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アニメ版「キャプテン翼」視聴のすすめ

これは、サッカーにどっぷり浸かっている人にも、これから学んでいく人にも読んでもらって感想を伺いたい記事です。よろしくお願いします。 

世界No1.サッカー漫画と言って過言ではない「キャプツバ」ですが、ファン公言のまとめ記事を見ていると世界のトッププレーヤーたちは誰もがこの作品のファンなのではと思うほどなんですが、リアルにサッカーをしている人たちは、この作品をどう楽しんでいるのだろう、と不思議に思うんです。

小学生、だよね?

この作品の強烈な掴みはここから始まる。「え。小学生だよね?」とツッコミたくなるシーンは無限にある。自分の身長より高く跳び、オーバーヘッドでシュートを打って、肩や頭から落下しても無事。あり得ないほどのフィジカル。

しかし、強ち的外れでも無い。表現はやや誇張していたとしても、彼らのサッカーに対する「愛」や「夢」はちゃんと等身大なのだ。そしてやや帰納的に逆算されていて、「ティーンエイジャーでトッププロリーグで活躍する選手になる」という夢を叶えられるのは、これくらいの選手というある意味で一部の子供にとっては「答え」を見せられているのかもしれない。

先駆的な展開!

物語の序盤、センセーショナルな主人公とそのライバルの出会いは今でも記憶に新しい。そしてもっと新しいのは、その展開で、強烈なライバルが急遽仲間になり、しかもすぐにメインストリームから消えてしまう。

しかし、強ち的外れでも無い。表現はやや誇張していたとしても、彼らのサッカーに対する「愛」や「夢」、そして「リスク」や「選択の岐路」はちゃんと等身大なのだ。将来も大事だが、今目の前のライバルと闘うことは避けられない。例え選手生命が危ぶまれる怪我を負っていたとしても。ワールドカップで日本が優勝する為には個々人が日本のメインストリームではなく、世界のメインストリームで活躍しなければならないというリアル。それがこの物語内でメタ的に表現されているのだ。

どんだけメンタル単純よ!

超スーパープレーヤーの翼やそのライバル級プレーヤーが各チームにそれぞれ所属しているのだが、

「サッカーは一人でやるものではなく、11人でやるものだ」

なので、ひとチームに付き「じゃない方」の選手約10人(たまに複数人のライバル級キャラがいるチームもある)をも登場させなければならないのが、この物語を作る上での面倒臭さの一つだ。しかもその数は、翼が試合をすればするほど増えていくというジレンマ。一人を動かしたいだけなのに、必然と2、3人はついてくる。描くのは大変そうだ。

その苦労と関係があるのか、無いのか、脇役雑魚キャラたちのメンタル(或いは、ヒーローたちもか?)つまりは、物語が展開していく動機が極めて単純化されている。その物語の設定は「脇役雑魚キャラ公認」であり、彼らもまたその状況を自覚しているのである。

翼が所属しているチームは基本的に日本に敵う相手がいないというレベルの翼がなんでもかんでも一人でやってしまって、常勝チームになっているのだが、時折、翼は怪我をしたりメンタルが折れてしまって満足にプレーできなくなる時がある。或いは、強敵が立ちはだかり思い通りに試合を作れない時がある。チームの勝利=翼のキャリアは必要十分条件であり、翼のコンディション=チームのコンディションもまたそうなのか、と思いきや!

「これまで俺たちは翼一人に頼りっきりだったじゃ無いか!」
「今度は俺たちの番だ」
「そうさ、試合は始まったばかりだ!」

おんぶに抱っこなはずなのに、逆境に強すぎるw 特に、チームに悪雲が漂った時にチームを鼓舞する翼の笑顔は効果が的面すぎる!

しかし、強ち的外れでも無い。表現はやや誇張していたとしても、彼らのサッカーに対する「愛」や「夢」、そして「リスク」や「選択の岐路」だけではなく「プレー中に必要なこと」はちゃんと等身大なのだ。「そんな簡単に切り替えられるかよ!」とツッコミが入るくらいにメンタルのコントロールが出来ないと、いい選手にもなれないし、強いチームにもならない。それを単純明快に教えてくれているのだ。

ここがスーパープレーヤーを産んできた秘訣に違いない!

最後に、私が最も楽しんでいるポイントである、全然等身大じゃない、尺のほとんどを使っている試合中のシーンについてだが、これは公然のツッコミポイントであり、何も考えなければスルーしてどんどん話が進んでいくだけの、これはなんとも絶妙な要素になっている。

試合中の描写の要素はたくさんあるが、注目するのは「シュートスゲー!」とか、「トラップウメェ!」とか、「でた!必殺技w」とかではないんです。そんなのどうでもよくて、肝心なのは、「おまえ、どこにおんの?」であったり「なにこのフォーメーションw」「え、まって、どこからどこにパスした?」「え、どっち向いて走ってんの?」「いやいや、両者ダッシュして向かっていくってどんな距離感?」という点で、画面の中で展開する試合の模様からグラウンドの状況を俯瞰して把握に努める脳トレ的興奮。ただし、一人の素人がやっていても全然正解も分からないし、追いつきやしない。

こう考えると、やっぱり強ち的外れでも無い。表現はやや誇張していたとしても、彼らのサッカーに対する「愛」や「夢」、そして「リスク」や「選択の岐路」だけではなく「プレー中に必要なこと」特に「空間把握能力」はちゃんと等身大なのだ。よく言われるのは、サッカーの三要素(スピード、角度、バランス)とか、3B(Ball control,  Body balance, Blain)  とかだろうか。サッカーを始める前に覚えておかなければならない点がこれなのだ。全ての選手に必要でありかつ差がつくのは、「空間把握」とそれを元にどのような判断を下すか。それがチームになれば、いかに素早く的確にシンクロしているか。

仮説を実証してみるか?

長く日が空いたエントリーになってしまいましたが、1ヶ月温めたネタはいかがでしたか?DAZNに無駄に会費を払い続けていることに苛ついたところから、始まったアニメ視聴でしたが、いろんな発見があるものですね。にしてもこの発見だけでは、会費も視聴時間ももったいない。

いつかは、サッカー解説者と一緒に鑑賞し、都度止めながらボードを使ってその瞬間の選手配置、戦術の効果などについて、あーでもないこーでもない言い合うYoutube動画を撮ろうと思います。

では、世知辛い大変な世の中ですが、マイペースで。

大事なのは、「空間把握能力」ですよ。


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