなに必要なスキルでもないと思うんですけども。そうですね。」

近藤「そうですね、なんか。ボランティアとインターンっていうのは違うんですよね?すみません、変な質問かなこれ。」

下里「うちの場合は、」

近藤「インターンは全然うちは今は話題に出ないんです。というか、みんな空き時間にやってる事業なので、私も含め。これがメインで今この事業にコミットできてない状態なので、インターンていうポジションはいないんですよね。」

下里「うちの場合は、」

近藤「ボランティアで関わってくださる方はいるんですけども。」

下里「はい、そうですね。インターン生だと3ヶ月のボランティア体験っていうふうに書いています。」

近藤「期間はしっかり決めて。」

下里「で、その代わりインターンって選考本当にすごく厳しいわけではなくて、インターン申請のフォームに入力してくれる時点で『元々アラジのこと知ってた』とか『ビジョンに共感した』っていうところを見ていて、実務的なスキルとかはあんまり、全く求めてないのと、自分で参加できる時間は原則決められる。それを縛ったりしないっていうのが原則。絶対この時間に来なきゃいけないとかって縛ったりしないで、自由な時間に参加するっていうのを決めてるんですけども。なので、それ終わった後にどうしても残りたいとか事務局との兼ね合いとかがあれば、有給スタッフになることもできる。ただし、選考はもうちょっと厳しくなるっていうようなスタンスでやってますね。ボランティアさんの場合は本当に様々な方がいて、自分の空き時間で作業したいっていう方とか事務局来てやりたいって方とかオンラインでやりたいって方もいれば、ファンドレイジングチームで寄付者さんの統計の分析とか、広報に関わりたいって方もいれば、WebでWebデザインの専門スキルがあるので団体のホームページの中に入ってPHPとかCSSをいじったりとか、そういうプロもの的な関わりをしてくださる方とかもいます。」

近藤「なるほど。すごいな、そういういろんな方がやっぱ関わってアラジの活動って作られてるんですね。」

下里「そうですね。ボランティアさんをあえてボランタリーな活動に注力しないっていうことを選択される団体さんもいれば、やっぱり市民の参加を活発にしようって思われる団体さんもいて、本当にそれぞれだと思いますね。」

近藤「なるほど。でもそこのインターンの方に、例えばボランティア・インターンの方にこれをお願いするって判断とか決めるのは夢美さんなんですか?」

下里「そうですね。インターン生って結構、一番下だと19歳から上が33歳とか。うちだとまだシニアの方とか来てないんですけど、年齢は多分19歳から23歳の年代ってすごいやっぱりパソコンスキルとかには差があるので、1人1人やりたい希望を1位から5位までつけてもらって、できる限りやりたいことやってもらうっていうスタンス。で、現地の業務とか現地のミーティングとかはもう、持ってる英語のスキルによるっていうことですね。はい。」

近藤「なるほどなるほど。はい、わかりました。」

下里「はい。なんか全然答えになってるかわかんないんですけど。」

近藤「ここに関しても聞きたいことは山ほどあるんですけどね、どうしよう。」

下里「全然聞いてください。」

近藤「いいですか?」

下里「はい。」

近藤「もうちょっと聞いても。組織運営というかですね、ちょっとテーマずれるかもしれないんですけど、そもそも私が自分自身の管理、組織運営の前に自分のメンタルのことだったり自分の予定の管理だったりっていうのが今本当に課題で、組織運営もそれに関わってると思うんすけど、自分の時間がしっかり考える時間とかビジョンに対してこういうプロジェクトを作ってこうとか、そういう時間が今ちょっとなかなか取れなくてですね、そういうのが難しさもありますし、予定を管理、自分の時間とその団体の予定を管理する中でなかなか全部1人でやってるとぐちゃぐちゃになってきちゃって、私って今何やればいいんだっけみたいな状態になるんですよね。で、なかなかタスクがこなせてないから色々溜まっちゃって、私がもう疲れてきちゃうっていうようなサイクルがあるんですよね。なので、まず何だろうな。自分の予定調整だったりとかと、強いメンタルで突き進んで突き進み続けるにはどうしたらいいんだろうっていうことを思いますが、何かアドバイスはございますでしょうか?」

下里「はい、そうですね。ごめんなさい、さっきの質問でちょっと一個回答し忘れたことがあって。」

近藤「はい。」

下里「ごめんなさい。アクティボさんっていうボランティア募集出来るサイトがあって、」

近藤「聞いたことある!」

下里「そこ登録したら、めちゃめちゃ申請がくるようになって」

近藤「ボランティアのですか?」

下里「そうですそうです。なので、一回来すぎちゃって止めてる状態なんですよ。」

近藤「へえ、そうなんだ。」

下里「本当にオンラインでできるとか事務局に直接来るとかでもすごいたくさん募集が来ますし、Webデザインとかでも1ヶ月に1人ぐらいは来るので、多分最初にイベントとかバナーとかチラシとか多分すごい作る大変だと思うんですけども、割と『自分の力を寄付したい』『デザインを寄付したい』っていう方とかもいらっしゃるなと思ったりします。うちは結構Canvaで作ったりしてるんですけど。」

近藤「本当にね、広報とかのチラシも自分でやれって言われたらやれなくはないんだろうけれども、自分センスに自信がないですし、やろうって時間をとっていざやるっていうところまでなかなか行けなかったりとかするので、本当にそういうのが得意な方とかがやってもいいって言ってくださる方がいたら本当にありがたいなと思うので、今の情報はありがたいです。」

