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ひび

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2021年6月の記事一覧

あ~あ

きっと毎日のように、あ~あ、と言っている。

退屈なのだろうか。行き場の無い寂しさが膨らんで、人恋しくなる。ぼさぼさの顔面が、虚空を見つめている。あなたにもきっと、ぼさぼさの夜がある。誰かに会いに行くときは、自然と優しい顔つきになる。もしかするとあなたも、顔では笑っていても、心の中ではしょんぼりしているのかもしれぬ。そんなときは、素直にワガママを言えば良いのに。自分はこう見えて身軽だから、もしもあ

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名前

梅雨が過ぎたのでもう雨は降らない、なんて誰がついた嘘だったのか、昨日も雨と曇りの湿気た一日であった。昼過ぎ、いや夕方に起きて、腹が減る。冷蔵庫の中には、なめ茸ともずくくらいしか無かった。

東京で住み始めた友人に送った手紙が返ってきていた。住所は合っているが宛名が違っていたという。彼の本名を自分は知らなかったので、封筒には呼び名を書いて出したのだが、それがいけなかったのである。彼にその旨を伝えると

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鬼.mp4

夜、大雨が降り出して、どんがらがっしゃん、強烈な雷が何度も鳴るので、思わず携帯片手にベランダから外を映した。その瞬間、眼前ピカっと眩く光って、途轍もない轟音、怒号が響いた。鬼が激怒しているような様子だった。即座に心の中で、ごめんなさい、と謝った。

(↓そのときの様子ですが、noteアプリでは見られません。ブラウザから見てください)

泥と愛

私の薄汚れた心は、もう、どうしようも無い。これでも自分なりに一生懸命生きてきたつもりで、時には人に感謝されることもある。けれども、結局のところは、泥まみれであった。ど、ど、どろまみれのこころー。いつか誰かにしばかれるような気がする。

私は、誰かのために、真剣に、何が出来るだろうか。「きみは、とっくに色々な人たちを救っていますよ」と言われたことがある。そうなのかもしれない。だが、同じくらい、もしく

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何してる人

昔、我が店で友達とワインを飲んだりギターを弾いたりして遊んでいたら、一人の怪しげな風貌のおっさんが来店した。そのおっさんは、知り合いの知り合い、みたいな人らしく、来るなり自分語りを始めた。私は占いを長年やっており、前は心斎橋で店もやっていた、有名人を診たこともあるのだよ、良かったら診てあげようか、などと語り、自分と友達は話半分で聞きながら、適当に、へえ、そうすか、別にいいです、などと相槌を打ったの

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昨日、昼にうどんを食べて、夜に蕎麦を食べた。今日はつけ麺を食べた。ああ、一昨日もうどんを食べた気がする。日曜日の夜に、うどん三玉を食べたこと、それは確かなのだが、はて、一昨日は何曜日だったか。とにかく自分は、きっと麺類が好きなのだろう。明日はスパゲッティーを食べる。

そのうち珈琲

そのうち落ち着いたら、また珈琲でも飲みに行きましょう。どこのサ店でも良いけれど、出来れば場末の、空いてそうな店が良い。別に、無理矢理に話題など探さずに、美味くもない珈琲を啜り、時折きみの顔をちらっと見たら、何となく不機嫌そうな、それでいて寂しそうな顔をしているから、ア、もしかしておもんないんかな、と思って、ドギマギしたい。そのときは私も不機嫌な顔つきで煙草をふかすので、きみも心の中で、ア、もしかし

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このところ寝不足が続いていたので、今日は死ぬほど寝てやろうと思い、風呂にも入らず歯も磨かず酎ハイ飲んでから布団に入ったのが深夜4時頃、明日の予定は何も無いし、勿論アラームもせず携帯もマナーモードにして、完璧のぶた、存分に眠りたいだけ眠って、一旦極限まで泥々に汚くなってから、明日、ゆっくりと風呂に入って全てを浄化しよう、と目論んだ。

コンタクトレンズが無くて眼鏡姿で舞台に出たら何故かそれが矢鱈とウ

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