見出し画像

利益は、あとからついてこない。

 行列ができるお店をつくりたい。予約がとれないお店をつくりたい。「鮪のシマハラ」の創業当初、私はずっとそう考えていました。月商1,000万円店舗は憧れでした。そして気付きました。現段階で、私にも「鮪のシマハラ」にもそんな力はない。

 実力不足を痛感した私は、最近少し店舗経営の考え方が変わってきています。それはエグいくらいに利益にこだわることです。「なにを当たり前のことを」と思われるかもしれませんが、私はこれができていませんでした。売上規模だけにこだわり過ぎていました。

 これは中国ビジネスの経験がそうさせていたのかもしれません。チャイナバブルの波に乗り、急成長を続けた私の中国ビジネスは売上至上主義でした。売上がすべてを解決しました。売上さえあれば、すべてがうまくいっていました。

 しかしすでに成熟した日本の飲食業界において、このやり方は当てはまらないような気がします。ザックリやって、お金が残るなんてことはないのです。利益を出すのは本当に難しい。日本の飲食業界に遅れてやってきたルーキーの私はそれを痛感しています。利益はあとからついてこないのです。

 利益を残すためには、緻密に緻密を重ねた積算が必要です。爪に灯を灯すような積算の先に利益はあります。そしてその利益がなければ、私もスタッフも幸せにはなれないし、会社も成長しないのです。売上は何も解決してくれませんが、利益はすべてを解決してくれます。

 現在、「鮪のシマハラ」では1店舗あたり売上500万円・利益100万円を目標に設定してあります。この数字をみなさんはどう感じるでしょうか。私たちの今後の急成長には、この利益が絶対必要です。また、この利益率なくして、スタッフを幸せにする自信が私にはありません。絶対死守すべき数字なのです。

 幸いコロナの影響が少なくなったここ数か月間、既存の2店舗はこの利益を達成できています。私はこの数字を維持するために、毎日数字と向き合っています。なにより、私を含めったスタッフの働き方を見直しています。

 100万円を残すためのカギは人件費です。いかに意識の高い仲間と生産性の高い仕事をするのかがすべてです。「鮪のシマハラ」では、2店舗を3人の正社員とアルバイトスタッフで運営していきます。そして生産性の高い仕事をするスタッフに高い給与を支払っていきます。店長クラスの年収500万円(週の労働40時間)はそのスタートなのです。正社員には、「どうせ一日8時間拘束されるのであれば、バリバリ働いて高い報酬を得よう。」そう檄を飛ばしています。
 
  月商1,000万円で100万円残す店舗より、500万円しか売れないけれども100万円は残る。行列もない、派手さもない、業界関係者に注目されることもない。でも聞いてみたら、「えっ、そんなに利益があるんですか。」そんな「鮪のシマハラ」を目指していきます。

 みなさん、もうお気付きですよね?これって、1,000万円売れない私のただの負け惜しみですよ。

 

 

 

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?