ギャップ

人は見掛けによらない、という言葉の通り、今まで自分は色々な人の意外な一面を目にしてきた。ぱっと見では分からぬ、裏の顔、もしくは本来の顔、とでも言おうか、怖い人のやさしさも、強気な人の涙も、可愛い人の毒も、か弱き人のしたたかさも、見たことがある。

ギャップ萌え、という言葉の通り、我々は他人の意外な一面にときめくことがある。ギラギラのギャルが実は花言葉に詳しいとか、辞書片手の細メガネくんが実は空手有段者とか、そうした意外な一面は相手の印象をガラリと変えて、加点材料となり、え~~意外なんですけど~~萌え~~、となる。自分の場合、見掛けによらず甘えん坊のところなど、もしかするとギャップ萌えかもしれぬ(勘弁)。

その反対に、ギャップ冷め、とでも言おうか、落胆を生み出す一面もある。愛嬌が売りのアイドルが実は極度の差別主義者だったり、爽やかなイケメンがスカトロ愛好者だったりすると、驚きとともにがっかりする。そこまでの落差は無いにしろ、普段は物静かな人が妙に鼻息荒くしているだけで、ちょっと嫌だな、と思うものである。そして大体の場合、穏やかで謙虚に見える人ほど、裏ではこっそり悪だくみをしていたり、性欲が強かったりするから、気を付けなければならない。清楚系ビッチという言葉があるように、性根の悪い奴ほど外面を装うのである。

ギャップ冷めを起こさぬためには、どうすれば良いか。これは簡単な話で、初めから外面を悪くしておけば良い。つまり、ぱっと見で相手に凶悪な印象を与えておけば、ギャップで落胆することは無く、後は右肩上がりに好印象一直線となるのだ。今後はスターリンの遠藤ミチロウのような化粧を施して、ファックポーズで喚き散らしながら暮らそうと思う。


何もいりません。舞台に来てください。