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よし、働くか。

んー、意外と一人の時間があるな。

アイルランドへ渡ってから、1ヶ月程経った時にふとベッドに寝転びながら思った事である。

午前中に語学学校へ行き、午後は自習するか友達とどこかへ遊びに行くかサッカーをするかの日々を過ごしていた中で、やることが少しマンネリ化している気がした。

また、他のクラスメートは短期できている人以外はほとんどがパートタイムで働いていた。


アイルランドでは、語学の習得を目的とした渡航のビザには週20時間の就労が認められている。さらに6、7、8、9月と12月15〜1月15日はホリデー期間として週40時間の就労が可能である。

それが理由で、アイルランドへの留学を決めたという人も多かった。


なので、私はパートタイムを始めようと決心した。

いろんな人に聞くと、働くところはたくさんあるからすぐ見つかるよと言われたので最初は気楽に探していて、Facebookやindeed、アイルランドの求人サイトなど教えてもらったサイトを見ながら、良さそうなところへ応募していった。


しかし、全く返事が来なかった(笑)


どこが仕事探しは楽じゃ!

マフィンが美味しかったカフェ

なんと仕事探しを始めてから、一週間、面接すら受けられていない状況だった。(ちょっと甘く見すぎていたかな)


そこから、少しやり方を追加して、履歴書を紙で作成し、パートタイム募集中の張り紙が貼ってあるお店に配っていった。最初はめちゃめちゃ緊張して、ここはちょっとなーとチキったこともたくさんあった。


でも、日本ではなかなかしない経験だったので、心のどこかでは楽しんでいたと思う。


あるカフェでは、ただ履歴書を渡しただけなのに、来てくれてありがとうとコーヒーをもらったりもした。ただ安定に連絡は来なかったけど(笑)

そこではちょっとした、面白い事があった。

そのカフェには東アジア系の女の子が働いていて、アルゼンチン出身のマネージャーの人が、「彼女も君と同じ日本人だよ」と教えてくれた。

俺は最初見た時に、韓国人かなと思ってたから、「あ、日本人なんや!」と思いつつ、その人からバイトのことについての話を聞き、いただいたコーヒーを飲んだ。

その後、店を出る際に、日本語でその女の子に話しかけた。

「どのくらいここで働いているんですか?」

「・・・」

なんか反応が薄かった。


そのカフェが当時、結構繁盛していたので、他のお客さんの話し声で聞こえなかったのかなと思い少し大きめの声で聞き直した。

「どのくらいここで働いているんですか??」

そしたら、

「I can't speak japanese because I'm a Korean」

と言われた。

彼女は日本人であるとなんの疑いもなく信じ込んでいため思いもせぬ返答だった。

その後少し話すと
なんと彼女が日本人というのは、アルゼンチン人マネージャーの冗談で本当は韓国出身だったらしい。


その場は、すかして「そっかそっか、韓国人だったのか」と返したけれど、内心はめちゃ恥ずかしかった(笑)


そんなこんなあり、時には冗談を信じ込む自分自身の純粋さを見せつつ仕事探しを進めていると、一本の電話を受けた。


あの有名なヒルトンホテルから。(オンラインで適当に応募しまくっていたうちの一つにあったぽい)

このペンいっぱい持って帰ってた。

後日、ギリシャ人のシェフと面接をした。その人が昔に働いていたところに日本人の常連さんがいたことから、日本人が好きって言われて感触は良かった。

そして幸いなことに、その後はとんとん拍子で話が進み、ヒルトンホテルで働けることになったのだ。

役職としては、キッチンポーター。
ちょっと名前の響きはかっこいいけれど、仕事内容としては、主に皿洗いとキッチンエリアの掃除。

英語が流暢じゃなくてもできる仕事ではあったけれど、自分で仕事を探し、海外で実際に働くことができたのはとても貴重な経験となったし、何より楽しかった。

また、ただの一留学生としてだけではなく、一人の移民として学校、労働と海外のリアルライフを経験できたのは大きな財産である。















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