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相手を幸せにして帰したヤツが1番タンゴ上手いんじゃない?

タイトルにもある通り、「相手を幸せにして帰したヤツが1番タンゴ上手いんじゃないか?」と最近考えている。

Kaito Tango(僕のタンゴに関する仕事の総称)のモットーは「楽しく踊るふたりをつくる」

ただ技術を伝えるのではなくて、ダンスを通して踊っている実感とか、成長する喜びとか、人と繋がる楽しさとか、そういう幸せにフォーカスしていきたいという思いからこのモットーを採用している。

どうして踊るのか、うまくなりたいから?多分違うと思う。幸せになりたいから、楽しいからだ。ダンスをすることで自分が何かしらの幸福感を得られるから人はダンスをするんだと思う。

その幸福感を得るルートは人による。音に乗るのが楽しい、ボディコミュニケーションが楽しい、カッコよくなりたい、上手にやって褒められたい、世界観に没頭したい…あげるとキリがないけど、こんな感じだろう。

だったら僕がやるべき仕事は、ダンスを通じて幸福感を得るまでのプロセスを全体的にサポートすることだ。しかめっ面で文句言いながら踊っても人生は豊かにならない。

レッスンやワークショップで伝えるのはステップだけじゃなくてそのステップを使って「どのようにして楽しむといいか」まで伝えて、みんなで遊んでみる。

イベントに関してもレベルやダンス歴に関わらず全員が楽しく遊べる空間を作っていく。

そういう仕事だと思うと、途端に素晴らしい職業な気がしてきた。人の幸せをダイレクトにサポートするなんてなかなかイケてるじゃないか。

とまあ、ここまでが過去の話。モットー「楽しく踊るふたりをつくる」を設定した経緯である。



で、最近はさらに一歩踏み込んでこのような問いを立てて考えていた。


「全員がダンスを通して楽しくなれる理想的な空間にはどんな空気が流れているべきなんだろうか?」


ぼくはこの問いに暫定一つの答えを出してみた。それが「相手を幸せにして帰したヤツが1番イケてる」という空気を充満させることだ。

例えば小学生なら足速いヤツがイケてるし、大学生の飲み会なら沢山飲めるヤツがイケてる、句会なら、いとおかし歌を読みたヤツがイケてる。どんな人間がイケてるのかという空気はコミュニティによって全く異なるし、その空気がコミュニティの空気をおおかた決めるだろう。

最近こんなことを思う、
「『あの人上手なんだけど、あんまり楽しくないんだよね』って言われる類の人、実は上手くないんじゃない?」と。

「『あの人技術はそんななんだけど、めちゃくちゃ楽しいんだよね』って言われる人、実はめちゃくちゃ上手いんじゃない?」と。

相手の状況を無視して高度な技をかけまくる人は、シンプルに相手を観察して相手に合わせるスキルが足りてない。下手なのだ。

社交の場でのペアダンスは、難易度の高い技を積み重ねて高得点を狙うゲームではない。踊り終わった後に2人が楽しかったと言えたらいい。その幸福感の総和を最大化させるゲームとも言える。ペアダンスのゴールはそこじゃないだろうか。

そう考えると、ペアダンスが上手い人ってのは結局相手を幸せにして帰したヤツなんじゃないかと思うようになった。

相手を幸せにする方法は別になんでもいい。ストレートにダンスの質で満足させてもいいし、ダンスが苦手なら雑談で盛り上がってもいい。ダンスも雑談も苦手なら、相手を不快にさせない紳士的な立ち振る舞いと、心のこもった「踊ってくれてありがとう」の言葉でも十分じゃないか。

逆に、自分の技術的優位性や経験、経歴を武器のように振りかざし他の人をビビらせる態度を、Kaito Tangoでは明確に否定していこうと思う。

「相手を幸せにして帰したヤツが1番タンゴ上手い」という思想をKaito Tangoでは広めていきたいな。


Kaito

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