下里「厳しいですよね。デザインの知識つけるのとかって多分自力だとすごい難しい。私も結構デザインの専門学校行ったりとかしたんですけど、最近ちょっとNGOの放課後って有志の集まりがあって、そこでCanvaを使ったデザインの講座をやったので、もし見たかったら差し上げます。」

近藤「ありがとうございます、ぜひ。」

下里「はい、ちょっとNカゴの方にも相談して差し上げられたら差し上げます。」

近藤「ありがとうございます。」

下里「はい。ごめんなさい、さっきのちょっと話前後するんですけど予定の管理とメンタルってとこですよね。本当に自分の昔、二足のわらじを履いたときを思い出すんですけど、本当に最初2年間ぐらいフリーターでしょうね、もう。フリーターでフレンチ料理屋とラーメン屋さんでバイトしてました。あと、1か月ぐらいガールズバーで働いてました。」

近藤「うそ!」

下里「これちょっとあんまりSNSとかに書いてないんですけど。最初はフレンチ料理屋でやってて、NPO作るっていうタイミングで辞めて。でもやめたんですけどやっぱり全然収入なくて最初、生きてけないってなってちょっとガールズバーで働いたんですけど、ガールズバーは楽しかったけど、なんか向いてないなって思って。向いてないというか何か、すごい面白かったですね。立ってる女の子たち、水商売と言ってもお客さん触ったりとかできないのでそこは大丈夫だった、なにが大丈夫なんだって感じなんですけどそこは別にって感じなんですけど。一緒に働いてる女の子とかがすごいみんな夢持ってて」

近藤「えー、そうなんだ。」

下里「やっぱり歌手になりたいとかタレント活動してるとかって方もいたし、いろんな職業の人がいたんですよね。それで今頑張ってるっていう。なんでそこに入ろうと思ったかというと、キャバクラでずっと働いててそこで貯めた資金とかお客さんから援助してもらってそば屋を立ち上げたっていう女性のテレビ番組を見て、それにめっちゃ感化されて自分もガールズバーだと思っちゃったんですよね。時給もちょっと良かったのかもしれないですね。」

近藤「うんうんうん。」

下里「あまりにもやっぱ自分にお客さんと話すのが、周りの女の子と比べたらそんなに上手じゃなかったので。でも、1人ラーメン屋さんで、隣の隣のすっごい近くのラーメン屋さんで今働いてるよってお客さんとすごい仲良くなって「ラーメン屋さんでバイトしなよ」って言われて、「夢ラーメン屋さんの方が向いてるよ」って言ってくれて、元々ずっと飲食やってたのでそこ入ってすんなり馴染んで、そこで2年くらいやってたんですけどほんと思い出しますね。賄いとか食べれてよかったんですけど、ラーメン1日3食とか食べて」

近藤「体大丈夫でした?」

下里「若かったから大丈夫だったんですけど。病院連れてってもらったりとか」

近藤「めっちゃ可愛がってもらってましたね」

下里「バイト終わった後コンビニ寄ってご飯買ってもらって帰るとか、バイクで送り迎えしてもらうみたいなめちゃめちゃ甘やかされてやってたんですけど、その時って本当にやっぱ時間なくて。なんか多分、めちゃめちゃ稼いでたんですけど、1ヶ月で多分団体と合わせたら50万ぐらいは自分のやってる、イベントとかやったんですけど当時は。多分そのぐらい収入があったんで、今じゃちょっと考えられないんですけど。」

近藤「何のときの?ラーメン屋でですか?」

下里「ラーメン屋とガールズバーのときの収入ですね」

近藤「えー!すご!!!!えー、まじで!」

下里「働きすぎっていう。もう本当に今だったらできないです。」

近藤「まって、でもそれだけじゃなくてそれやりながらアラジのことやってたんですよね?」

下里「そうですそうです!」

近藤「え、ちょっと信じられない。」

下里「本当に頭おかしくて、朝5時に終わって、5時だと現地の現地人スタッフって起きてるので。まあ酔っ払いですよね、ガールズバーだからお酒飲んで。そっからミーティングしたりとかやってわけわかんないことやってたんですよね。」

近藤「考えられない。すご、寝てました?」

下里「でもなんか、寝てたんですけどね。なんかでもやっぱり全然時間がやっぱなくて、その事業をちゃんとクオリティの高いものにするとかやったことに対して反省する振り返るとかっていう時間が全然ないまま何か突き進んでいたっていう感じ。で、一番最初にお給料を貰うようになったときは月7万円の役員報酬をもらい始めて、所得税とか限りなく低いというか保険料とか無かったですね。7万だと無いので、免除されてた時代とかって。そこから徐々にラーメン屋さんのバイトを減らしていって、徐々に団体の時間を作るようにしてっていう感じでした。」

近藤「合計、ラーメン屋さんではどれくらい働いてたんすか?何年間」

下里「2年ぐらいですね。」

近藤「でも2年間の中で段々移行してたんですね、そのスタイルを」

下里「そうですね、段々段々少しずつ。そうですね。最初なぜその事業をすぐ始めなかったかっていうと、大学卒業してすぐシエラレオネの航空券を買って行こうとしたんですけど、エボラ出血熱が始まっちゃって。エボラって、今コロナの致死率って0.1%ぐらいなんですけど、多分それより低いくらい。コロナって50%ぐらいの致死率なんですよね。コロナじゃない、エボラって50%ぐらいの致死率なんですよね。もう、とてもその入国も禁止っていう感じになってしまって。だからもうフライトもないっていう状態。コロナの時ってフライト全然あったんですけど、そもそもフライトがないっていう状態になって鎖国みたいな状態で2年間行けなかったんですね。その2年間の間に、でも何かやりたいって気持ちだけはあったのでシエラレオネのことを啓発するイベントをやろうって思って、だけどシエラレオネって誰も知らないし何なら言えないしっていう状態。」

