無門関第四十二則「女子出定」現代語訳
公案現代語訳
本則
むかしむかし、ある日のこと。
文殊菩薩が世尊のもとを訪れたら、ちょうどそこに多くの仏さまが集まっているところに出くわしました。皆それぞれの持ち場に帰っていくところでした。
しかしよく見れば、一人の女人だけが、彼の仏座の近くで三昧境に入っていました。
文殊菩薩は仏陀に言いました。
「どうして女人が仏座の近くにいることが出来るのだ。私でもできないのに」
仏陀は文殊に告げました。
「あなたがこの女人の目を覚まし、三昧から起こして、あなたが自ら訊ねてみ