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軽い文章たち

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文字数少なめ(当社比)をまとめています。箸休めにどうぞ。
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記事一覧

詩集の通販を始めました!

人生初の自作詩集『鬱の泡沫』の通販を始めました! 仄暗い内容の作品が多いですが、ほのぼの…

霜の花
1か月前
5

詩集を自主製作しました

詩集を自主製作しました 2024年5月19日に開催された「文学フリマ38」に出品した詩集「鬱の泡…

霜の花
2か月前
20

不安定な気温と不安定な私

 近頃は汗ばむほど暖かくなりましたね。この前桜が散ったと思ったら、もう向日葵や朝顔でも咲…

霜の花
1年前
7

祖母と母へのプレゼントと私の自意識

最近はあまりnoteに顔を出せて(?)いませんでしたが、何とか日々を過ごしております。 転職…

霜の花
1年前
4

白い紫陽花のドライフラワー

最近、引っ越しをしました。書類や本は幾つかの段ボールに分けて入れ、お皿や花瓶は真っ白な梱…

霜の花
1年前
9

青汁を初めて飲む夏

健康でいたい。 誰しもが願わずにはいられない、全人類共通の望みであり目標でもあり……。 か…

霜の花
2年前
8

ピアノと私

「練習した?」 と母が言う。 「してなーい」 と私が答える。土曜日の午後、毎週毎週繰り返される会話。 私は先週のレッスンからずっと楽譜が入りっぱなしの手提げバッグを持って家を出る。心なしか、青い手提げバッグの元気がないように見えるがいつものことなので気にしない。短い横断歩道を渡り、近所の小さなピアノ教室へ入ると、いつもの様にピアノの前で先生が待ってくれている。 「いらっしゃい」 先生が優しい声で私に言う。 「こんにちは」 と小さな声で答え、慣れた手つきで楽譜を一冊取り出し、ピ

ブロッコリーのあれやそれ

最近、蒸したブロッコリーを食べることにハマっています。蒸すと言っても蒸し器ではなく、フラ…

霜の花
2年前
8

うつのまにまに

 このところ、少しnoteから離れていました。飽きたとか嫌いになったという訳ではなく、近頃、…

霜の花
2年前
11

足したり引いたり迷ったり

相談者A:自分の生き方について、気に掛かっていることがある。 聞き手B:気に掛かっているこ…

霜の花
2年前
4

線香の香りを聞く午後

休日の昼下がり、じんわりと沁みるような太陽の日射しがわずかに傾く頃。日の光を顔に浴びると…

霜の花
2年前
12

送電塔と片方だけの子供靴

近所にある片側2車線の車道の脇に、強靭な金属の根を張り続けている巨大な送電塔がある。 煤け…

霜の花
2年前
13

冬へ向かう道の強烈な紅葉

静脈血が固まった様な真っ赤な葉が一枚、道路に落ちていた。 赤黒く萎びたそれが、ひょい、と…

霜の花
2年前
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卒塔婆の美しさについて

 先日、少し涼しかった日、小さな墓地のそばを通った。黒や灰色の、思い思いの形の墓石が、横列をなしてひしめいていた。おそろいの梵字か何かが墨書きしてある卒塔婆が、墓石の列の隙間から、無数に生えていた。  何だか妙に、その様子が美しい、と思った。  薄墨色の墓石に、薄汚れた木製の卒塔婆は、良く映える。そして、古い木の板に墨の文字も、良く映える。  昔は、木札に墨書きで名を記したりしていた。表札もそうであるし、銭湯でも番号の書かれた木札が良く使われていた。死んで切り取られた樹