下里「私は夢美さんに出会って初めてその国の存在を知りましたよ。」

近藤「いや、そうなんですよね。なので、日本の若者の夢を応援するイベントを開催しようと思って、夢プレっていうやつとソーシャルドリームコンテストってのをやってました。夢プレって言うのは5人ぐらいのプレゼンテーター、社会起業家とかが集まってプレゼンをする、少人数20人ぐらいの会を月に2回ぐらいあって。ソーシャルドリームコンテストは、結局計3回やったんですけど1年に1回100人以上が集まるっていうコンテスト形式。で、その収益はシエラレオネのエボラ出血熱の活動に使われますよっていうようなことをずっとやってて、結局3年ぐらいで200回イベントを開催して」

近藤「3年で200回って、結構さらっと言いましたけどものすごい数ですね。」

下里「当時ってオンラインのイベントって全然なくて、会場借りて集まってっていうイベントをずっとやってて週1くらいで」

近藤「それラーメン屋と同時並行ですよね?」

下里「そうです。ラーメンと同時並行です。最初はフレンチ料理屋と」

近藤「時間をどういう使い方したらそれができるんだろう?すごい。」

下里「で、対面で3年で1,000人の人と会って。でもそこって、シエラレオネ行ったことないのになんかずっと行って何かやりたいって言ってる女の子がいるみたいな感じ、多分。知られていって、シエラレオネ行き始めてから『お金足りない』とかっていう投稿とかしても、それに対して支援してくれる人とかが現れて」

近藤「なるほどなるほど」

下里「でも最初からNPO作ろうと思ったので、寄付のメニューは正会員費1万円っていうのを作って、それを何回か払ってくださってる方に最初理事なってもらったっていう感じでしたね。それは、2017年くらい。はい。」

近藤「なるほど。いや、すごいですね。やっぱり行動するこの土台があったからこそ、今の支援者さんの数なんですね。」

下里「そうなんですよ。なので、予定の管理とかっていうと管理してなかったですよね、もう。もう、生きてるままに行こうとしてましたその時って。」

近藤「私の今の葛藤というかやってて初めてわかったんですけれど、このNPOというか、何か海外の支援事業をするにしても、いただいたお金はもう全部向こうで使いたいって思ったんですよね。日本は日本で職を探せば仕事もあるしお金を稼ごうと思えば稼げるけれど、あっちはそういう状況じゃないんで、せっかくいただいたお金なら100%そのいただいたお金を現地で落としたいっていうのが私の最初思ってたことなんですよね。今も私達の団体はそういう形になっていて、誰も報酬を受けてなくて本当に全員が全員ボランティアで想いだけでやってるんですけれども、そうなるとやっぱり私自身の収入がないと自分自身はやっぱ続いてかないから、別に仕事をすることになるじゃないですか。そうすると、今度そっちでエネルギーを使っちゃって、エネルギーと時間を使っちゃって事業の方に自分はやっぱ体力とかエネルギーを使えないってなると事業自体が進まないんだなって風に気づいてきて、そうするとやっぱり、人件費だったりとかそこで仕事する人に対する、それは日本人であっても、そこにお金を支払えるだけのファンドを集めてくっていうことってすごい大事なんだなと思ってきて、事業を前に進めていくためには。なので、今本当にちょっと今後どういう形でやっていくのか考えていかなきゃなっていう時期にあるんですけど。でも、夢美さんの話聞いて最初はそれでもがむしゃらにやってる時期も確実に肥しになってると思うんで、ちょっとずつ方向性を変えながらも今やれることをやっていきたいなっていう気持ちになりました。ありがとうございます。」

下里「本当大変だと思うんですよね。なんか多分自分に給与払って活動やっていくか、1人に給与払うのって多分最初とんでもない壁、そこが多分一番の壁があって、その給与の額もやっぱ自分の給与を差し引いて現地に還元した方がよりインパクトが出せるって考えるその根拠って、やっぱ代表とか組織によってもそれぞれあると思うんですよね。すごい難しいんですけど、私の場合は現地人スタッフにはまず、うちの場合はパートナーシップっていう形じゃなくて現地に自分の法人作って現地人スタッフもいるっていう状況なので、現地人スタッフにはお給料を払いたいっていうのと、あとインターン生とかやっぱりたくさんいて、あの若手の人にやっぱり駐在経験とかちゃんとしたお給与、NPO業界給与低いって結構言われてるんですけど、やっぱり月20万とかじゃ生きてけないので、ちゃんとした給料払いたいなって思いがあったんで、まずは自分が貰うことなのかなっていう風なことを思っていて、今フルで関われてるのはすごいいいかなって思いますね。多分私の場合は2人子どもいるんですけど、自分に給与を払ってなかったら多分保育園は入れていないので、そこは多分ある一定払ってないと保育園入れるのがちょっと難しいので、子どもできちゃうと多分活動できなくなるって、保育園預けられないと活動できなくなるっていうことになりそうだと思ったので払い始めた、給与を上げたっていうのもありますね。」

