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果樹の苗木を植えよう。ただし、計画的にね。

冬のお仕事、第二弾…ってもう春だけど。毎年、冬の間に気の向いた本数の果樹を植えている。植える場所は、そのときに自分が想い描いている未来図になるように決めるため、現時点では多少無理があるようなところになることが多い。

田舎暮らし、農的暮らし、自然農法、パーマカルチャー、このへんのキーワードが好きな人は、四季折々の果樹が咲く自然農園に憧れているのではないか、私はそうだ。

果樹は時間がかかる、なんとなく形になるのに最低5年。大きく育ち、毎年その時期には食べきれないほどの果実を実らせるには、樹種にもよるがやっぱり10年くらいは必要になる。

よって、移住してすぐに果樹を植えたがる、少しでも早く植えなければと思う。しかし、移住して数年は環境の変化や心境の変化がけっこうある。

たとえば、移住したときには自然農園にすべてをかけようと思っていたが、1年後には経済的な理由により、週末有給休暇家庭菜園よりちょっと大きめ兼業農家に変わる可能性もある。そうなると管理できる農園の大きさはまったく変わってくるので、必然的に果樹を植える場所や本数はまったく違うものになる。

たとえば、自分が管理している畑の周辺には耕作放棄地があるので、そのうちその場所も含めて農園にしよう、という考えのもと農園を設計して果樹の配置を決めていたら、気がついたらそこは太陽光発電になっていたり。逆に自分が管理している畑の周辺では、ばっちり農業しているので、広がりを考えずに自分の場所だけで農園図を描いていたら、年齢的にもしんどくなってきたので、好きなように管理してもらえないだろうか、と相談を受けたり。などなど。

私は移住して1年目の冬に、畑に直線的な畝をたてて、それぞれの畝に果樹を植えた。それは畑を立体的に使うという考えからだったが、結局次の年には8本すべて裏山に植え替えた。

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2年目の冬に裏山の桧林をてきとーに伐採して四季折々にいろいろな果樹が咲く果樹園にしようと思い18本の苗木を植えた。梨や桃やさくらんぼ、りんごやプラムや柿、それぞれがでっかく育ったときをイメージして、かなり広めに間隔をとり、山の中に点々と植えていった。しかし、夏には草が繁ってなかなか山に入る気になれずにその年の冬に様子を見に行くと、桧を伐り倒して光が入った場所はすべてびっしりと笹に覆われていて、苗木の場所がどこかさえわからない状態だった。奇跡的に柿が一本だけ残った。

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3年目の冬はいったん裏山は諦めて、家の裏手にある溜め池周りの竹藪を綺麗にしたところに栗を2本植えた。そのうちの一本は今もいい感じに成長している、やはり柿と栗と梅は強い。近所のじーさんも言っていたが、素人がてきとーに植えて育つ果樹は上記の3種くらいだ、その証拠に田舎ではほとんどの家の庭に柿栗梅がある。

4年目の冬も溜め池周辺に植えることにした。裏山は冬の間に数回しかいかないが、ここなら田んぼに水を張っている期間と筍シーズンには必ず行くので、目をかけたり手をかけたりすることができる。プラム2本、さくらんぼ2本、ブルーベリー2本を植えた。プラム1本はいのししが掘り返してダメになったが、それ以外はまぁ順調だ。プラムは受粉木がなくなってしまった、どーしよ。

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5年目の今期は家の近くに温州みかんの苗木を2本植えた。ようやく自分が管理していこうとする範囲にだいたいの目処がたち、畑として野菜を育てていく場所や、火を炊く炉や影をつくる東屋など庭のように使用する場所も決まってきた。ミカンの苗木を植えた場所はすごくしっくりきている、1年目にこの場所に苗木を植えるイメージは持てなかったので、焦って植えなくてよかった。

今回のミカンの苗木は3年生を植えた。苗木の値段はだいたい1年生で1000円、2年生で2000円、3年生で4000円くらいだ、ネットで購入すると送料が2000円ほどかかって苗木1本が6000円強かかる。1年生を近くのコメリで買えば1000円弱なので、価格だけみればまあまあの差になる。

いままで1年生の苗木を植えてきて、今回初めて3年生の苗木を植えて思うのは、圧倒的に3年生の苗木がお勧めだ。まず何より2年という時間を節約できるのは大きい、それだけ早く理想の自然農園に近づくのだから最高だ。そして、1年生の苗木を植えてから3年ほどは大きさはたいして変わらない、夏場の草刈りを怠るとあっさり一年草に埋もれてしまう、夏場の草刈りを3年やり続けるのは大変だ。4年目くらいからある程度大きくなり始めるので、ちょっとくらい油断してもそうそう負けはしない。さらに、1年生ではその木の性がよいかわるいか分からないが、3年生になればある程度分かってくる、プロが育てて販売しているので、間違いなくそれなりの苗木になる。

焦って無計画にちゃんと育てられるかどうか分からない1年生の苗木を植えるより、時間をかけて場所を吟味して計画的に3年生の苗木を植えた方が良いのではないだろうか。

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