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ひび

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日々のことについて文章を書きます。
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2021年4月の記事一覧

ぽたぽた

いつまでも子供のように遊んでいたい。目の前にあるものを真剣に見つめて、損得勘定や、意味の有無、そんなことを考えずに、全力で取り組みたい。と思いつつ、甘いチョコレートをむさぼる。実は、今年の目標のようなものをこっそりと決めていて、それは、今までとは違った考えのもの。簡単に言うと、イエス・キリスト的な愛に基づくものなのだが、けれどもそんなこと、達成出来るか分からぬ。

4月がもうすぐ終わる。夢うつつな

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まんまる

今夜の月はまんまる満月で、強烈な光を放っていた。歩き疲れた自分は道端で立ち止まり、おや、と思ってしばらく見上げた。三日月とか半月とかあるけれど、あなたはどの月が好きですか。おれはやっぱり満月ですわ。まんまるが一番ですわ。

ほれ、はよ動きなはれや、と婆に杖でつつかれても、駄々こね、床に突っ伏したまま、もう少ししたらやるから、だからあと5分、と言ったきり5時間動かぬ。面倒臭そうにして、微動だにしない。

それでも5時間後、ようやく立ち上がった自分は、瞼を擦り、動き出す。ふらふらふらふら、足元おぼつかぬ様子で、めんどくさと呟きながら、しかし、やらねばならぬ。それから自分は朝まで飯も食わず便所へも行かず、ひたすら回る。とに

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ひまつぶし

お嬢さん、暇潰しに飛沫節でも如何ですか。烏賊が飛んでコンガ叩く猿の宵にほろほろ~。月の影に涎垂らす餓鬼の前でほけほけ~。

とても暇な近頃は、遊びたいけど遊べない。有り余った時間をほとんど喫煙に費やしている。物欲は止まらず、色々なものを通販で買って、金も無くなってきた。そろそろ店の金に手を付けようかと迷っている。人にも会っていない。皆がどうやって暮らしているのか、気になる。フリーズ頭で携帯をいじく

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あの娘は悩みがちだから、いつでもコダックのように頭を抱えて、ああでもないこうでもない、うう、と独り言を言いながら、じっとしている。ご飯が出来たよ、さあ食べなさい、と声を掛けても、変わらず頭を抱えて、そうじゃないんだこうじゃないんだ、だけど、しかし、けれども、ハウエバー、などと呟き、むしゃくしゃむしゃくしゃと頭を掻きむしる。その姿があまりに可愛いかったので、こっそり尻を触らせてもらったが、気が付かな

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ギャップ

人は見掛けによらない、という言葉の通り、今まで自分は色々な人の意外な一面を目にしてきた。ぱっと見では分からぬ、裏の顔、もしくは本来の顔、とでも言おうか、怖い人のやさしさも、強気な人の涙も、可愛い人の毒も、か弱き人のしたたかさも、見たことがある。

ギャップ萌え、という言葉の通り、我々は他人の意外な一面にときめくことがある。ギラギラのギャルが実は花言葉に詳しいとか、辞書片手の細メガネくんが実は空手有

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Shit!

誰かが誰かに怒り狂っているので話を深く聞いてみると、それはただの嫉妬であった、というのはよくある話で、世の中の人間関係は嫉妬に溢れている。おばはんが若い女子に、不細工がイケメンに、嫌われ者が人気者に、今日も嫉妬している。

嫉妬心が強い人は、飽きないのかというほどに常日頃から誰かに嫉妬していて、何だか辛そうである。ウチはウチ、ヨソはヨソ、とは真逆の精神で、隣の芝生の青さを羨み、悔しがり、やがてそれ

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春ですヨ

いつまでも、しみったれた顔をしてるでない。もう4月だぞ。ほら見ろ、桜が満開。子供たちがはしゃぎ倒している。風。砂埃。薄い満月。どこからか漂う、晩飯の匂い。

2月、3月と、私はひたすら眠くて、ずっとふらふらしていた。頭が上手く働かず呆けていた。冬が終わったことにも気付かずにセーターとコートを着込んでいたら、春ですヨ、と耳元で小鳥が囁いた。そんで、私は目覚めた。

もう止そう。そんな顔をするでない。

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この、ひねくれ上がってしまった黒い諸々は、身体に染み付いて、なかなか剥がすことが出来ぬ。一体どこから来たのと言われれば、その源流は、やはり家庭の中にあるような気がする。生まれ育った家庭環境によって、いつの間にか形成されたものだろう。

箸の持ち方がおかしな人がいる。自分も子供の頃は、交差持ち、というのだろうか、間違った持ち方をしていて、親に注意された記憶もあるのだが、特に矯正はされなかった。子供の

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