近藤「なるほど。」

下里「メンタルのところなんですけど、最近ちょっとイメージしてるのは自分は活火山、富士山みたいな感じ。」

近藤「火山。うんうん。」

下里「NGO経営ってやっぱり上っていくエレベーター、下りエレベーターを上ってくみたいなイメージ」

近藤「下りエレベーターを上ってく?」

下里「そうそう。下りエレベーターをずっと上っていくみたいなイメージ。」

近藤「前からどんどん押し寄せてくるけれども上ってくっていう。」

下里「そう、雨の日にずっと薪をくべてるみたいな感じ。イメージとしては。」

近藤「すごいメンタルないとやれないね。」

下里「だけど、自分は活火山で心にマグマがあるイメージ。で、今は煮えてる時期。今は準備期間で、子どももう少し大きくなったぐらいで噴火したいなと思ってるんですけど、はい。」

近藤「あれ、まだ噴火前なんですね夢美さん。」

下里「そうですね、噴火前ですまだ。まだまだちょっと頑張りたいなと思っていて。」

近藤「すごい、噴火見たい。」

下里「多分まだ、そうですね。事務作業とファンドレイジングを誰かに任せられないとちょっと無理だなと思うので、もう1人フルタイム職員を増やしたいなと思ってるんですけど。ていうイメージでいるのと、自分が死ぬときのことを想像してみて、その時にやりたいことできなかったって後悔しないかっていうのは常に思ってたりとかするのと。モチベーションを結構高めるって意味だと、ネットワーキンググループに結構所属してるんですけど、例えばJANICさんっていう国際協力NGOのネットワークグループがあって、関東だとJANICさんで関西だと関西NGO協議会さんが結構有名かなと思うんですけども、JANICさんだとワーキンググループが結構たくさんあって、私はNGO2030というワーキンググループに所属していて、つい先週合宿があって、」

近藤「合宿!?」

下里「合宿があって、八ヶ岳」

近藤「え、そんなこともするんですか!」

下里「に行ってきたんですけど、はい、そうですね。山登って死にそうになったんですけど」

近藤「すごい、全然思ってた活動と違う。」

下里「山登ったんです。」

近藤「ええ。」

下里「はい、周りの人は大丈夫そうだったんですけど私はちょっとひとり死にそうになってたんですけど、はい。あとは、最近できたNカゴ、NGOの放課後っていうNGOスタッフと経営者さんとかの有志の活動と、あと田才諒哉さんがやってる国際協力サロン。」

近藤「あー、はいはい。」

下里「田才さんがTwitterで『サロンやりたいです』って呟いたときに「入ります」って言って4年たったんですけど。」

近藤「おー、最初のメンバーですもんね確か」

下里「そうですね。所属してて、やっぱりNGOの方と顔見知りの交流するってすごくてモチベーションもあがりますし、やっぱり自団体の分析だけじゃなくてNGO業界全体の傾向だったりとか、どういう経営をしていらっしゃるのかって見ることでやっぱ自分の経営にも繋がるっていうのと、結局現地で自分1人だけで草の根の事業やってても多分大きなインパクトって生み出せないと思うんですけども、ネットワークの力を借りて現地でより大きなインパクトを出せたりとか、ファンドレイジング・経営が強化されたりするのがあると思うので、経営者1人にならないように顔見知りになって、テンション上げるようにはしたいなとは思ってます。」

近藤「いや、そうですね。なんかやっぱり孤独もあります。本当に孤独というか、わからないなって思うことがたくさんあるし先が見えないなって思う毎日そう思ってるんですけど、やっぱそういうときに同じように戦ってる方とちょっと触れ合える場所があるだけで、多分すごい力になるとは思うんですよね。」

下里「本当そうですね。あと、結構NGO経営者の方が書いた自伝とか読むのすごい好きで」

近藤「うんうん」

下里「テラルネ(テラ・ルネッサンス)さんの創設者の鬼丸さんの本なんですけど、本当に6畳間で、もう全然お風呂ないとかっていうところからスタートしたっていうのを見たりとかすると」

近藤「何て言うタイトルの本か聞いてもいいですか?」

下里「鬼丸さんの本ですよね?」

近藤「はい。」

下里「いくつかあって、漫画になってる方と」

近藤「漫画にもなってる」

下里「そうなんです。漫画になってる本と『テラ・ルネッサンスⅠ・Ⅱ~鬼丸昌也さんの挑戦~』っていう漫画になってる方と、あと、ずっと文章になってる本いくつかあるんですけど、『平和をつくるを仕事にする』っていう本がずっと文章で書かれてる自伝ですね。」

近藤「ちょっと読んでみます。」

下里「本当にたくさん本あるんですよ。お名前検索するだけでも沢山あって、何か全然私そこまでじゃないって思って、いろんな方の。あと、瀬谷ルミ子さんっていう方がいて、元々ちょっと団体名変わられたんですけど今REALsさんっていう団体を立ち上げていて、瀬谷ルミ子さんもすごく素晴らしい方で、紛争中のシエラレオネに行っていたっていう方ですね。最初は個人で行って、2002年に国連PKOに勤務されて2007年に日本紛争予防センターを作ったんですけれども、今のREALsさんっていう団体名変えて活動されてる方の自伝とか読んで、すごいと思って。なんか自分大したことないってちょっと思っちゃいますよね。」

近藤「励ましを受けるわけなんですけど」

下里「ほんとにテンション上がりますね。」

近藤「テンション上がる」

下里「すごいテンションあがると思います。はい。趣味ですね、他の団体の方の自伝読むっていうのは。はい。」

近藤「本当だからやっぱ自分の殻にこもりすぎないようにしなければなと。やっぱり自分は自分たちの事業のカラーを出していくとか自分たちの個性も多分必要だと思うんですけど、やっぱり知識全然ないし経験もないんで、本当に他の人から学ばなきゃなっていうのはあるんですが、なかなかやっぱり繋がりも今は作れてないんで、ぜひ今後作っていきたいと思います。ありがとうございます。」

