福岡市科学館でフロアと惑星を開拓しよう
サイエンスライターたるもの各地の科学館でどのような展示があってどのような解説文があるのか把握しなければ、という建前で飛行機代とホテル代を経費に計上して福岡市科学館に行ってきました。
福岡市科学館は2017年にオープンしたばかりの、割と最近できた科学館。最寄りの地下鉄駅の六本松駅も全面協力という感じ。
ホームにも、いろんな動物を比べたイラストがあって楽しい。
個人的に珍しいなあと思ったのは、六本松421という商業施設の3階から6階に入っていることです。1階には食品売り場やドラッグストアがあって、2階には書店とスタバがあります。
3階はチケット売り場と特別展用スペース、そして企業提供のSDGsブースがあって大きなスクリーンとインタラクティブな体験ができます。4階は読書スペースで、いろんな本を好きにとって読むことができます。
この3階と4階、そしてこの後紹介する5階と6階のフリースペースは無料で入ることができて、しかも開館時間の朝9時半から夜21時半まで自由に使えます。建物自体が街中にあるので、気軽に立ち寄れるのはいいですね。
5階がメインの展示スペースになっていて、ここは有料になります。大人510円、高校生310円、小中学生200円です(小中学生は2024年3月31日まで無料)。
展示スペースの入り口にはこんなふうになっていて、生命や技術やらワクワクします。
展示スペースに入ると、自分の顔が色んなアイコンに置き換わります。ちびっ子には面白そう。
中はかなり薄暗い空間だけど、明かりのあるところに行けばいいという、それはそれで道標になっている感じがします。
とりあえず、大きいスクリーンに近づいてみると、ちょうど細胞の中にあるエネルギー生産工場ともいえるミトコンドリアが映し出されていました。これでも大人の背丈よりも高いスクリーンです。
手元のモニターはタッチ対応になっていて、紫のATP合成酵素というものを指でくるくる回すとエネルギーができます。本当に体内ではATP合成酵素がくるくる回ってATPというエネルギー源を作っています。
近くには顕微鏡がありました。ただこれはギミックみたいになっていて、実際に拡大して見るのではなく、置いたキューブごとにセンサーが反応してゴーグルの中で映像が見える、という仕組みになっています。
キューブには栗?きのこ?昆虫とかがあって生物としてはいろいろだけど、拡大していくと細胞が見えてその中にあるものはみんな同じ、というのは生物の本質をついていて、個人的にはお気に入りです。
こんなふうにあちこちに吹き出しとなった問いかけがあって、ちびっ子は展示物のギミックで楽しみつつ、大人はじっくり考えるという演出になっています。
ちなみにここではスタンプカードがあり、展示1つ1つの場所でスタンプを集めることができます。スタンプを集めると、中央にある惑星開拓ゲームにチャレンジできます。
複数人が同時にプレイできて、マス目を狙って撃っていくと、自然や住居、工場などを作って面積を広げることができます。ちょっとスプラトゥーンっぽい。
同じマス目を撃ち続けると発展していきます。こうして他の人と協力しながら、惑星を開拓していくわけですが、自然、住居、工場とかのバランスをそれなりに考えながら開拓していかないとカオスな惑星になりそう。
うーん……これは協力プレイ必須だ。
出口には展示制作にあたり協力した方々のお名前が。
知っているお名前が2人もいるなあ。
東京のお台場にある日本科学未来館や名古屋市科学館もそうだけど、解説文や映像やモノを見るのではなくてインタラクティブな要素を取り入れているものが科学館で増えていると実感しています。
これは当たり前と言えば当たり前のことで、座学よりも体を動かしたり現場に立ったりしたほうが身につくやすいのと同じで、自分の手足を含めた体全体を動かすことで自分や世界のことがもっと身につきやすくなるのだと思います。
なので職員さんもちらほら見かける程度です。もちろんトークゾーンみたいなところで職員さんが30分や1時間に1回いろんなテーマで解説する時間もあります。そのあたりの人との触れ合いの時間も大切にしているのがイマドキの科学館かな、という感じでした。
ちなみに6階はプラネタリウムのあるドームシアターです。この日のプログラムは。
はい、むしろこちらが本来の目的でした。『FELT SENSE』の映像がすごくて、体が上に吸い込まれていく感覚はライブでもプラネタリウムでも初めてで、その意味でも行った価値はありました。そういうプラネタリウムもあるということで。
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