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どこかで眠っていた音楽

小さい頃に聴いたことのある音楽を、何十年も経ってからふと思い出すことがある。きちんと歌詞を覚えているのもあればメロディだけしかわからない曲もあるが、どの曲も繰り返し聴いていたとか毎日どこかでかかっていた、という曲ではないような気がする。でも何かしら心に留まるほどのいい曲だったのだろう。

もう30年も日本で生活していないので、例えばスーパーやテレビやなんかで耳にしたり、誰かとの話題に出ることすらない曲ばかり。

確かに聴いていた、多分好きだった、そんな曲たちがずっとずっと長い眠りから目覚めて、ふと自分の中に聞こえてきた時、そして自然に口をついて出た時にはなんとも不思議な気持ちになる。

ジャンルも年代もバラバラのこの音楽は、今までどこで眠っていたのだろう。なにがきっかけで今の私の脳裏に浮かんだのだろう。最後に聴いたのは一体いつだったのだろう。

歳を取ってから子供の頃に聴いたであろう様々な曲たちが浮かんで来ては、ぼんやりと校庭の様子や夏休みのラジオ体操や一人で食べたシチューなんかを思い出させる。そしてもうその曲は眠らずに現在の自分の一部になり、時々思い出してはまた歌う。

そんな不思議な曲たち。子供の時よりも大人の今の方がずっとずっと心にしみる素敵な曲ばかり。


赤い花白い花:赤い花摘んで あの人にあげよ あの人の髪に この花挿してあげよ

椰子の実:名も知らぬ 遠き島より 流れよる椰子の実 ひとつ

名犬ジョリィ: ごらんよほらはるかに輝くあの峰を お聞きよほら小川は歌いながら行くよ

ジョニィへの伝言:ジョニィが来たなら伝えてよ 2時間待ってたと 割と元気よく 出て行ったよと

今日は嵐のような風が木を揺らすのを見る私の中で、目を覚ましたのはこの曲。なんの脈絡もないけれど、何かが呼び起こしたのだろう。いい時代になったなぁ、ちゃんと聴こうと思えばすぐに見つかる!

待ちぼうけ


なんとなくどれも涙を連れてくる音楽ですね。歳をとるってこういうことなのかな。

シマフィー 

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