あ~あ

きっと毎日のように、あ~あ、と言っている。

退屈なのだろうか。行き場の無い寂しさが膨らんで、人恋しくなる。ぼさぼさの顔面が、虚空を見つめている。あなたにもきっと、ぼさぼさの夜がある。誰かに会いに行くときは、自然と優しい顔つきになる。もしかするとあなたも、顔では笑っていても、心の中ではしょんぼりしているのかもしれぬ。そんなときは、素直にワガママを言えば良いのに。自分はこう見えて身軽だから、もしもあなたがカツ丼食べたいと言うのなら、素早く豚肉に衣をまぶして揚げて、卵でとじて白米に乗せるよ。けれども、大抵の人は何も言わない。微笑み浮かべて遠慮する。それは、やさしさ、気遣い、謙遜、なのかもしれぬ。ちっとも嬉しくない。自分は気を遣われるよりも、素直に想いをぶつけられる方が断然嬉しい。それは、愛でも、憎しみでも、ワガママでも、良い。

自分は知らんぷりで寝転んで、また、あ~あ。

何もいりません。舞台に来てください。