無門関第四十三則「首山竹篦」現代語訳

公案現代語訳

本則
 首山和尚は、竹篦を取り上げて聴衆に示し、言った。
「さて諸君。もし竹篦と呼べば触となる。
 竹篦と呼ばなければ背くことになる。
 諸君、さあ言ってみろ。何と呼ぶ」

評唱
 竹篦と呼べば触となる。
 竹篦と呼ばなければ背くことになる。
 言葉で語ってはならない。
 沈黙してはならない。
 早く言え。早く言え。


 竹篦を取り上げて
 活殺の令を下した
 背くも触も抜きつ抜かれつ
 釈迦も達磨も命乞い


注釈
 ここでいう竹篦(しっぺい)とは、師が参禅者を指導する際に用いる竹製の道具だそうです。
 いろんな形のものがあるようですが、ざっくりした共通点は、竹製であること、細長いこと。持ち手部分には紐が巻かれていることが多いようです。
 要はこれでパシパシ叩いてたんでしょう。警策のための道具でしょうね。

 触というのは、仏教においては、「感覚器官である根と、対象物である境と、認識する心である識とが結びついたときに生じる精神作用」ということだそうな。
 何のことやら、全くピンとこないので、今ひとつ自信がないのですが、今回の竹篦で言えば、「竹篦と呼んだとき、その名を聞いた聴覚と、竹篦その物、その両者を認識する心が結びついたときに生じる精神作用」ということになるでしょうか。
 さらなる意訳は、考察回で記します。

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