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和菓子とinstagram

先日話題になったinstagramのショッピング機能
https://ja.newsroom.fb.com/news/2018/06/instagram_shopping/
フィード投稿からダイレクトに買い物することができ、消費者にとっては圧倒的に便利になった。
潜在的なお客様とダイレクトに繋がれるのは、我々のような地方の小売店にとっては歓迎すべきことであり、うまく活用できれば田舎にいても商売が成り立ちやすくなるチャンスである。
今までは百家店が全国の和菓子をキュレーションする代表的なメディアであったが、インスタや雑誌などのメディアが店舗になる時代が到来し、明らかに潮目が変わりつつある。

潜在的な欲求を満たすために必要なのは
「わかりやすさ」である。
簡単な説明で味の想像ができ、見た目で美味しい!と確信を持てるビジュアルである必要がある。
和菓子は時に不親切だ。
ハイコンテクストの極みである伝統的な和菓子と
大衆に受け入れられる「わかりやすさ」のバランスをまだ見つけられないでいた...

ここ数年、和菓子業界に一つのトレンドとなっている概念がある。

    ネオ和菓子

その名の通り「新しい和菓子」である。
和菓子の伝統的な技術を用い、これまで使われなかった洋素材と呼ばれるものを合わせた、新しい和菓子のことを指す。
具体的にはこちら...
https://style.nikkei.com/article/DGXKZO13579920S7A300C1W01001

素晴らしいバランス感覚だ。
守るべき伝統を継承しつつ、変えるべき技術は進化している。
そして菓子を通して、文化や風土を伝える役割もしっかり果たしている。

伝統とわかりやすさはトレードオフだ。
和菓子文化への入り口は確実に広がっている。
しかし、instagram等のSNSで映えること意識し過ぎるあまり、
このバランスが崩れ、ただ新しいだけの和菓子が広まることは避けたい。
その先にあるのはアイデアがコモディティ化し、同質化した和菓子だ。
菓子を通して見えるストーリーこそがその和菓子の個性であったはずだ。
一定の「わかりやすさ」が求められている今だからこそ、
原点に立ち返るべきだと感じる今日このごろ。

和菓子文化の昇華か、
新しい日本の菓子文化の到来か。
和菓子業界にとって、
今後の数年間は大きな転換期になりそうだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!