見出し画像

レジデンシャル・プログラム代表 送辞 | HLAB COLLEGE PROGRAM 2023年度カレッジ卒業式

2024年3月3日にシモキタカレッジの卒業式が行われ、合計29名のカレッジ生が卒業しました。その際のレジデンシャル・プログラム代表 3期生のせらんによる、卒業生へ向けた答辞をお届けします。


はじめに、こうして卒業生の方々に言葉を贈らせていただけること、大変嬉しく思います。

キャップストーンの前夜、どことなく落ち着かない、みんなが誰かを探しているようなソワソワした雰囲気が漂う2階の共用部。ついに、私たちにとって初めてのカレッジで迎える3月が始まったことを教えてくれました。

見送る立場でいられることに安心感を覚えつつ、いわゆる高校や大学からの卒業とは違うこのシモキタカレッジからの卒業というものを手探りながらに考え、感傷的な夜を過ごしました。

皆さんにとって、カレッジを卒業することは何から卒業することでしょうか?

ちょうど一年前の3月、私たち3期生は入学しました。知らない人が100人くらい家にいて、学びながら暮らす場所、ということだけ知っている。そんな状態でこの場を掴みきれずに浮いたような感覚をもったまま日々が進んでいきました。

入学式にて。

そんな日々の中で、迎え入れてくれた2期生の皆さんには「あなたはここに居てもいい」「居て欲しいんだ」ということを表情で、言葉で、企画で、空間で伝えてもらっていたなあと思います。

ここでは、これまでの自分の選択や営みの積み重ねはこの人に会うまでの道筋だったんだ、とかこの人に出会える人生だったのなら全て正解だったのかもしれないとまで思える出会いがありました。

「人間と出会う醍醐味は一年後、五年後にその人が自分の知らない土地で思いもよらないことをしている可能性があるということ。そんな全く別の道を歩いていく2人が、その価値観を色濃く形成したであろうカレッジでの期間を共にした、寝起きの顔も知っているような関係だったということが面白い」と1階のソファーで話してくれた人がいました。

そんな彼は愛するラーメンを自分で作って振る舞う人間でした。

卒業生の皆さんが五年後、どこでどんなことをしているのか、ここにいるだれも分からないけれど、その時のここで一緒に過ごした日々がどんなふうにそこに導いたのかを話しながら、互いが自分の人生にいることを喜べる関係でいられたらと思います。

ハロウィンパーティーにて。

ここでの生活は日常でありながら同じ瞬間を繰り返すということは稀です。いつかの共用部の雰囲気を求めて、そこに行っても同じ空気が流れていなかったりします。

「カレッジは生きている。形や空気や色を変える。」という人がいました。

常にカレッジ生の拠り所でした。

このコミュニティはどこか水のようで、些細な刺激がある度にどんどん伝播して普段のあいさつや会話に変化が生まれます。

もうすぐ、4期生が入学してカレッジの大きな変容に立ち合います。この一年間、守りたかったもの、守り切ったもの、そこにあったもの、なかったもの。それらをまるごと抱きしめて、新入生と分かち合っていきます。そこに、卒業生の皆さんがアラムナイとしてそばに居てもらえたら、心から嬉しく思います。

名残は尽きませんが、続きはまた、コーヒーチャットで、話せると信じて、贈る言葉を締めさせていただこうと思います。ご卒業おめでとうございます。

ホームメンバーで

レジデンシャル・プログラム 3期 せらん

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?