下里「ありがとうございます。あとちょっとおすすめの本もう一冊あって」

近藤「はい。」

下里「『マイクロソフトでは出会えなかった転職』ていう本があるんですよ。元々マイクロソフトで働いてた方かいるんですけど、ジョン・ウッドさんですね。結局、30代前半でオーストラリアオフィスのマーケティングディレクターになって、このマイクロソフトではメキメキと頭角を現していたそうなんですけれども、ある時退職して非営利の世界に入りたいってふうに思って今はRoom to ReadのCEOなんですけど、会社辞めてその1年目とかで億単位のお金を集めてるんですよ。億円単位のお金集めてて」

近藤「え、そんなことできるの」

下里「ちょっと…」

近藤「どうやって」

下里「どういうことみたいな」

近藤「それが書いてあるんですね、そのストーリーが」

下里「そうですね。それも結構おもしろくて」

近藤「めちゃくちゃ興味ある」

下里「めちゃおもしろいので、良かったら読んでみてください。」

近藤「はい。ありがとうございます、読んでみます。」

下里「はい。じゃあ、次の質問に行きましょうか。」

近藤「はい。そうですね、現地シエラレオネもアフリカだと思うんですけど、私が活動しているグアテマラも中米で時差もすごいあるんですよね。結局その現地との直接やり取りしようとすると朝とか夜とかになっちゃって、素早くやれないときもあったりだとか、あとやっぱ自分自身がそこにないことで細かいことが見えてないような気がして、今はそんなに現地でまだそんなに大きなプロジェクトはやれてないんですけども、今後いろんなことを活動していくってなったときに現地とのやり取りもすごく大事なってくると思いますし、うまくやっていかないとそこでズレが生じてくると本当に方向が変なふうになってくと思うんで。その辺、夢美さんってすごい現地の方と二人三脚でやってるイメージがあって、どういうふうにいつも連絡取り合ったりとか何か工夫されてることがあるのであれば教えていただきたいなと思うんですけども。」

下里「そうですね、本当に難しいなって思うんですけども。まず大前提として、テキストベースでやり取りがすぐできる人を雇ったっていうことと、でも、それでも何個か質問送ると1個返事返ってきてないってあるので、原則週1回はケネマとフリータウンと繋いでミーティングする。やっぱ夜の時間になっちゃうので、夜に出勤するスタッフがいます。私はちょっと子どもがいてできないので、夜に1週間に1回ミーティングをするスタッフが、1週間に2回ですね。ミーティングするスタッフがいて、1回に2時間弱とかやってるっていう感じですね。」

近藤「それは基本、現場の報告とかですか?」

下里「そうですそうです!今週1週間でやることの報告と計画を作っていて。でもやっぱり、どうしても行かないってすごいこの業界あり得ないことで、現場にいないっていうのがすごいネックで。ただ、どうしてもやっぱり新しくできたNGOさんとかって頻繁に行けないでしょうね。うちだって航空券買ったら25万とか飛んでくので、頻繁にはやっぱ行けないので駐在員を置くっていうことをすごく目標にはしてますね。でも、どうしてもやっぱ行かないと全然見えてこないこととかありますね。例えば、今回5月に出張行ったんですけど、私が出張に行って細かいことを変えたとか事務局の棚の整理したとか色々あげるときりがないんですけど。1個ちょっと大きめなのが、うちの場合だと10代のシングルマザーのモニタリングを月に1回来てもらって、女の子と子どもの健康管理チェック・学習能力チェックとか、50項目ぐらいモニタリングさせてもらってるんですけど、それを私の出張後に2ヶ月に1回にして今は3ヶ月に1回にしてるんですけど。なんでそうしたかっていうと、ケネマ県って結構広くてみんなバイクで来るんですけど、抱っこ紐もなく布1枚で赤ちゃんが負ぶわれてくるんですけど、バイクに乗ってるお母さんはバイクタクシーの後ろに掴まってるんだけどヘルメットしてないっていう状態で、ケネマにいる人ってそれ普通なんですよね。普通の感覚だけど、全然死にやすくて」

近藤「全然死にやすい」

下里「本当に死にやすいんですよ、やっぱ。バイク事故ってすごい死亡率高いから」

近藤「実際あるんですか?事故っていうのは結構」

下里「実際JOCVさんとかも完全禁止されてますね、バイクタクシーに乗ること自体がもう禁止されてて、うちの現地スタッフも今年2人ともバイク事故で入院してます。」

近藤「えー!!!!ちょっとそれめちゃくちゃ危ないじゃないですか」

下里「二人とも、二週間くらい。で、本当に事故率高くて死亡率も高い。その回数は絶対減らした方がいいっていうことで3ヶ月に1回にしたっていうこともあります。」

近藤「なるほど。」

下里「なので、感覚の違いとか危機管理の違い、危機管理の感覚の違いはすごいありそうだなと思って。それを積み重ねていくとすごい細かいことでも提案したり改善したいっていう相談をしてくれるようになるので、やっぱり行った方がいいなって本当に思います。」

近藤「そうですね。」

下里「行かないと本当に話にならない。」

近藤「この目で見るからこそ気づけることってめちゃくちゃたくさんあるので」

下里「そうなんですよね。私も初めてケネマ県行ってケネマで初めて事業をスタートしたんですけど、今までフリータウンしかいなくて。フリータウンってバイクタクシー禁止なんですよね、市街地」

近藤「その市民の人たちもですか?」

下里「そうですそうです!本当に事故率と盗難、バイクタクシー乗って全然違うとこに連れてかれて、集団で盗難に遭っちゃうっていう。グループで盗難、窃盗団みたいなとこのアジトに連れてかれちゃって、降りれないじゃないですか。そこで、みんなお財布とか取られたみたいなのが頻発したので、都市部の一定のエリアだとバイクタクシー乗れないんですよね。でもそういうことも自分の中では把握できてなかったっていうのもあって、まあ農村部だとバイクタクシー乗るんですけど。いや、ちょっと難しいですよね、はい。現地とのやり取りも語るとちょっと切りがないですよね。」

近藤「でも前に夢美さんが、ちょっとどのタイミングだったかは忘れましたけれども、夢美さんが開催してくださった勉強会に参加したことがあって。そのときに、現地の人たちがやるマニュアルとか、チェック項目みたいなのがすごいあったのをチラ見させていただいたんですよ。なんかすごいシステマチックに現地での活動も夢美さんがコントロールというか管理してるんだなっていうのを見てすごいびっくりしたんですけど。そんな感じで、夢美さんって結構いろんなインターン生への仕事とかボランティアさんでも一つ一つマニュアルを作ってるっておっしゃってたじゃないですか。」

下里「はい」

近藤「それってどうやって作っていくのかなっていうのと、何で作ってるというかちょっとイメージがね、実際どんな感じのものなのっていうのがあんまりイメージが湧いてなくて、ちょっとその辺をお聞かせいただけないかと思ってるんですけど。」

下里「はい。うちの場合だとグーグルドライブでドキュメントは管理していて、そこに閲覧できる人の権限がそれぞれ違うっていうフォルダがあって、マニュアルは、まず「マニュアルの書き方」っていうマニュアルがあります。」

近藤「え?」

下里「みんながそのマニュアルの書き方を見ていろんなマニュアルを作る、共働編集するっていうやり方ですね。」

近藤「そうか、マニュアルも違う人というか夢美さんが全部作ってるわけじゃないんですね?」

下里「そうですね、多分全部は見れてないですね。」

近藤「へー。」

下里「なので、マニュアルは全員が作る、マニュアルの作り方を見て全員が作るっていう感じです。作り方は【ここを押して、ここを押して、こう作ります】みたいなのって文章で書くんじゃなくて、技術的な話ですけどWindowsなんですけど、私の場合だと。スニッピングツールってのがあるので、画面スクショをたくさんして【このボタンを押します】って赤丸つけたりとかして、文章ばっかりじゃなくて画面のキャプチャ、スクリーンショットがいっぱいあるようなマニュアルを作ってます。そうすると、例えばインターン生がPeatixでちょっとイベントページを作ってほしいとかも、これ見てまずやってほしいっていう風にお任せすると、割と最終的に出来ましたって見せてもらえたりとかするんですよね。だけど、いろんな人にそれやってもらうと、『ここ分かんないです』ってすごい言われるんですよ。『ここどういう意味ですか?』とか『これってどこですか?』って言われることがすごい多くて、それってマニュアルが悪いんですよね。マニュアルの書き方が悪いので、じゃあそこちょっと改善しといてもらえるっていうふうにお願いして、その人に【この時はこういうふうにいく】みたいなのを書いてもらって、あんまり説明は全然してないですね。マニュアル見てもらって、分かりにくかったら改善してっていうのを繰り返してるっていう感じですね。やる意味とかは最初に教えるんですけど。」

近藤「へー、なんかすごい」

下里「なので、私がやらなくてもいいこと私がやるべきことができるようになってきた感じはします。ちょっとずつですけど。」

近藤「すごい、すごいですよ本当に。マニュアルっていうのは何個ぐらいあるんですか?今のところ。」

下里「何個でしょう?多分30個ぐらいはあるんじゃないですかね?ちょっとわからないですけどね。」

近藤「その作業によってあるってことですよね。」

下里「そうですね。マニュアル新しく作りましたっていう、多分いろんな人が作るんですけどそれもすぐ管理者権限を出してもらって私がオーナーになってっていうことで、いろんな人が自分のパソコンで業務入ってくるんですけど、退勤するときとかもオーナー権限自分にある状態で退勤したときも見えなくなるっていう感じ、退職するときですね、見えなくなるという感じです。」

近藤「へー、いやなるほどなるほど。ちょっとまだ全然私はそこまで行けてないですけど、そういうことがあると多くの人が関わりやすくなるってことですよね。1個1個伝達しなくても簡単にやっていただきたいことを伝えられるから、いろんな人が参加しやすくなりますよね。」

下里「そうですね、マニュアル作ろうってなんかすっごいちょっとのことでも作ろうって思った理由二つあって、1個は妊娠したときで、10代のシングルマザーの復学支援とかやってると結構妊産婦の死にやすさってすごい見えてくる。女性にとって妊娠出産って人生最大のリスクで、シエラレオネとかだと10代の死亡原因の第一位とかになってて、私の場合すごい低身長なので高リスク出産だったので、何か自分死ぬんじゃないかと思ってマニュアル作ろうって思ったのが一個目ですね。」

近藤「そういうことか、なんかもう遺言状じゃないけどそういうくらいの気持ちで。」

下里「そうですね、最初はそうです。」

近藤「私が死んでも、いなくなってもやれるようにっていう体制を作るっていうのが最初だったってことですね。」

下里「そうですね。現に長男を出産するときとか結構出血して『あー、日本でよかったな』って思ったりしたんで、やっぱマニュアルやっててよかったなってなったんで。」

近藤「そうか、でもそう考えると確かに。私も出産は今すぐはしないけども、たまに今私何かで死んだらどうなるかなって考えたりするんですよね。」

下里「飛行機とかも多分、絶対ないと思うけどあるかもしれない。はい。」

近藤「そう、だから、今私じゃないと回ってないことがたくさんあるから、本当に今私いなくなっちゃったらすごいいろんな人に迷惑かけちゃうなって思ってて、中途半端になっちゃってるというか。だから、そうですね、その話聞いたらやっぱマニュアルってどんどん作り始めた方がいいのかなって思いました。」

下里「そうですね。」

近藤「マニュアルというかTo Doとか、こういう感じでやっているっていうことが私じゃなくてもわかるようにする形って確かに大事ですね。」

下里「そうですね。二つ目もほぼ理由一緒なんですけど、引き継げるようにしてどんどん任せられると新しいことできるようになるっていうのがあったので、作り始めたっていうのと、あと総会とか決算とか都庁に事業報告するとかって1年に1回しかやらないので、全部忘れるんですよね。なので、メモして全部マニュアル作ってやったっていう感じですね。」

近藤「そうか、自分が思い出すためのマニュアルっていうことですね。」

下里「そうですね。1年後にほぼ忘れてる状態みたいなことがあって」

近藤「そうなんですね。」

下里「二年目とか多分、なんかねその1・2ヶ月ぐらいはやったこと覚えてるんですけど、やっぱ忘れちゃいますよね。そういうのを作ったりとかしました。はい。」

近藤「そうか。じゃあ私たちはここが第一期なんで、ちょっとそれも作りながら今年はやってみたいと思います。」

下里「そうですね。細かい書類作業とかメモしておいた方が良さそうですよね。はい。」

近藤「なるほど、ありがとうございます。最後になるかな?これ。」

下里「はい、どうぞ。」

近藤「いいですか?」

下里「はい!どうぞ」

近藤「ズバリなんですけれども、本当に私夢美さん見て、本当にすごい行動されてて本当にやっぱり自分自身がパッションを持って一番動いてると思うんですよね。それを見てすごく周りも動かされてると思うんですけれども、本当にこのアラジの代表としての役割をやってるように見えるんですけれども。私も自分自身がやりたいというふうに言って始めたことなんですけれども、結構代表っていう役割が自分に自信がなくなるときもあって、自分って一体この団体の中でどういうポジションで、ポジションというか私がやるべきことって何なのかなって思うんですよね。やることは本当にたくさんあるんだけれども、それこそ私じゃなくてもやれる仕事はどんどん本当だったらパスしていった方がいいとは思うんですけど、でもやっぱり、代表として団体を引っ張っていくというか、そういうときに夢美さんは今何をすごく大事にされてるのかなっていうのを聞きたいなと思ってですね。ズバリあったら、代表の役割ってどんなところなのかなっていうのをお聞きしてもいいでしょうか?」

下里「はい!ありがとうございます。代表の役割って代表が何に一番注力してるかって本当に団体さんの中でも様々ですごい面白いなって思うんですけど、ずっと現地にいる代表さんとかずっとマネジメントのトップにいる代表さんとか、ほんと様々だと思うんですけど。私の場合はずっとファンドレイジング担当で現地の事業は現地のSiaとPidiaが中心ってふうになってたんですけど、ちょっと日本での事務作業とファンドレイジングをそろそろ卒業しようかなと思っていて、現地事業にすごい注力したいっていうような方向性は今すごく思っていて、現地でマイクを持って活動する人になりたいなっていうのはちょっと思っていて」

近藤「そうなんですね。」

下里「なんでかって言うと、結局お金を集めて社会からこぼれ落ちた人をどんどん救っていってもきりがなくて、例えば中絶禁止法っていうのがあって、シエラレオネの場合だと性加害受けた場合であっても中絶できないんですね。それって法律変えないともう埒明かないっていう感じになりますし、児童労働とかそういうことに関しても、ポリシーを変えないと社会が変わらないっていう場面すごくたくさんあると思うんですよね。日本でもそうだと思うんですけど、エコバッグ持ちましょうよって言っても変わらなかったのが法律とか仕組み変えたからみんなエコバッグ持つようなった。やっぱ仕組み変えたいなと思って。」

近藤「マイクを持ってそういうことか。」

下里「そうですそうです!」

近藤「そこに切り込んでいく人になるってことですね。」

下里「そうですね。本当に中絶禁止法とあとFGMの課題は変えていきたいなと思うので、それに関して現地で活動する女性たちに対してサポートしたりとか、自分もその一端となるようにマイクを持ってデモに参加するとか、そういう人になりたいなっていうのはちょっと思ってますね。一方で、シエラレオネの課題だけじゃなくて世界で起きている紛争だったり難民だったりっていう問題にも、あと気候変動の問題にもすごく関心が自分の中ではあって、だけど自分はそこに対して専門知識もなければ活動することができないので、日本のNGO業界全体がプラスになる働きをしていきたいなというふうに思って、なのでコミュニティに所属して全部のコミュニティで何か積極的に参加したいなと思ってるんですけど。」

近藤「いや、してますよね。既にしてますよね。」

下里「日本の寄付文化自体を変えないと、日本のNGO業界全体が課題達成できなさそうだなっていうのを最近思っていて、業界全体が例えば新しいNGOさんがマンスリー集めやすいような仕組みを作ったりとか、何かそういうことをしていきたいなっていうのが。この二つですね、今やりたいっていうのは。なので、あんまりちょっと纏まってないんですけど、やることたくさんあるなって思いながらいつも生きてます。」

近藤「へー、そうなんですね。いや、でもやっぱり常にやっぱり代表である夢美さんが先を見て、こういう社会をつくるために次のステップこれやりたいって掲げているところがやっぱり周りが応援したくなるところですし、私も聞いてるだけで自分の心にも火付けてもらってる感覚があって、やっぱそういう方だから魅力的な事業を展開できるんだなと思います。」

下里「ありがとうございます。すごい綺麗に纏めていただいて恐縮ですね。」

近藤「いや、本当にやっぱり最初私も団体っていう形にする前は去年なんですけど、去年は本当にいったん自分でやってみようと思ってガンガンやったんですよね。そのときは、割と果敢にやった方がいいなと思うことを全部やってみようと決めてたから、すごいパッションを持ってやれたんですけれども、団体になって代表になりました。さあやっていきますよ、法人格も取ってやっていきますよってなったときに何かすごく不安になってきちゃって、できるかなみたいな、責任も増えたことで私だけの問題じゃなくなったなって思うとどんどん不安になって来るんですけれど、でも夢美さんみたいに結局は夢を語ってくださる方っていうか、その前に立ってる人がこういう社会の実現のためにこういうことしていきたいってそういう声を聞くだけですごく燃やされる何かがあるので、私も今の状況は不安が大きくて、何したらいいんだろうとかどうしたらいいんだろうみたいなことを常に考えるんですけど、やっぱりそういう代表として前に進んでいく人はそういう夢を語るってことは常に、てかむしろそれが一番大事なのかなっていう思うくらいすごい学びのあるメッセージでした。」

下里「ありがとうございます。」

近藤「ありがとうございます。」

下里「はい。最後に咲さんの今後のビジョンとか目標とかもちょっと聞いてみたいなと思いました。」

近藤「ありがとうございます。本当に私たちまだすごいちっちゃい規模でやってるんですけれども、でも本当にやってることは価値があるってすごく思っていて。何やってるかっていうと、グアテマラで志があってこういうことを叶えていきたいから今の勉強頑張りたいって思ってる子どもたちに学習の機会を提供してるんですけども、私たちはその子たちがかわいそうな環境にいるから助けてあげたいっていうことよりも、そういう頑張ってる子たちを励ます中で、応援する中ですごいこっちが大きなエネルギーをもらえるんですよね。やっぱり頑張ってる人たちを見ているだけでパワーをもらえますし、そういう子どもたちがどんどん成長してるところを見るとなんかすごく心に活力を与えられるんですよ。それが私が今やってる原動力でもあるんですけど、それを私だけが味わっちゃうじゃなくて、本当にいろんな方にこの感覚を味わっていただきたいなっていうふうに思っているんで。確かに、グアテマラはやれないこともたくさんあってニーズもすごいあるんですけども、こっちがやってあげれるやってあげれるっていう感覚よりも、本当にその繋がりの中で私たちが得られるものがすごいたくさんあるので、この感覚を本当に多くの人たちに味わっていただきたいなっていう思いでやってるんですよね。それで特に今の私教員やってて、今現在も中学校の非常勤で働きながらこの事業やってるんですけども、やっぱり目の前の中学生を見たり小学生もそうですけど、関わっているとやっぱり世界と繋がる場所ってのはあんまりないんですよね。ないにも関わらず、英語の単語を覚える量だけは増えてて本当に今の中学生大変だなって思うんですけど、やっぱそういう日本で確かに恵まれた環境はあるけども、リアルな世界となかなか繋がりがなくて自分たちが置かれてる状況、どんだけ日本はすごい環境が整ってるか、やれることがたくさんあるのになかなか行動できてないかっていうようなところもきっと自分自身が気づくきっかけになるんじゃないかなって思うんですよね、そのグアテマラの子どもたちとの出会いによって。だから、私たちの団体はそのグアテマラの子どもたちに学習の機会を提供しつつも、実は同じくらいのパッションで日本の子どもたちや日本の大人も含め、私たちが忘れかけてる前向きな気持ちというか、何か社会を良くするために行動したいなっていうその思いを与えられる事業になると思ってるんですよ。なので、自分たちの活動を今本当に自分の力がなさすぎて広報とか全然できてないんですけれども、今後いろんな方に知っていただいて、一緒にグアテマラの子どもたちを応援しながら私たちも今を生きる活力を持って社会に、それぞれの場所で頑張れるようになったらいいなっていうふうに思ってるので、はい。私達も目標を掲げながら実現していきたい社会忘れずに、今できること頑張っていきたいなっていうふうに思っています。はい。」

下里「はい、ありがとうございます!」

近藤「ちょっと、纏まらずに終わっちゃいましたけども」

下里「いえいえ、十分伝わりました。ありがとうございます。」

近藤「ありがとうございます。」

下里「はい。本当にサポートしてるだけじゃなくて、私たちも助けられたり学んだりすれことがたくさんあるなっていうふうに私も思いながら聞いてました。はい、すごく長くなってしまったんですけれども、ここで終わりたいと思います。」

近藤「はい。ありがとうございます、夢美さんこんな機会をいただいて。」

下里「いえいえ、ありがとうございます。」

近藤「はい。」

下里「はい。最後まで聞いていただきました皆様、ありがとうございます。私はアラジで活動してるんですけども個人としても一対一のお話し会をやっていたりとか、NGOを作りたい方NPOを作りたい方の団体立ち上げ期の相談とかも全然お金も取らず、無料で気軽にやっていますのでコンタクトを取っていただければなと思います。はい。では、ありがとうございました。」

近藤「ありがとうございました。」


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